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2-5 回転寿司屋さん完成!

回転寿司屋さん、オープン!

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 ボクたちは、回転寿司の店をオープンした。

 ビントバーやズースミックだけではなく、ルセランドやゴマトマからも人が集まっている。

 物珍しさから人が沢山来るだろうと考えて、大きな店を構えたのだが。

「すごい行列だね」

 ボクたちはお寿司にありつけるかな。

「今日は、見学だけにしておこうか?」

 お客さんの入りは上々だ。
 この繁盛振りは、ユニークさだけの成果ではない。
 本当に美味しいんだろう。

 お寿司は、舞台裏でも食べられる。

 ボクたちは経営者だから、裏手に回ってもいい。

 しかし、チサちゃんは客席にこだわった。

「なにか分かることがあるかも知れない」

 だよね。チサちゃんなら、きっとこう言うと思っていた。
 こんな楽しいイベントを見過ごすはずがない。

 ボクたちは行列に並び、順番を待つ。

 三〇分ほど待っただろうか。ようやく席順が回ってきた。

 レーンは正方形に動き、それぞれの角に職人が立つ。
 ちゃんと、レーンが作動している。

 それだけで、ボクは軽く感動していた。
 まさか、異世界で回転寿司に出会えるなんて。

 さすがに、お茶を淹れるコーナーまでは作れなかったけどね。
 カウンター席を選び、チサちゃんは回る寿司を眺める。

「見ているだけでも、楽しい」
「好きなお寿司を取ってね」

 ボクはチサちゃん用の小皿に、しょう油を入れてあげた。

 先に、ボクは瓶に入ったガリを食べる。
 うん、甘辛さが丁度いい。
 さすがポージュースを作った天才調合師だ。

「おいしい!」
 サビ抜きのサーモンを一貫食べて、チサちゃんがハシャぐ。

「脂がのってて、なのに歯触りが軽い」
「ホントだ。ちょっと教えただけなのに、しっかりお店の味になってるよ」

 エィハスの一家は、本当にプロだな。

「気に入ってもらえたなら、うれしい」

「え、エィハス!」

 カウンター裏にいた職人の一人が、なんとエィハスだった。

「エィハス、似合ってる」

 今、エィハスの衣装は寿司職人風である。

「ありがとうチサ。でも、慣れないな」
 照れくさそうに、エィハスは笑う。

「あれ、本格的に転職したの?」
「まさか。担当が休憩に入ったから、変わったんだ」

 やはり本格的な職人には敵わず、エィハスの手つきはおぼつかない。それでも、愛情が込められていた。

「から揚げ巻き!」

 ミニから揚げがのった軍艦に、チサちゃんのテンションが上がる。

「そうか? 私は刺身をうまく切れないからな。せめてジョークなネタでも担当しようかと思って、作ってみたのだが」

 エィハスオリジナルのネタを見て、ボクはふと気づいた。

「これいいよ! 小さい子どもがめちゃ喜ぶ!」
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