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第6話 スライム
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「まいったな……」
ダンジョンの中は広く分かれ道が無数にあって俺はすっかり道に迷っていた。
ポチを助けに来たっていうのに俺が迷子になってどうするんだ。
このままだとミイラ取りがミイラになるをじで行くことになってしまう。
「ポチー! ククリー!」
大声で十年来の愛犬とさっき出会ったばかりの精霊の名前を呼ぶ。
これではどっちが被救助者かわからない。
まさか一生ここから抜け出せないのでは……。
そう思いかけた時、
「わんわんっ!」
聞きなじみのある鳴き声が聞こえた。
ポチだっ!
俺は鳴き声のした方へと駆けていく。
通路を懸命に走り曲がり角を右へ、そしてまた突き当たりを右へ。
すると――
「わんわんっ!」
ポチの後ろ姿が見えた。
「ポチっ!」
俺は嬉しさのあまり声を上げる。が、ポチは俺の方には振り向かずに正面を向いたまま「わんわんっ!」と吠え続けている。
どうしたんだ?
なんで振り向かない。なんで寄ってこない。
俺は自らポチに近付いていった。
「ポチ!」
「わんわんっ!」
ポチは横についた俺には見向きもせずなおも吠える。一点を見つめたまま。
何を見てるんだ?
俺はポチの視線の先を目を凝らしてよーく見てみた。
「っ!?」
薄暗い通路に青色の物体が浮かび上がってきた。
そいつは俺と目が合うとにやりと笑った。
「スライムだっ……!」
ダンジョンの中は広く分かれ道が無数にあって俺はすっかり道に迷っていた。
ポチを助けに来たっていうのに俺が迷子になってどうするんだ。
このままだとミイラ取りがミイラになるをじで行くことになってしまう。
「ポチー! ククリー!」
大声で十年来の愛犬とさっき出会ったばかりの精霊の名前を呼ぶ。
これではどっちが被救助者かわからない。
まさか一生ここから抜け出せないのでは……。
そう思いかけた時、
「わんわんっ!」
聞きなじみのある鳴き声が聞こえた。
ポチだっ!
俺は鳴き声のした方へと駆けていく。
通路を懸命に走り曲がり角を右へ、そしてまた突き当たりを右へ。
すると――
「わんわんっ!」
ポチの後ろ姿が見えた。
「ポチっ!」
俺は嬉しさのあまり声を上げる。が、ポチは俺の方には振り向かずに正面を向いたまま「わんわんっ!」と吠え続けている。
どうしたんだ?
なんで振り向かない。なんで寄ってこない。
俺は自らポチに近付いていった。
「ポチ!」
「わんわんっ!」
ポチは横についた俺には見向きもせずなおも吠える。一点を見つめたまま。
何を見てるんだ?
俺はポチの視線の先を目を凝らしてよーく見てみた。
「っ!?」
薄暗い通路に青色の物体が浮かび上がってきた。
そいつは俺と目が合うとにやりと笑った。
「スライムだっ……!」
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