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第四章 王都で、相棒そっくりの女性と出会う
第44話 パートナーそっくりの冒険者
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モモコらしき人物が、着地の体勢のままヴリトラとにらみ合う。
紫の忍装束に身を包んだ姿は、たしかにモモコとうり二つと言えた。しかし、雰囲気は似ていない。実物より、もっとシリアスめな印象である。
深手を負ったヴリトラは、進撃をやめた。
「こうも被害が出るとは。仕切り直しと行くか。だが、次はこうはいかん!」
騎士ヴリトラが、退散する。
モモコによく似たクノイチが、こちらへ振り返った。かと思えば、ヴリトラのいる方角へと跳躍しながら追跡に向かう。
「待ってくれ!」
オレは追いかけようとしたが、ピエラに止められる。
負傷者が、多数いた。あの怪物たちを止めようと、冒険者や騎士たちが派遣されたのだろう。
傷が深い者から順に、けが人を治療をしていく。
まさか、水鉄砲が役に立つとは。モモコが効率化をはかって、水鉄砲にポーションを混ぜたのだ。傷の浅い冒険者たちを一箇所に集めた。水鉄砲でシャワーのように、ポーションを振りかける。
「クニミツ。ちょっと見てほしいものがあるの」
女性魔術師の死体を、ピエラは指さした。
オレたちは、武道家の死体も確認している。
王都の騎士たちからも、犠牲者が出ていた。
「この人たち、蘇生できないかしら?」
そうか。【世界の裏側】の関係者に殺されたのなら、生き返らせることができるかも。
王都へ行く前に、彼らを蘇生してもらおうとワントープへ戻った。
長旅は不要で、ウニボーのポータルで一発である。
ヴリトラによって、騎士一八名、冒険者二名が命を落とした。被害は最小限に食い止められたようだが、彼らにとって最大戦力を失ったそうである。信頼の置ける冒険者だったのだろう。
「クニミツ、例の私そっくりなクノイチだけど」
「ああ。ナニモンなんだろうな?」
オレたちの前に現れたクノイチは、見た目こそモモコではある。が、モモコではないとわかる。紫のミニスカ忍装束なんて、モモコの趣味じゃない。だが強さは、今いるメンバーでも最強だろう。しかし、何者なのか。
「案外、私たちの子どもだったりして」
「どうだろうな。センスが違いすぎる」
あの格好は、オレたちどちらの琴線には微妙に触れない。
「オレはクノイチっつったら、全身ぴっちりスーツがいいんだ。近未来型の武器とか持っていて、剣も蛇腹剣とかがいいな」
全身ラバースーツのモモコを連想して、思わすドキドキしそうになった。
「昔のエロゲーのやりすぎだね」
たしかに、否定はできんが。
「そういうモモコはどうなんだよ?」
「私は、もうちょっと普段着でも通用しそうな衣装がいい。武器はあのままでいいけど、身分を隠しつつ今を生きている。有事の際に、ニンジャに変わる感じ」
「変身ヒロイン的なやつか?」
プライベートとバトルパートで、衣装を切り替える感じか。
「そうそう。キツネ耳とか生えるの」
「獣人かっ! その手があったか」
寺院に到着した。さっそく、蘇生を依頼する。
結論から言うと、騎士隊は誰も生き返らなかった。
やはり、世界の裏側で死んだことにならないと、ダメのようだ。
「どういう法則なの、モジャモジャ?」
「この大地の下で死んでいなかったら、神様に死んだとカウントされないモジャ」
なるほど。そういう抜け道を縫って、蘇生させているのか。
しかし、騎士たちは地上で死んでいた。よって、蘇生は不可能だったと。
「申し訳ありません。お力になりたかったのですが」
「あんたのせいじゃない」
悪いのは、ヴリトラだ。
「ただ、この二人ならあるいは。何かしら未練があるようですので」
次にマファルダ様は、格闘家と魔法使いの蘇生を試みる。
しかし……。
「おお、なんという」
マファルダ様も、驚く結果に。
起き上がったのは、全身骨のモンスターだ。
なんと、死体がスケルトンになってしまったのである。
「あっしは、スケロクと呼んでくだせえ」
「妻の、スケチヨどす」
東男に京女のスケルトン夫妻が、爆誕した。
紫の忍装束に身を包んだ姿は、たしかにモモコとうり二つと言えた。しかし、雰囲気は似ていない。実物より、もっとシリアスめな印象である。
深手を負ったヴリトラは、進撃をやめた。
「こうも被害が出るとは。仕切り直しと行くか。だが、次はこうはいかん!」
騎士ヴリトラが、退散する。
モモコによく似たクノイチが、こちらへ振り返った。かと思えば、ヴリトラのいる方角へと跳躍しながら追跡に向かう。
「待ってくれ!」
オレは追いかけようとしたが、ピエラに止められる。
負傷者が、多数いた。あの怪物たちを止めようと、冒険者や騎士たちが派遣されたのだろう。
傷が深い者から順に、けが人を治療をしていく。
まさか、水鉄砲が役に立つとは。モモコが効率化をはかって、水鉄砲にポーションを混ぜたのだ。傷の浅い冒険者たちを一箇所に集めた。水鉄砲でシャワーのように、ポーションを振りかける。
「クニミツ。ちょっと見てほしいものがあるの」
女性魔術師の死体を、ピエラは指さした。
オレたちは、武道家の死体も確認している。
王都の騎士たちからも、犠牲者が出ていた。
「この人たち、蘇生できないかしら?」
そうか。【世界の裏側】の関係者に殺されたのなら、生き返らせることができるかも。
王都へ行く前に、彼らを蘇生してもらおうとワントープへ戻った。
長旅は不要で、ウニボーのポータルで一発である。
ヴリトラによって、騎士一八名、冒険者二名が命を落とした。被害は最小限に食い止められたようだが、彼らにとって最大戦力を失ったそうである。信頼の置ける冒険者だったのだろう。
「クニミツ、例の私そっくりなクノイチだけど」
「ああ。ナニモンなんだろうな?」
オレたちの前に現れたクノイチは、見た目こそモモコではある。が、モモコではないとわかる。紫のミニスカ忍装束なんて、モモコの趣味じゃない。だが強さは、今いるメンバーでも最強だろう。しかし、何者なのか。
「案外、私たちの子どもだったりして」
「どうだろうな。センスが違いすぎる」
あの格好は、オレたちどちらの琴線には微妙に触れない。
「オレはクノイチっつったら、全身ぴっちりスーツがいいんだ。近未来型の武器とか持っていて、剣も蛇腹剣とかがいいな」
全身ラバースーツのモモコを連想して、思わすドキドキしそうになった。
「昔のエロゲーのやりすぎだね」
たしかに、否定はできんが。
「そういうモモコはどうなんだよ?」
「私は、もうちょっと普段着でも通用しそうな衣装がいい。武器はあのままでいいけど、身分を隠しつつ今を生きている。有事の際に、ニンジャに変わる感じ」
「変身ヒロイン的なやつか?」
プライベートとバトルパートで、衣装を切り替える感じか。
「そうそう。キツネ耳とか生えるの」
「獣人かっ! その手があったか」
寺院に到着した。さっそく、蘇生を依頼する。
結論から言うと、騎士隊は誰も生き返らなかった。
やはり、世界の裏側で死んだことにならないと、ダメのようだ。
「どういう法則なの、モジャモジャ?」
「この大地の下で死んでいなかったら、神様に死んだとカウントされないモジャ」
なるほど。そういう抜け道を縫って、蘇生させているのか。
しかし、騎士たちは地上で死んでいた。よって、蘇生は不可能だったと。
「申し訳ありません。お力になりたかったのですが」
「あんたのせいじゃない」
悪いのは、ヴリトラだ。
「ただ、この二人ならあるいは。何かしら未練があるようですので」
次にマファルダ様は、格闘家と魔法使いの蘇生を試みる。
しかし……。
「おお、なんという」
マファルダ様も、驚く結果に。
起き上がったのは、全身骨のモンスターだ。
なんと、死体がスケルトンになってしまったのである。
「あっしは、スケロクと呼んでくだせえ」
「妻の、スケチヨどす」
東男に京女のスケルトン夫妻が、爆誕した。
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