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4-5 風雲魔王城天守閣 魔王と邪神、親子対決!
最終話 おっさん、魔王の玉座となる
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あれから、どれくらい経っただろう。
「チサ様、ダイキ様、お客様です」
ボクがチサちゃんとゲームで遊んでいると、セイさんが来客を報告してきた。
「お邪魔するわよ!」
「お久しぶりです。ダイキさん」
マミちゃんとケイスさんである。みんなで世界を手に入れても、二人は相変わらず主従の関係だ。
「変わらないね。マミちゃんは」
「新しい魔王と玉座になったっていうのに、そっちも相変わらずねっ!」
あれから、みんなはそれぞれの国の王様を名乗っている。
世界が大きすぎるなら、みんなで少しずつ支え合えばいい。
数々の戦いを経験してきたボクたちなら、できるはずだと提案した。
結果、今のところうまくいっている。
といっても、やることは冒険とか畑仕事なんだけど。
「聞いて。またトシコが子どもを産んだわっ!」
「すごいね。もう三人目じゃん」
「ククのところは、四人目ができるそうよっ! 二人のお見合いに行くわよっ!」
向こうは、子育てで大変そうだ。
「ケイスさん、二人目の息子さんが、学校に上がるんですよね」
「はい。長男と違って手のかかる子でしたが、無事に」
ボクとケイスさんが話していると、マミちゃんが会話に入ってきた。
「そりゃあそうよ。あの子はあたしに似たもの!」
なんだか、誇らしげだ。
二人もだが、みんなもうすっかり親になっている。こうして会えたのも、いつ以来だろう?
「で、お二人のお嬢さんは?」
ケイスさんが尋ねると、セイさんが微笑みながら首を横に振る。
「またですか……」
「はい。また学校にも行かず、勝手に冒険へ行っちゃって」
ボクたち夫婦で行くよ、って言っているのに、彼女ったら聞かないんだ。
「ただいま。また西の洞窟のボスを倒した来た」
泥だらけになった娘が、白い歯を輝かせて帰ってきた。
その姿に、ボクは既視感がある。
娘自体に、その記憶はないだろうけど。
「イクミ、ダメだよ。ちゃんと学校に行かないと」
「えー。学校つまんない。それに、ママがそんなんじゃ、冒険できないじゃん」
ボクとチサちゃんの娘であるイクミが、チサちゃんのお腹を指さす。
「来月になったら、弟が生まれる。だから、とびっきりのプレゼントしないと」
「いいから。学校でちゃんとマジメにやっている姿を見せるだけで、弟には自慢できるからさ」
「えー」
ホントにこの子は、自由人だ。
「イクミ、学校は思っているより楽しい。楽しさは自分で発見するもの。それは、あなたがよく知っているはず」
「そうだけど……」
「ダンジョンでも、学校でも、自分が楽しむ姿勢は同じ。あなたならできる」
かなりまともなことを、チサちゃんが言う。
「はあい」
チサちゃんの意見なら、イクミもマジメに聞くのだ。
「オトナになったわね、チサ」
マミちゃん含め、みんなオトナの体になっていた。
チサちゃんは、かつて夢に出てきたような大人の女性に変わっている。口調なんかは変わっていないけど、ちゃんと成長しているんだ。
「ダイキ、わたしは動けるから、トシコとヨアンの見舞いに行く」
「わかったよ。疲れたら言ってね。ボクは玉座だから遠慮しないで」
「ありがとう、ダイキ」
ボクたちは、子どもを産んだみんなの元へ。
今までは、誰かが支えていた世界である。
ボクたちは自立して、ここを支えなければならない。
でも、チサちゃんと一緒なら、なんでもやれる気がした。
「帰ったら、エィハスのお店でからあげを食べに行こう」
「やった。ダイキ、だいすき」
(完)
「チサ様、ダイキ様、お客様です」
ボクがチサちゃんとゲームで遊んでいると、セイさんが来客を報告してきた。
「お邪魔するわよ!」
「お久しぶりです。ダイキさん」
マミちゃんとケイスさんである。みんなで世界を手に入れても、二人は相変わらず主従の関係だ。
「変わらないね。マミちゃんは」
「新しい魔王と玉座になったっていうのに、そっちも相変わらずねっ!」
あれから、みんなはそれぞれの国の王様を名乗っている。
世界が大きすぎるなら、みんなで少しずつ支え合えばいい。
数々の戦いを経験してきたボクたちなら、できるはずだと提案した。
結果、今のところうまくいっている。
といっても、やることは冒険とか畑仕事なんだけど。
「聞いて。またトシコが子どもを産んだわっ!」
「すごいね。もう三人目じゃん」
「ククのところは、四人目ができるそうよっ! 二人のお見合いに行くわよっ!」
向こうは、子育てで大変そうだ。
「ケイスさん、二人目の息子さんが、学校に上がるんですよね」
「はい。長男と違って手のかかる子でしたが、無事に」
ボクとケイスさんが話していると、マミちゃんが会話に入ってきた。
「そりゃあそうよ。あの子はあたしに似たもの!」
なんだか、誇らしげだ。
二人もだが、みんなもうすっかり親になっている。こうして会えたのも、いつ以来だろう?
「で、お二人のお嬢さんは?」
ケイスさんが尋ねると、セイさんが微笑みながら首を横に振る。
「またですか……」
「はい。また学校にも行かず、勝手に冒険へ行っちゃって」
ボクたち夫婦で行くよ、って言っているのに、彼女ったら聞かないんだ。
「ただいま。また西の洞窟のボスを倒した来た」
泥だらけになった娘が、白い歯を輝かせて帰ってきた。
その姿に、ボクは既視感がある。
娘自体に、その記憶はないだろうけど。
「イクミ、ダメだよ。ちゃんと学校に行かないと」
「えー。学校つまんない。それに、ママがそんなんじゃ、冒険できないじゃん」
ボクとチサちゃんの娘であるイクミが、チサちゃんのお腹を指さす。
「来月になったら、弟が生まれる。だから、とびっきりのプレゼントしないと」
「いいから。学校でちゃんとマジメにやっている姿を見せるだけで、弟には自慢できるからさ」
「えー」
ホントにこの子は、自由人だ。
「イクミ、学校は思っているより楽しい。楽しさは自分で発見するもの。それは、あなたがよく知っているはず」
「そうだけど……」
「ダンジョンでも、学校でも、自分が楽しむ姿勢は同じ。あなたならできる」
かなりまともなことを、チサちゃんが言う。
「はあい」
チサちゃんの意見なら、イクミもマジメに聞くのだ。
「オトナになったわね、チサ」
マミちゃん含め、みんなオトナの体になっていた。
チサちゃんは、かつて夢に出てきたような大人の女性に変わっている。口調なんかは変わっていないけど、ちゃんと成長しているんだ。
「ダイキ、わたしは動けるから、トシコとヨアンの見舞いに行く」
「わかったよ。疲れたら言ってね。ボクは玉座だから遠慮しないで」
「ありがとう、ダイキ」
ボクたちは、子どもを産んだみんなの元へ。
今までは、誰かが支えていた世界である。
ボクたちは自立して、ここを支えなければならない。
でも、チサちゃんと一緒なら、なんでもやれる気がした。
「帰ったら、エィハスのお店でからあげを食べに行こう」
「やった。ダイキ、だいすき」
(完)
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