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4-5 風雲魔王城天守閣 魔王と邪神、親子対決!

魔王と玉座、最終形態

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 チサちゃんと魔王ロイリさんとの、親子最終決戦が幕を開ける。

「とはいいうものの、戦闘の形式は?」
「……せやった」

 戦闘モードだったラヴクラホテップが、シナシナに激萎えした。

「なんか、すいません。ただ、毎回勝負形式があったので、ここでもそうなのかなと」
「ええねん、ダイキはん。なんの説明もせなんだワシが悪いんや」

 シリアスなムードをブチ壊してしまったが、わからないものはしょうがない。

「しっかりなさいよ、あんた」
「すんまへん」

 ロイリさんにまで注意されて、さらにラヴクラホテップが凹む。

「勝負の形式は、いわゆるガンシューや。あんたらの世代で言うたら、FPSいうたらええんか?」

 互いに銃で撃ち合って、相手の弱点を狙うそうだ。

「今のあんたなら、ルチャの力も引き出せるはずや。チサと手をつないだらいけるさかい、やってみい」
「あ、はい」

 邪神の指示に、ボクはおとなしく従う。

 チサちゃんと手をつなぐと、すぐに黒竜ルチャの姿に変化した。

 漆黒のレスラー姿になって、手の偃月刀も本物になっている。

 チサちゃんは、魔法少女の姿に。青紫のフリフリワンピースが、チサちゃんの幼さに怪しげな魅力を引き出す。子供っぽさの中に、妖艶が出ていた。

 手には、短いステッキを手にしている。魔法少女然とした格好だが、ステッキはややイカツい。ハートの型をしたピンクの水晶に、黒い龍が巻きつているデザインだ。

「ボクたち二人で、黒竜ルチャの力を使うみたい」
「これが、わたしたち本来の姿。理想の形を意識したスタイル」

 そっか。これが魔王チサちゃんと玉座であるボクの、正装なんだね。

 ボクたちは龍のシッポを思わせる抱っこ紐で、互いをくくっている。

「チサが持っとるんは、ドラゴンステッキや。あんたの近接武器を使ってもかまへん。玉座と魔王、どっちかが近接担当や」

 ただし、武器でないと攻撃できないという。
 体術や魔法などは、邪神には無効らしい。

「ワシの脚には、それぞれ光ってる箇所がある」

 触手の間に、光っているボールを見つけた。心臓のように、リズミカルに点滅している。触手も脈打ってて、実に卑猥だな。

「この弱点を攻撃して、一定のダメージに達したら、触手は消滅するさかい。ただし、触手がなくなるほど、嫁はんのロイリが強なるさかいな。注意してや」

 ロイリさんも、「注意してねー」とニコニコした。

「消滅しそうって目安は、目視できますか?」
「いけるで」

 ダメージを与えるごとに、色が変わるという。
 真っ赤になったら、トドメをさせばいいそうだ。
 ただし、トドメを刺さないと触手は回復してしまう。

「わかりました。ロイリさんを直接攻撃は、できないんでしたよね?」
「せやで。触手をぜーんぶ片付けてからが、本番や。ほなええか?」
「はい。準備はOKです!」

 ボクが応答すると、足場らしき土台がふわっと浮き上がってきた。

「このフィールドで、戦ってもらう。一定時間が来たら足場を壊すけど、時間経過でまた復活するさかい。ほな、始めよか!」

 今度こそ、戦闘が始まる。
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