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第三章 絶体絶命!? ライバルはDLCの三姉妹!
第20話 大入道の身体を伝ってバトル
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「わああああああ!」
イーデンちゃんを中心に、青白いオーラが戦場を包み込む。
『出力最大。イーデンさんの魔法によって、妖怪軍団の八三%が壊滅。お見事です』
そばについているゼットさんが、イーデンちゃんの戦力を分析する。
アマネ姫たちサクラダの面々を長年苦しめてきた妖怪の群れが、イーデンちゃんの魔法一発で跡形もなく消し飛んだ。
その威力も凄まじいが、私たちがノーダメージというのが脅威を物語る。
『マージョリーたん、あれがイーデンちゃんの本気だよ』
「そんな魔法がございますの、ダテさん?」
『ございます。イーデンちゃんにだけは』
さっきも、アマネ姫がマップ兵器を作動中に引き返した。攻撃魔法が、味方に当たってしまうからである。
マージョリーたんの【ウイング・ブラスター】でさえ、味方のもとで放つとフレンドリーファイアになってしまう。
しかし、イーデンちゃんは敵と味方を自動的に判別してくれる魔法を持つ。
「なんてやつだ! サクラダじゅうの妖怪どもが、おっ死んじまった!」
とはいえ、まだ大物が残っていた。
その大入道さえも、片膝を突いてうなだれている。
よく見ると、左足のヒザから下がなくなっていた。
こんな巨大なモンスターにも、イーデンちゃんの魔法は通じるのだ。
「なにをへばってるんだい、大入道! 立って戦うんだよ!」
ゴーマ三姉妹の次女メキラが、大入道を罵倒する。
「メスガキは、黙れ」
心無い言葉に激昂したのか、大入道の標的がメキラへと移った。凶悪な拳をメキラの腹に当てる。
「ぼご!? 上等じゃないか。相手してやるよ!」
メキラが大剣を両手に持ち直して、大入道の顔に切りかかった。
「やれ、大百足。このクソアマを始末しろ」
「はっ。大入道様」
ムカデの妖怪とメキラが、戦闘になる。腹に一撃をもらったというのに、かえって元気になっていた。
「我々も、大入道に攻撃をします!」
「はい。参りますわ」
大入道の右足に、私たちは飛び移った。
太ももだけでも、島くらいの広さがある。
「ダテさん、このルートで合っていますの?」
『合っていると思うよ』
実はこのルートは、「ダウンロード・コンテンツ」なのだ。いわゆる、追加要素である。なので、私も詳しくない。楽しみながら、攻略してみるか!
「様子を見に来たら、バカ姉だった」
帰ったと思われた三女のフィゼが、様子を見に来た。
「やはり、メキラ姉に任せるんじゃなかった」
「チームプレーってのが性に合わないのさ。戦績なんて、出し抜いてなんぼだろうが」
「そんなんじゃ、次期魔王候補からもハブられる」
「はあ? あたしだけが頂点に立っていれば、魔界は安泰だろうがよ。シャクだねえ」
主にメキラのせいで、妖怪たちは統率が取れていない。協力しようとしていない今が狙い目か。
「とにかく、あのイーデンって子、要注意」
「はあ? 全員殺せば問題なしだろ。消えな」
「あっそ。じゃあ手は貸さないから。おやすみ」
フィゼからのアドバイスも、メキラは意に介さない。
メキラはどこまでも、個人主義のようだ。
「ニンゲンごときが、妖怪の長である我を止められるとでも?」
ドドド、と太ももの先に鬼火が立った。青白い炎は、ズタ布に身を包んだドクロの形を取る。
「先へ行きたくば、この餓者髑髏を止めてみせろ!」
ドクロが、行き先を通せんぼした。
「頭を直接狙えば、いいんじゃないの?」
大入道の頭に、ヴィル王女が狙撃しようとする。
「よしなさい。敵の標的が移ります。ここは、同士討ちを狙いましょう」
アマネ姫が機転を利かせて、ヴィル王女を止めた。
「そうなの?」
妖怪軍団のボスである大入道の正体は、魔力の塊だ。物理的な攻撃は一切効かない。それこそ魔族の攻撃しか受け付けないだろう。
見た限り、メキラでさえ互角である。
そんな相手に、私たちでは敵わない。
『少しずつ弱らせて、頭を討ちます』
「だそうですわ、王女、おとなしく自重なさってください」
私とマージョリーたんで、ヴィル姫を説得する。
「わかったわよ。あのガイコツを止めましょ」
「ですねっ。攻略を開始します。式神!」
アマネ姫が、折り紙を大量に撒き散らした。紙が、東洋の甲冑を着た武士の姿を取る。
「魔力で作った式神です。これで相手の出方を伺いましょう」
侍衆が、リッチに切りかかった。
リッチがスケルトンを召喚して、侍たちを襲わせる。
だが、スケルトンは、侍たちの剣のサビとなった。
「ホホホ、こんな弱っちい式神で倒せると思われているとはねえ」
リッチは手から放った鬼火で、侍の集団を一網打尽に。
『想像通りです。では、【魔導砲】スタンバイ』
私は、大型ランチャーに変形を完了した。レベルアップにて、発射可能になった私の形態である。
アマネ姫のお取り作戦で、あらかじめ発動しておいたのだ。
『撃てます』
「直撃させますわ!」
マージョリーたんが、引き金を引く。
「な、データにはない攻撃だと!? おおおおおお!?」
金色に輝く光芒が伸びて、リッチを一瞬で溶かした。
「なぜ、一撃で?」
「わたくしたちの前に出てきたからですわ」
マージョリーたんが、私を元の盾に戻した。
「ぬう、このメス共も面倒だ」
大入道の拳が、振ってくる。
私たちは、すかさずよけた。左腕に、飛び移る。
今度は、左腕が戦闘ステージのようだ。
イーデンちゃんを中心に、青白いオーラが戦場を包み込む。
『出力最大。イーデンさんの魔法によって、妖怪軍団の八三%が壊滅。お見事です』
そばについているゼットさんが、イーデンちゃんの戦力を分析する。
アマネ姫たちサクラダの面々を長年苦しめてきた妖怪の群れが、イーデンちゃんの魔法一発で跡形もなく消し飛んだ。
その威力も凄まじいが、私たちがノーダメージというのが脅威を物語る。
『マージョリーたん、あれがイーデンちゃんの本気だよ』
「そんな魔法がございますの、ダテさん?」
『ございます。イーデンちゃんにだけは』
さっきも、アマネ姫がマップ兵器を作動中に引き返した。攻撃魔法が、味方に当たってしまうからである。
マージョリーたんの【ウイング・ブラスター】でさえ、味方のもとで放つとフレンドリーファイアになってしまう。
しかし、イーデンちゃんは敵と味方を自動的に判別してくれる魔法を持つ。
「なんてやつだ! サクラダじゅうの妖怪どもが、おっ死んじまった!」
とはいえ、まだ大物が残っていた。
その大入道さえも、片膝を突いてうなだれている。
よく見ると、左足のヒザから下がなくなっていた。
こんな巨大なモンスターにも、イーデンちゃんの魔法は通じるのだ。
「なにをへばってるんだい、大入道! 立って戦うんだよ!」
ゴーマ三姉妹の次女メキラが、大入道を罵倒する。
「メスガキは、黙れ」
心無い言葉に激昂したのか、大入道の標的がメキラへと移った。凶悪な拳をメキラの腹に当てる。
「ぼご!? 上等じゃないか。相手してやるよ!」
メキラが大剣を両手に持ち直して、大入道の顔に切りかかった。
「やれ、大百足。このクソアマを始末しろ」
「はっ。大入道様」
ムカデの妖怪とメキラが、戦闘になる。腹に一撃をもらったというのに、かえって元気になっていた。
「我々も、大入道に攻撃をします!」
「はい。参りますわ」
大入道の右足に、私たちは飛び移った。
太ももだけでも、島くらいの広さがある。
「ダテさん、このルートで合っていますの?」
『合っていると思うよ』
実はこのルートは、「ダウンロード・コンテンツ」なのだ。いわゆる、追加要素である。なので、私も詳しくない。楽しみながら、攻略してみるか!
「様子を見に来たら、バカ姉だった」
帰ったと思われた三女のフィゼが、様子を見に来た。
「やはり、メキラ姉に任せるんじゃなかった」
「チームプレーってのが性に合わないのさ。戦績なんて、出し抜いてなんぼだろうが」
「そんなんじゃ、次期魔王候補からもハブられる」
「はあ? あたしだけが頂点に立っていれば、魔界は安泰だろうがよ。シャクだねえ」
主にメキラのせいで、妖怪たちは統率が取れていない。協力しようとしていない今が狙い目か。
「とにかく、あのイーデンって子、要注意」
「はあ? 全員殺せば問題なしだろ。消えな」
「あっそ。じゃあ手は貸さないから。おやすみ」
フィゼからのアドバイスも、メキラは意に介さない。
メキラはどこまでも、個人主義のようだ。
「ニンゲンごときが、妖怪の長である我を止められるとでも?」
ドドド、と太ももの先に鬼火が立った。青白い炎は、ズタ布に身を包んだドクロの形を取る。
「先へ行きたくば、この餓者髑髏を止めてみせろ!」
ドクロが、行き先を通せんぼした。
「頭を直接狙えば、いいんじゃないの?」
大入道の頭に、ヴィル王女が狙撃しようとする。
「よしなさい。敵の標的が移ります。ここは、同士討ちを狙いましょう」
アマネ姫が機転を利かせて、ヴィル王女を止めた。
「そうなの?」
妖怪軍団のボスである大入道の正体は、魔力の塊だ。物理的な攻撃は一切効かない。それこそ魔族の攻撃しか受け付けないだろう。
見た限り、メキラでさえ互角である。
そんな相手に、私たちでは敵わない。
『少しずつ弱らせて、頭を討ちます』
「だそうですわ、王女、おとなしく自重なさってください」
私とマージョリーたんで、ヴィル姫を説得する。
「わかったわよ。あのガイコツを止めましょ」
「ですねっ。攻略を開始します。式神!」
アマネ姫が、折り紙を大量に撒き散らした。紙が、東洋の甲冑を着た武士の姿を取る。
「魔力で作った式神です。これで相手の出方を伺いましょう」
侍衆が、リッチに切りかかった。
リッチがスケルトンを召喚して、侍たちを襲わせる。
だが、スケルトンは、侍たちの剣のサビとなった。
「ホホホ、こんな弱っちい式神で倒せると思われているとはねえ」
リッチは手から放った鬼火で、侍の集団を一網打尽に。
『想像通りです。では、【魔導砲】スタンバイ』
私は、大型ランチャーに変形を完了した。レベルアップにて、発射可能になった私の形態である。
アマネ姫のお取り作戦で、あらかじめ発動しておいたのだ。
『撃てます』
「直撃させますわ!」
マージョリーたんが、引き金を引く。
「な、データにはない攻撃だと!? おおおおおお!?」
金色に輝く光芒が伸びて、リッチを一瞬で溶かした。
「なぜ、一撃で?」
「わたくしたちの前に出てきたからですわ」
マージョリーたんが、私を元の盾に戻した。
「ぬう、このメス共も面倒だ」
大入道の拳が、振ってくる。
私たちは、すかさずよけた。左腕に、飛び移る。
今度は、左腕が戦闘ステージのようだ。
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