愛が重いなんて聞いてない

音羽 藍

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紅蓮の烈火の章

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シアがその方法をとらなくても、普通に運ぶつもりではあった。

貸しにできたので、どう彼女を楽しむか。
それと、隠し攻略対象者で魅力の力を持ち、ゲーム上では彼女が攻略していたから、奴を俺は警戒していた。

いくら番でも、身体の性欲は沸かなくても心は縛れない。
もし……その可能性があったらと、考えしまった。

だけど、彼女がそれよりも俺を好きだと言ってくれたから言質をとれて安心した。



扉を開けて、中に入る。
オーウェンは本を読んで待っていた様でパタンと栞を挟んで本を閉じた。
部屋の端にはあの冒険者がゆらりと剣の手入れをしながら俺をゆったりと見ている。

「この羊皮紙もらうぞ。」

早く王族から抜けて、面倒ごとから離れたいし、愛するシアとずっと一緒にいたい。

周りが許さないから仕方なく王子でいるのが、当然その隣にシアを伴っていなければならない行事などで一目に晒さなくてはならないので、シアを危険な目に合わしているのが更に苦痛である。
シアは冒険が好きだから、ずっと監禁し続けるとぷりぷり可愛いく怒るのが見えてるので長期間は無理そうだが楽しみではある。

「受けてくれるか。それは良かった。」

オーウェンを見れば、フッと笑い今日はどこに泊まるのか聞かれた。

「城下町の宿を取ろうと思ってる。」
「なら、ここに泊まるといい。客間は空いてる。」

それだと愛するシアはヤるの嫌がるだろうなと断ろうと思ったが、仕方ない。

馬車でここに到着したりと移動が厄介だろうし、泊まるべきかと了承する。

談話室の方へ向かおうと移動していると、廊下で帝国派教会の聖職者らしき服を来たでっぷりとした膨よかな者が談話室の入り口でなにかを言っているのが見えた。

「えぇ、ですから私と共に」
「私の婚約者になにか用か?」

俺が居ない間に。
ぐつぐつと、心の底でマグマの様な怒りと執着と嫉妬が煮えたぎる。

「これはこれはいえ失礼します。」

聖職者は薄ら笑いながら礼をして、オーウェンのいる方へ向かっていった。


―――――――――――――――



ユリウスまだかしら。

足音が聞こえ扉を開けられ私は喜んで振り返る。

「おや、こんな世俗に塗れた所で暁月の星が舞い降りているとは。私も幸運な者です。」

帝国派教会の聖職者の服を着たでっぷりとした大柄の男性は私の顔と胸を舐める様に見て舌舐めずりした。
ユリウスだと思ってしまった私は全く違う人物でがっかりして、ぞっとした私は無表情になり伝える。

「どなたですか?」
「私は帝国パルメタ教会の司祭をしているジョージと申します。今宵私の部屋に来ませんか?」

それは私とヤるって事か。

「私、婚約者がいますので。ご遠慮しますわ。」
「そ、それはそれは。身の固い方ですね。……ぜひ……お話をするだけですので、軽く考えれば良いのです。」

司祭は一歩踏み出し、私を天高き頂きへ連れて行けると熱弁した。

確か……帝国派教会は妻帯者は司祭以上は慣れないはず。
だから軽くとは身体だけの関係を求めている。

「私は人を待っているのです。」
「えぇ、ですから私と共に」
「私の婚約者になにか用か?」

ユリウスの声が聞こえ、私はホッとした。

すごすごと帝国派教会の司祭は去っていった。

「ユリウス、遅かったわね。私断っても食い下がってきて困ってたの。助かったわ。ありがとう。」

ふぅと下を向いてため息をついて、ユリウスの方を向く。

ユリウスはにっこりと笑ってドアをぱたんと閉めた。

あっ

かなりユリウスが怒っていると感じながら、尻込みして後ろへ下がっているとソファーに押し倒され上に軽く乗られ、両手で逃げ道を顔の脇に置かれてしまい、床ドンされた。

「俺から逃げないで、シア。」
「……だって怒ってて。」
「嫉妬はしてるよ。君は美しいからほんと放っておくとすぐ羽虫が近寄る。羽虫には怒っているけどな。」

私は顔に手を当てて恥ずかしくて赤くなる。
嫌いな人に迫られると怒りと放っておいてくれと思うけど、やはりユリウスが良いなと思うのと同時に、好きな人にこんなに近くに、迫られると嬉しさと恥ずかしさと好きが混ざりあって困惑する。
いくら、何度一緒に……えっちしたことした仲でもこれは慣れない。

「少し……びっくりして、避けたかった訳ではないの。別の嫌な人から迫られて、その後ユリウスが来てくれて嬉しかった。」
「そうか、それなら良いが。」
「それに……もっと逃げるなら、他の方法とるから。」
「俺から逃げ切れると思っていたのか?逃げたら追いたくなるし、シアは馬鹿だな……閉じ込めていたくなる。可愛いシアをたくさん愛して可愛がるから。」

トロッとしたまるで熱に浮かされた様な表情をしたユリウスは私の手首を持ちレロっと舐め、手首に吸い付き、何度も吸い付いた。

「だから、俺から逃げるな。逃げたらその時は……鳥籠の中に入れてしまうかもしれない。」
「ちょっとっ……冗談よね?」

私の手を離して、私の顎を軽く持ち、ユリウスの顔が至近距離に近づいた。

「……俺が冗談言っている様に見える?」

昏い瞳を見せたユリウスはまるで、底がない壺にずっと水を注いでいる様な危なさがそこにあった。
そして、もし一歩間違えたらなにかしでかすかわからない気がした。

「わかったわ、逃げないから。」
「うん、良かった。俺だけのシア。」

応えるとユリウスはとても嬉しそうに笑ってくれた。 
またじゃらじゃらと何か、ユリウスに縛られた気がした。

鳥籠って監禁では?……

ヒヤリとしたけど、ちゅっと口先に軽く触れるだけのキスされ、何度も私達は慣れていたからか、それをタイミングを合わせてバードキスを楽しんだ。
ユリウスに愛されてるとドクドクと心臓の高鳴りと共に幸せだと感じられる。

ユリウスが深くキスを始めて、私の唇をユリウスは舌で開けろという様に舐められてすっかり調教された身体は自然に口を開けて、くちゅくちゅとユリウスの舌が入ってきて私の舌と絡み合う。

ぴくんっ

キスの気持ちよさに震え、そして、ようやく唇を離され許された。
ユリウスの服を掴み、すっかりキスと匂いに酔った私は視界がトロンと霞んでおり、まるでベッドの上で行っているかの如く堪能してしまった。

こぷっ

秘部からなにかが溢れて下着に染み込んでいく感覚がして私はハッとして、愛液と共にそういえば劇場で彼に指で最後入れられた事を思い出して、いや指一本だったしそんな量はないと思っていた。

するりとユリウスの指が足から太ももの上を滑り上がっていく。

「や、やめて。ここ誰かくるでしょ?」

私は慌てて彼を止めようと胸を押したが、鍛え上げられた男性の力には勝てない。

「大丈夫だから。そこまでしないよ。」
「へ?なにを?」

ユリウスの手はスカートを捲り上げて、私のショーツを少し下げ始めた。

「ユリウス?えっ?なんで」
「……良いね。俺が入れた精液が少し溢れて、愛液と絡んでいる所は…」

ハッとして下を見た。
秘部から、こぷりと液体化した白濁の液体と共に、滑りけのある私の体液が混じっている。

「み、みないで。解説しないでよっ」 

私は恥ずかしくて、顔に熱が集まって熱い。
スカートをおろそうとスカートを下ろそうとするが、ユリウスに手を掴まれて優しく手の甲にキスをされた。

「魔法を使わず、このままでいて。」
「そ、それは。」

恥ずかしかった。
拭き取るか魔法で綺麗にしたいのに。
ゆらゆらと揺れる心に、ユリウスはそっと声を耳元で囁いた。

「俺のしたい事叶えてくれるんだろ?」
「うぐっ」

私はしおしおと力無くして、わかったと言葉を返した。
手を離されてスッと下着とスカートを戻される。
ぬめっとした感覚が変に感じる。

「今日はここの客室に泊まる事になった。宿屋でたくさん愛するつもりだったけど、仕方ない、我慢する。」
「……それは良かったわ。」
「シア……」

ユリウスはジッと見てきながら少し求めてきては居たが、他国の王宮での営みは少し恥ずかしいから断った。もう少しで家なんだから。

「帰宅したらしましょ?」
「約束だからな…」

ねっとりとした熱い視線を向けられるけど、ユリウス自身も私が断るのはわかっているから、私の意思を尊重してくれてる。

「私届けてくるわ。」

とんとんとユリウスの胸を押して、退いてもらい待っててねと声をかけた。



ホームを経由して転移する。
緊急の事で取りついででもらいヨハンさんに書状を渡すと、手配すると受けてもらえるようだ。
学園での必要な事など聞きながら伝える内容などを聞いておいた。

経由して転移で戻り、客間に案内してもらいコンラッド君を連れて行くのは2日後の日になった。

次の日ユリウスは頼んでいた物を二つ受け取った。

見せてもらったが、ユリウスの毛の人毛の筆らしく金色で綺麗だった。
もう一つは、捧げる魔力によって変わるとされている特殊な羽根を持つ鳥の羽根で作られた羽根ぼうきだった。
使われている羽根は繊細で柔軟で触っているともっと触りたくなるほど、柔らかくしなやかで根元はふわふわして柔らかだった。

黒く滑らかにコーティングされた持ち手。
羽根は見た事がない、羽根先が金色で根元の方は銀色の羽根だ。

飾るか絵でも描くのか?と聞いたがまたもや後でわかると言い教えてくれなかった。

最近巷で流行している帝国の北部のとある峡谷に生息している鳥マジネインヘイルの羽根らしい。
鳥マジネインヘイルの特徴として一羽事に色彩豊かな鳥らしく、なぜかというと餌は魔力。魔獣と精霊との子供と北部のとある地域で繁殖させて増やしているらしい。
食べる魔力次第で毎日色が変わり、新しい魔力を食べる事で毎日羽根が生え替わり、新しい羽根が生え揃うらしい。私が込めた魔力とユリウスの残存する魔力を食べさせたらしくこの色合いになったと。

耐水性に優れてて、もこもこの部分も水弾くらしい。どろりとした液体、粘着性にも強く帽子の飾り羽根として使われている。触っても脂粉がない不思議な鳥で、ふわふわの部分はメイク用の筆に使われたりもしているらしい。
使わなかった羽根も少し買い取ったらしく、羽根箒?が壊れたり、劣化した時に治す為のストックらしい。


昼間は美味しい飯屋にようやく行けて食べて楽しんだり、街外れの闘技場で賭け事したり。

帝国の街の外の森で採取したり、川で魚を釣ったりして満喫した。
少し手際が良くて、ユリウスにじろっと見られたけど、私は笑って話をそらして早く食べようと笑った。

ボロ泣きのコンラッド連れて旅立つ事になった。

あらかじめ伝えていたが学園は寮なのでコンラッド自身だけになると。

着替えのバッグを抱えてコンラッドは金竜に乗り、興奮しながら飛ぶ事になった。
私も乗ると思っていたけど、ユリウスが他の男と密着させたくないとの事なので、自分も竜となり隣を飛行した。

コンラッド君が高所恐怖症じゃなくて良かったなと思いつつ、途中で待ってもらい、私だけ雪原に寄り聞きに行くことにした。

ユリウスは渋ったけど、コンラッド君を連れて行くのは難しいだろうと話した結果そうなった。
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