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2-7 ついに勇者登場! ダイキ、フルパワー!
キュラちゃん改心
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「無事だったんですね、トシコさん!」
「私は大丈夫。心配をかけてごめんなさい」
よかった。トシコさんは持ち直したらしい。
「あのあと、すごかったんだからぁ」
オンコがニヤニヤしながら言うと、ネウロータくんとトシコさんが頬を染める。
「どうしたの?」
「いやな、完全回復させようと、ポージュースを開けたんだ」
エィハスの解説によると、せっかく開けたポージュースが、海水に流れてしまったらしい。
たしかに、海の底で瓶を開けたらね。
「そこでネウロータ殿は、口移しに移行したのである」
開けてすぐに口に含み、トシコさんに飲ませたとか。
おかげで、トシコさんは復活したそうだ。
トシコさんとネウロータくんが、照れくさそうにしている。ネウロータくんは頬をかき、トシコさんはモジモジしていた。共に、視線は合わせない。
「恥ではありませぬ。お二人とも、美しい光景でした。まさに魔王と玉座のあるべき姿」
茶化すことなく、ケイスさんは二人を賛美する。
「あなたは何も言わなくていいのよ! 二人が最高なのは、二人が分かっていればいいんだから!」
「ひぎぃ!」
マミちゃんが、興奮するケイスさんをたしなめた。
「とにかく、傷が治ってよかった」
「ありがとうチサちゃん。ウフフ」
モジモジしながら、トシコさんは微笑む。
ただ、和やかな輪の中に入れない人影が一つ。
「キュラちゃん、ありがとう」
ボクは真っ先に、キュラちゃんに礼をいう。
「勇者を倒したのは、アンタだもん」
うつむきながら、キュラちゃんは返事をする。いつもの怒気がない。もう落ち着いていればいいけど。
「でも、トシコさんを助けたのは、キミじゃないか」
キュラちゃんはハッとした顔になった。
自分のことを省みず、キュラちゃんは亜神のパワーをトシコさんに送り込んだ。そのおかげで、勇者の一撃を食らってもトシコさんは持ち直すことができた。
「ねえキュラちゃん、どうしてネウロータくんが、キミを選んだか、ボクはやっと分かったんだ」
「わたしを、キライになったからだもん」
ボクは首を振る。
「それは違うよ。あのね、ネウロータくんも、セイお姉さんが大好きだったからなんだ」
「おま……!」
ネウロータくんが、赤面した。たぶん、合っているな。
「なんで、そう言い切れる?」
「セイさんが君のお姉さんだと分かったとき、全部のピースがはまったんだ」
ここ最近、ボクたちに間で不思議なことが起きていた。
最初は、関連性が分からなかったけど。
「料理対決の時を思い出したんだ。キミは、ボクが魚醤を使ったのを一発で見抜いたよね」
お醤油と言っても、よかったのに。
魚醤だとすぐ分かったのが疑問だった。
「セイさんが魚醤を作ったと、考えたんじゃないかな? お姉さんの味を思い出したんだろうって、ボクは推測したんだけど?」
「私は大丈夫。心配をかけてごめんなさい」
よかった。トシコさんは持ち直したらしい。
「あのあと、すごかったんだからぁ」
オンコがニヤニヤしながら言うと、ネウロータくんとトシコさんが頬を染める。
「どうしたの?」
「いやな、完全回復させようと、ポージュースを開けたんだ」
エィハスの解説によると、せっかく開けたポージュースが、海水に流れてしまったらしい。
たしかに、海の底で瓶を開けたらね。
「そこでネウロータ殿は、口移しに移行したのである」
開けてすぐに口に含み、トシコさんに飲ませたとか。
おかげで、トシコさんは復活したそうだ。
トシコさんとネウロータくんが、照れくさそうにしている。ネウロータくんは頬をかき、トシコさんはモジモジしていた。共に、視線は合わせない。
「恥ではありませぬ。お二人とも、美しい光景でした。まさに魔王と玉座のあるべき姿」
茶化すことなく、ケイスさんは二人を賛美する。
「あなたは何も言わなくていいのよ! 二人が最高なのは、二人が分かっていればいいんだから!」
「ひぎぃ!」
マミちゃんが、興奮するケイスさんをたしなめた。
「とにかく、傷が治ってよかった」
「ありがとうチサちゃん。ウフフ」
モジモジしながら、トシコさんは微笑む。
ただ、和やかな輪の中に入れない人影が一つ。
「キュラちゃん、ありがとう」
ボクは真っ先に、キュラちゃんに礼をいう。
「勇者を倒したのは、アンタだもん」
うつむきながら、キュラちゃんは返事をする。いつもの怒気がない。もう落ち着いていればいいけど。
「でも、トシコさんを助けたのは、キミじゃないか」
キュラちゃんはハッとした顔になった。
自分のことを省みず、キュラちゃんは亜神のパワーをトシコさんに送り込んだ。そのおかげで、勇者の一撃を食らってもトシコさんは持ち直すことができた。
「ねえキュラちゃん、どうしてネウロータくんが、キミを選んだか、ボクはやっと分かったんだ」
「わたしを、キライになったからだもん」
ボクは首を振る。
「それは違うよ。あのね、ネウロータくんも、セイお姉さんが大好きだったからなんだ」
「おま……!」
ネウロータくんが、赤面した。たぶん、合っているな。
「なんで、そう言い切れる?」
「セイさんが君のお姉さんだと分かったとき、全部のピースがはまったんだ」
ここ最近、ボクたちに間で不思議なことが起きていた。
最初は、関連性が分からなかったけど。
「料理対決の時を思い出したんだ。キミは、ボクが魚醤を使ったのを一発で見抜いたよね」
お醤油と言っても、よかったのに。
魚醤だとすぐ分かったのが疑問だった。
「セイさんが魚醤を作ったと、考えたんじゃないかな? お姉さんの味を思い出したんだろうって、ボクは推測したんだけど?」
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