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第124話 たわし
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「マツイさん、宝箱も確認しましょうよ」
「ん、そうだな」
ククリが言わずともそうしていたが俺は倒したキマイラが落としていったドロップアイテムをチェックする。
出現している宝箱は五つ。
「中身はなんでしょうね、スラさん」
『ピキー』
ククリとスラが俺に身を寄せてきた。
俺は魔眼の透視能力を発動させて宝箱の中を覗き見る。
「あー、これは罠だな。ただのビックリ箱みたいだ……えっとこっちのは、中にどす黒い液体みたいなのが入ってるけどなんだろうな?」
宝箱を凝視しながら口にすると、
「多分それ毒ですよ。開けたら毒が噴出する仕掛けだと思います」
ククリが教えてくれた。
「毒か……じゃあこれも罠だな。それじゃあこっちはっと……」
パスして次の宝箱に移る。
そうして五つの宝箱を透視した結果――
五つすべての宝箱が罠だった。
「なんだこれっ。ついてねえ」
「まあまあマツイさん、キマイラコレクターもゲットしましたし、レベルも上がったし充分じゃないですか。気にしない気にしない」
ククリが俺の背中をぱしんと一つ叩いた。
「うんまあ……そりゃそうだけど」
だったら初めから宝箱なんて落とさないでくれよな。
変に期待してしまったじゃないか。
するとスラが、
『ピキー』
と胸を張る。
どこが胸なのかという疑問はさておき……。
「なんだ?」
『ピキー』
「アイテムを飲み込ませてほしいそうですよ。あたしがレアアイテムを出してあげるって言ってます」
ククリが代弁するとスラは、んあ~っと大きく口を開けた。
スラの特技、飲み込むと吐き出すは飲み込んだ物質を別の物質に変換して吐き出すことが出来るスラ特有の便利な特技である。
消費魔力は10なので今のスラならちょうど三回使えるわけだ。
「マツイさん、早くしてくださいってば。スラさん口を開けて待ってますよ」
「あ、ああ、わかってるよ」
俺はいらないアイテムを探す。
「うーん……あっそうだ! これがあった」
俺は皮のズボンのポケットから使用済みのベアホイッスルを取り出した。
売値ゼロ円なのでちょうどいい。
スラの口に「ほいっ」と入れる。
それをごくんと飲み込んだスラは数瞬してぼえっとベアホイッスルとは違う茶色いものを吐き出した。
それをみつめる俺とククリ。
「これは……たわしだよな?」
「たわしですね」
「……一応訊くけど、このたわしにはどんな効果があるんだ?」
「汚れを落とすことが出来ます」
「……」
ベアホイッスルの代わりにスラが吐き出したものはまぎれもなくただのたわしだった。
「ん、そうだな」
ククリが言わずともそうしていたが俺は倒したキマイラが落としていったドロップアイテムをチェックする。
出現している宝箱は五つ。
「中身はなんでしょうね、スラさん」
『ピキー』
ククリとスラが俺に身を寄せてきた。
俺は魔眼の透視能力を発動させて宝箱の中を覗き見る。
「あー、これは罠だな。ただのビックリ箱みたいだ……えっとこっちのは、中にどす黒い液体みたいなのが入ってるけどなんだろうな?」
宝箱を凝視しながら口にすると、
「多分それ毒ですよ。開けたら毒が噴出する仕掛けだと思います」
ククリが教えてくれた。
「毒か……じゃあこれも罠だな。それじゃあこっちはっと……」
パスして次の宝箱に移る。
そうして五つの宝箱を透視した結果――
五つすべての宝箱が罠だった。
「なんだこれっ。ついてねえ」
「まあまあマツイさん、キマイラコレクターもゲットしましたし、レベルも上がったし充分じゃないですか。気にしない気にしない」
ククリが俺の背中をぱしんと一つ叩いた。
「うんまあ……そりゃそうだけど」
だったら初めから宝箱なんて落とさないでくれよな。
変に期待してしまったじゃないか。
するとスラが、
『ピキー』
と胸を張る。
どこが胸なのかという疑問はさておき……。
「なんだ?」
『ピキー』
「アイテムを飲み込ませてほしいそうですよ。あたしがレアアイテムを出してあげるって言ってます」
ククリが代弁するとスラは、んあ~っと大きく口を開けた。
スラの特技、飲み込むと吐き出すは飲み込んだ物質を別の物質に変換して吐き出すことが出来るスラ特有の便利な特技である。
消費魔力は10なので今のスラならちょうど三回使えるわけだ。
「マツイさん、早くしてくださいってば。スラさん口を開けて待ってますよ」
「あ、ああ、わかってるよ」
俺はいらないアイテムを探す。
「うーん……あっそうだ! これがあった」
俺は皮のズボンのポケットから使用済みのベアホイッスルを取り出した。
売値ゼロ円なのでちょうどいい。
スラの口に「ほいっ」と入れる。
それをごくんと飲み込んだスラは数瞬してぼえっとベアホイッスルとは違う茶色いものを吐き出した。
それをみつめる俺とククリ。
「これは……たわしだよな?」
「たわしですね」
「……一応訊くけど、このたわしにはどんな効果があるんだ?」
「汚れを落とすことが出来ます」
「……」
ベアホイッスルの代わりにスラが吐き出したものはまぎれもなくただのたわしだった。
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