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4-5 風雲魔王城天守閣 魔王と邪神、親子対決!
最終決戦、開幕
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ボクたちは、最後の扉を開く。
最終ステージは、刺々しい岩山の山脈である。どうやら、ここが邪神の城のようだ。辺りが、黒い雲に覆われている。黒い雲海なんて、初めて見たな。
空に広がっているのは、広大な星空だった。
「来たかいな」
眼の前にいるのは、邪神ラヴクラホテプだ。黒い雲だと思っていたのは、巨大なイカを思わせる漆黒の邪神だったのである。
「キレイやろ? この星々は。これはな、各魔王たちが生きる世界線や。あんたらの行くはずやった世界線も混じってる」
このキラキラした星の一つ一つが、一個の世界を形成しているらしい。
「せやけど、これ以上世界が膨らんでしまうと、星同士が衝突してしまう。よって、間引き線とイカン。この戦いは、そういうルールなんや」
世界線同士を戦わせていた、ということか。
「ロイリさん、あなたも納得なさっているのですか? 子どもたちが消えていくのを見て、辛いと思ったことは?」
「はい。でも、彼らは死んだわけじゃありませんから。倒された魔王は、倒した魔王に吸収されますので。子どもたちが強くなっていくのが、わたしたちの喜びですから」
ロイリさんからは、あまり悲壮感を感じられない。
「チサ、よくここまでやってきましたね。後はわたしたちを倒すこと。これによって、あなたは真の魔王として君臨できます。長かった。一〇万年待ちました。ようやく、我々を倒してくれる子どもが現れました」
「まま。決着をつける。わたしが魔王になって、みんなをまとめる」
「それはどうでしょう? あなたにできますか? 人一倍優しい心を持つあなたが、一癖も二癖もある魔王たちをまとめ上げられるとでも?」
「わたしは、ひとりじゃない」
そうだ。チサちゃんには仲間がいる。
ボクだって、チサちゃんの役に立てるはずだ。
「魔王はいつだって、一人です。わたしは、そうやって常に頂点に立ってきた」
ロイリさんの言葉を待っていたかのように、ラヴクラホテプが腰を上げる。まるで、噴火の前兆のように。
「ラヴクラホテプの弱点は足です。それによって世界を支えていますから。足をすべて砕けは、邪神は倒されます」
邪神の足は、一〇本ある。その一本一本が、年輪だそうだ。つまり、一本の足には一万年分の重みがあるわけか。
「どうして、弱点を教えるの?」
「教えたところで、誰も勝てなかったからです」
悲しげな表情を、ロイリさんが見せた。
「さあチサ、すべての邪神の足を砕き、わたしを倒してみなさいな」
もっとも太い邪神の脚に腰掛けて、ロイリさんが両手を広げる。
避けられない親子ゲンカが、始まった。
最終ステージは、刺々しい岩山の山脈である。どうやら、ここが邪神の城のようだ。辺りが、黒い雲に覆われている。黒い雲海なんて、初めて見たな。
空に広がっているのは、広大な星空だった。
「来たかいな」
眼の前にいるのは、邪神ラヴクラホテプだ。黒い雲だと思っていたのは、巨大なイカを思わせる漆黒の邪神だったのである。
「キレイやろ? この星々は。これはな、各魔王たちが生きる世界線や。あんたらの行くはずやった世界線も混じってる」
このキラキラした星の一つ一つが、一個の世界を形成しているらしい。
「せやけど、これ以上世界が膨らんでしまうと、星同士が衝突してしまう。よって、間引き線とイカン。この戦いは、そういうルールなんや」
世界線同士を戦わせていた、ということか。
「ロイリさん、あなたも納得なさっているのですか? 子どもたちが消えていくのを見て、辛いと思ったことは?」
「はい。でも、彼らは死んだわけじゃありませんから。倒された魔王は、倒した魔王に吸収されますので。子どもたちが強くなっていくのが、わたしたちの喜びですから」
ロイリさんからは、あまり悲壮感を感じられない。
「チサ、よくここまでやってきましたね。後はわたしたちを倒すこと。これによって、あなたは真の魔王として君臨できます。長かった。一〇万年待ちました。ようやく、我々を倒してくれる子どもが現れました」
「まま。決着をつける。わたしが魔王になって、みんなをまとめる」
「それはどうでしょう? あなたにできますか? 人一倍優しい心を持つあなたが、一癖も二癖もある魔王たちをまとめ上げられるとでも?」
「わたしは、ひとりじゃない」
そうだ。チサちゃんには仲間がいる。
ボクだって、チサちゃんの役に立てるはずだ。
「魔王はいつだって、一人です。わたしは、そうやって常に頂点に立ってきた」
ロイリさんの言葉を待っていたかのように、ラヴクラホテプが腰を上げる。まるで、噴火の前兆のように。
「ラヴクラホテプの弱点は足です。それによって世界を支えていますから。足をすべて砕けは、邪神は倒されます」
邪神の足は、一〇本ある。その一本一本が、年輪だそうだ。つまり、一本の足には一万年分の重みがあるわけか。
「どうして、弱点を教えるの?」
「教えたところで、誰も勝てなかったからです」
悲しげな表情を、ロイリさんが見せた。
「さあチサ、すべての邪神の足を砕き、わたしを倒してみなさいな」
もっとも太い邪神の脚に腰掛けて、ロイリさんが両手を広げる。
避けられない親子ゲンカが、始まった。
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