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第二章 銃と仲間をゲット! なのに相方が聖剣・魔剣に夢中で草
第22話 ロリ魔女は陽キャ
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ひとりでに、ピエラの武器が動く。ピエラの頭をコツンと叩くと、ピコンと音がなった。
『ピエラ、ちゃんとごあいさつをせねば、相手には伝わらぬ』
ロリ魔女ピエラが持っている武器が、点滅しながら声を発する。しゃべる杖か。杖というより、バカでかい金色のピコピコハンマーを連想させた。
「うん。そうだったわ。ボクのフルネームは、ピエラ・フォサーティ。ノームの魔女よ」
場違いに大きな三角帽子とマントを脱いで、小さな魔女ピエラが頭を下げる。
「銀髪ショートシャギーロリとは。フィクション以外で初めて見た」
モモコが、変なところでツボっていた。
マントの下はフリル付きのブラウスと、太ももが出るサイズのショートパンツだ。短パンは帽子のリボンと同色である青緑に合わせていて、白のニーソを履いている。
『我はピエラの武器兼世話係、ケラウノスである。彼女の両親より持たされている。此度の無礼、主に変わってお詫びする』
しゃべるピコピコハンマーは、ケラウノスというらしい。ハンマーのてっぺんに小さい宝玉があり、そこから声が出ているようだな。
「ああ、いい。しゃべる武器。憧れる」
また、モモコが発症した。
「ん? あなたが、この管理者」
ピエラの目が、モモコをロックオンする。
「いや、この領地の管理をしているのはオレだ。名はクニミツ。こっちは、妻のモモコ」
「よろしく、クニミツ、モモコ。このお鍋おいしいわ」
「それはありがたい。じゃんじゃん食ってくれ」
悪い子ではなさそうだが。
「ウニボー、コイツに見覚えがあるか?」
とにかく、ウニボーに聞いてみる。以前住んでいたノームと面識があるのは、ドリスさんかウニボーくらいだ。
「言われてみればぁ……たしかにフォサーティに似てなくはないモジャ」
「そうですね。フォサーティ卿から粗暴さが抜けて、明るくなった気がします」
「でも、身につけている魔力はとてつもないモジャ。フォサーティがかわいく見えるモジャ」
ウニボーもドリスさんも、確証を得られない様子である。
当のピエラは、鍋を一番堪能していた。黙々と食っているルイと同等かも。
「ピエラとか言ったな? お前、なにを死に現れた?」
「ご先祖が悪いことをしたみたいなので、お詫びに来たのよ」
ピエラはボクっ娘なのに、女の子のような話し方をする。
「ボクのご先祖って、『自称天才魔法使い』ってエバッてたのよ。それでここの精霊たちを怒らせちゃって。結局、世界から追い出されちゃった。それで、子孫であるボクが遺品整理して、天才魔法使いを引き継いだの」
「家庭を持って隠居したとか?」
「隠居なんてしなかったわ。最期まで迷惑かけ通しで。だから、ボクがフォサーティの名誉を回復しようと旅立ったわけなのよ」
明るい性格に反して、人生は苦労人のようだ。
「でも、名誉回復って大変ね。ボク、あっちこっちにあいさつ回りに言っているんだけど、全然終わらないのよ」
『行っても、門前払いばかりだった』
ピエラとケラウノスは世界中を回って、祖父が迷惑をかけた人たちに手を貸す旅をしていたらしい。それでも、三分の一さえ回りきれていないとか。
「わかる。身内に振り回されるって大変」
モモコが、シンパシーを感じたらしい。たしかに、モモコの家族は広域暴力団だ。そのせいで、モモコは不自由な暮らしをしていた。
「おお、わかってくれるかしら? ありがとう。手羽先あげるわ」
「どうも……」
それ、オレのさばいた手羽先なんだが?
「クニミツ、私、あのコ苦手かも」
モモコが、こちらに来た。
「なんだ? 楽しそうじゃないか」
「陽キャだもん」
ああ、だったら難しいかもな。
「でもすごいわね。世界の裏側まで行くなんて。連れて行かれる以外に、誰も入ったことがないのよ。一度入ったら、出られないと聞いたし」
「オイラがいたから、問題なかったモジャ」
「なるほど! 大精霊ともなると、脱出法も心得ているのね?」
「そうモジャ」
「やっぱりすごいのね。クニミツとモモコは」
ピエラは指を鳴らす。
「そうだわ。ボクもクニミツたちの仲間に入れてくれないかしら?」
『ピエラ、ちゃんとごあいさつをせねば、相手には伝わらぬ』
ロリ魔女ピエラが持っている武器が、点滅しながら声を発する。しゃべる杖か。杖というより、バカでかい金色のピコピコハンマーを連想させた。
「うん。そうだったわ。ボクのフルネームは、ピエラ・フォサーティ。ノームの魔女よ」
場違いに大きな三角帽子とマントを脱いで、小さな魔女ピエラが頭を下げる。
「銀髪ショートシャギーロリとは。フィクション以外で初めて見た」
モモコが、変なところでツボっていた。
マントの下はフリル付きのブラウスと、太ももが出るサイズのショートパンツだ。短パンは帽子のリボンと同色である青緑に合わせていて、白のニーソを履いている。
『我はピエラの武器兼世話係、ケラウノスである。彼女の両親より持たされている。此度の無礼、主に変わってお詫びする』
しゃべるピコピコハンマーは、ケラウノスというらしい。ハンマーのてっぺんに小さい宝玉があり、そこから声が出ているようだな。
「ああ、いい。しゃべる武器。憧れる」
また、モモコが発症した。
「ん? あなたが、この管理者」
ピエラの目が、モモコをロックオンする。
「いや、この領地の管理をしているのはオレだ。名はクニミツ。こっちは、妻のモモコ」
「よろしく、クニミツ、モモコ。このお鍋おいしいわ」
「それはありがたい。じゃんじゃん食ってくれ」
悪い子ではなさそうだが。
「ウニボー、コイツに見覚えがあるか?」
とにかく、ウニボーに聞いてみる。以前住んでいたノームと面識があるのは、ドリスさんかウニボーくらいだ。
「言われてみればぁ……たしかにフォサーティに似てなくはないモジャ」
「そうですね。フォサーティ卿から粗暴さが抜けて、明るくなった気がします」
「でも、身につけている魔力はとてつもないモジャ。フォサーティがかわいく見えるモジャ」
ウニボーもドリスさんも、確証を得られない様子である。
当のピエラは、鍋を一番堪能していた。黙々と食っているルイと同等かも。
「ピエラとか言ったな? お前、なにを死に現れた?」
「ご先祖が悪いことをしたみたいなので、お詫びに来たのよ」
ピエラはボクっ娘なのに、女の子のような話し方をする。
「ボクのご先祖って、『自称天才魔法使い』ってエバッてたのよ。それでここの精霊たちを怒らせちゃって。結局、世界から追い出されちゃった。それで、子孫であるボクが遺品整理して、天才魔法使いを引き継いだの」
「家庭を持って隠居したとか?」
「隠居なんてしなかったわ。最期まで迷惑かけ通しで。だから、ボクがフォサーティの名誉を回復しようと旅立ったわけなのよ」
明るい性格に反して、人生は苦労人のようだ。
「でも、名誉回復って大変ね。ボク、あっちこっちにあいさつ回りに言っているんだけど、全然終わらないのよ」
『行っても、門前払いばかりだった』
ピエラとケラウノスは世界中を回って、祖父が迷惑をかけた人たちに手を貸す旅をしていたらしい。それでも、三分の一さえ回りきれていないとか。
「わかる。身内に振り回されるって大変」
モモコが、シンパシーを感じたらしい。たしかに、モモコの家族は広域暴力団だ。そのせいで、モモコは不自由な暮らしをしていた。
「おお、わかってくれるかしら? ありがとう。手羽先あげるわ」
「どうも……」
それ、オレのさばいた手羽先なんだが?
「クニミツ、私、あのコ苦手かも」
モモコが、こちらに来た。
「なんだ? 楽しそうじゃないか」
「陽キャだもん」
ああ、だったら難しいかもな。
「でもすごいわね。世界の裏側まで行くなんて。連れて行かれる以外に、誰も入ったことがないのよ。一度入ったら、出られないと聞いたし」
「オイラがいたから、問題なかったモジャ」
「なるほど! 大精霊ともなると、脱出法も心得ているのね?」
「そうモジャ」
「やっぱりすごいのね。クニミツとモモコは」
ピエラは指を鳴らす。
「そうだわ。ボクもクニミツたちの仲間に入れてくれないかしら?」
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