愛が重いなんて聞いてない

音羽 藍

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新たな草木が靡く風の章

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「あぁ、そうだ。聞いたか?明日からはまた写しの再開と新しい人員の事。」
「はい、父様に聞きました。今度こそは普通な方が来てくれると良いですね。」
「前回の事は助かった、一歩間違えていたら大惨事になっていた。」
「いえ、色々番の事で相談に乗っていていただいたり、シアちゃんが幸せそうにしているのが一番ですもの。」

二人は微笑み合い、私はコルネリアさんからユリウスは教えて貰っていたのかと、びっくりした。

「コルネリアさん、番がわかったのですか?」
「それが……まだなのよ。近くの王都や近辺には居そうなのだけど……中々会えなくて。私が学園内部にいる時間が多いからね。今度の文化祭で会える事を期待しているわ……」

どよんとした表情を浮かべており、私は確かに学園内部は関係者以外は立ち入り禁止なので一般人と会える機会は無いなと考えた。

「番と会うパーティーにも参加していたようだが、相手が中々そう言う場に来ない性格や境遇だと難儀するな。俺もシアが外国にいたから来なかったし、会えなかった一人だからな……」
「シアちゃんと会えたのは本当運命って奴ですね!良いなぁ……私も運命の相手が!もう普通の村人でいいですのよ。顔は多少癖強めでも良いですから、まともな人ならぁ……」
「……以外とすんなりと会える気が……」
「え、そう思います?この方ずっとそう思ってうんじゅ……いえごほん、行き遅れてますのよ。」

私達は話していると、予鈴が鳴り、ユリウスと一旦別れる事になった。

「いってらっしゃい、またね!」
「あぁ、そろそろ出かけても良いが一人では行くなよ?」
「大丈夫よ、約束は守るから」
「なら、良いが……」

少し心配そうな表情を浮かべたユリウスの顔に笑いかけると、私は手を振った。
歩いていく背中を眺めていると、隣に立つコルネリアさんは番は良いなと哀愁だたよう微笑みを浮かべていて、早く見つかる様に願った。

「文化祭って友人とか家族を呼べるのですか?」
「ええ、同伴は二人まで学園関係外の人を呼べるわ。ただ、入れるのは解放中の区画までよ。入れない区画……実験棟とかは、少し危険だったり、条件が変わってしまうから難しい所もあるし、色々高価な物があるから……」
「あ、だったら私家族連れてこようかな……中々最近会ってない親戚の人とかいるの。来れるかはその人の都合良ければね。独身の人で……その人も番とたぶんまだ会ってないらしくて……」
「シアちゃんの親戚?それは楽しみね。」
「見たらきっと……びっくりすると思いますよ?」
「どんな人なのかしら……気になるわ。まぁ……でも違いますわね……このうんじゅ……ごほん、会ってないのですから……色々文化祭の時は学会前でバタバタしているかも知れませんけど。」

貴族は大抵パーティーで会いますから……とはぁとため息をつきながら語った彼女はそろそろ私も戻りますと言い、去っていった。

私が番が居ないと聞いて、シルベスターを思い浮かんだ。長期休暇の時に帰ったら予定を聞いてみよう。
彼も学園内部へは入れないと思うので、ちょうど良いかなと少し御節介な可能性もあるけど、思い浮かべて私は家へ帰る事にした。



家に帰ってから文化祭の事を聞くのを忘れたと、気がついたが明日も学園に行くしユリウスに聞けばいいかと思いながら、残りの時間を縫い物やクローゼットの整理や掃除しようと思い立ち、移動した。



――――――――――――――



「おかえり、ユリウス」
「ただいま……あれ食事用意していたのか?」
「うん、食べよ?それとも先にお風呂入る?」
「そこは……それとも私という選択肢は?」
「……それは昨日私がやめてというくらいしたでしょ?」
「いや、いくらあっても俺は良いけどな。」
「だったら……その選択肢は長期休暇始まる日に期待してくれると良いな。」
「ふーん?後少しだし、楽しみだ」

ユリウスがバッグを壁掛けにかけた後、近いてきてこめかみに軽くキスをしてくれた。
んっと私は声をもらした後、いつもの事に少しは慣れてきたけどやはり、彼がねっとりと熱のある眼差しを向けられるとムズムズとする様な気持ちはある。

「そういえば、文化祭って私聞いてなくて、いつ頃なの?」
「あぁ、あの時シアは体調崩していて、休んでいた日に言われていたからな。長期休暇後の月末だ。何をするかはまだ決まって無い。」
「なにかな……楽そうな物が良いな。余り凝りすぎているのは大変そうだから。」
「簡単な物は展示物系か。」

彼がバスルームへと手を洗いに向かい、声が遠ざかる。

「あのね後、長期休暇時におじいちゃんの所に行こうと思ってて。」
「……どうしてだ?この前行ったろ?」
「あの時は居なかったからね。」
「ん?だれ……あいつか。しかし……」

悩んでいる彼だったが、今日の事を思い出していたのか目を開いて私を見た。

「あ、彼女に会わせようとしていたのか。」
「そうそう、まだシルベスターも学園の中は歩いて居なそうだから。文化祭の時なら関係者以外でも入れるでしょ?だから都合良いか聞こうと思ってて。」
「あいつは外国にいたから、パーティーには参加してなかったのもあるな。」

戻ってきて、私は席について、席に着いた彼と共に食事を食べ始めた。

これ、美味しいと思いながら食べていると、横からスッと彼の顔が近づいて唇を重ねた。
突然の事に驚いていたが、彼から舌と共に口の中に入ってきた食べ物の味が混ざり合った。

隣の椅子に座り、くちゅと唾液とソースが混ざり合い、彼の手が膝の上を滑り、太ももを撫でて夜着の間へと入り込み、ショーツの上から撫でられる。

びくっと私は揺れて、スプーンを皿においてからようやく離れた彼を睨むと口の端にソースがつきぺろりと舌なめずりをした彼の色気のある姿に見惚れた。

「美味しい?」
「……うん」

彼が噛んだ肉を餌付けされる様に渡されて、恥ずかしさとなにかしてはいけない事をしてる様な気持ちになる。
それに、まるで赤ちゃんの様な扱いされている様な気分だった。

「本当に今日はしなくていいのか?」

その言葉と共に、ショーツのクロッチを撫でられてヒクヒクと私の身体は揺れた。

「……ぁっ、だめって」
「嫌がるシアを犯すのも良いな……」
「そんな事っ……」

彼の癖に付き合うと碌でもない事は過去にわかっている。離れようと思っても椅子に座っているせいかふるふるとすっかりと身体に彼の声を聞くと立たなくなっていた。
誘惑に勝ちたいと思って、いても身体はすっかりと欲に忠実だった。
そんな私の身体をわかっているのか、ショーツの中へとユリウスの手が入り込み、恥丘を撫でて、その後クリトリスや割れ目を中指がぬちゃりとすっかり湿り気を帯びた私の股間へと沿わせた。

「偶には……許してくれ」
「ユリウスっそんなぁっ……」

ぐじゅっと生々しい音を立てて指が入り込み、さっきまで長期休暇の事で楽しみにしてると言っていたのに。
なにが彼のトリガーを引いたのかはわからない。

彼の片手が胸を布上から揉み、それから上へと進み首筋を撫で、逆鱗の縁を愛おしそうに撫でられる。
微かに触れる度に、ビクビクと番から与えられる甘い刺激に、はくはくと息を深呼吸しながら耐えた。

「なぁ……隠している事はないか?」
「……ぁんん……ないっ」
「本当に?俺に隠しているだろ?」
「なんっ……の事?」

責められている事に私は中で探る様に動いていた、彼の指が気持ち良い所を指の腹で撫で始めた事で私はもう逃げられない事に気がついた。

「今日本当になにもしてない?」
「……んんっ」

私は片付け終わった後に、ベッドのシーツを新しい物へと変えたり、色々したけれど、その中でリビングで本を読んでいたが本の中で舞踏会に繰り出すシーンがあり、この前のフォーマルな格好をしたユリウスを見たのを思い出していた。

ふと思い出してしまったら、本の登場人物の顔が彼になってしまい、ついつい相手役に自分が重なり、彼に襲われるシーンが重なりムズムズしてひとりでしてしまった事はある。

「……してたのっ」
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