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第139話 バトルメテオの秘密
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「な、何が起こったんだ……?」
するとエルダーグリュプスはまたも翼を大きく広げた。
よくわからんけどなんかやばいっ。
俺は右に飛んで避けた。
ドゴッ!
見えない何かがさっきまで俺がいた場所の後ろの石壁を破壊した。
『ケケーッ!』
歓喜の雄たけびを上げるエルダーグリュプス。
「ククリっ、なんだこれっ! 聞いてた話と違うぞっ。なんか変な技使ってきてるっ!」
「あの~、マツイさーん! エルダーグリュプスはグリュプスより遅いし力もないんですけどマツイさんのバトルウインドのような特技が使えるんです~! しかもマツイさんのバトルウインドと違って透明なので見えないんです~!」
「お前ククリっ、そんな大事なことなんで黙ってたー!」
「えーん、すいませ~ん!」
ククリの物忘れの悪さは今に始まったことじゃないが今回はひどすぎる。
下手すりゃ一発目で死んでたかもしれないじゃないか。
「お前ダンジョンの案内人とかいって実はモンスターの手先じゃないだろうなっ」
「そんなことないです~! ごめんなさ~い!」
ドゴッ!
「うあっぶねぇっ!」
そうこう言っている間もエルダーグリュプスは攻撃の手を休めない。
見えない風の刃を飛ばしてくる。
俺はエルダーグリュプスを中心にして円を描くように逃げ回る。
ドゴッ!
「おわっ! このっ――」
俺は手を前に突き出した。
こうなったら俺の最大魔法をくらわせてやる。
「バトルメテオっ!」
バトルメテオは消費魔力100で無数の隕石を出現させ相手に衝突させる俺の今使える最高の魔法だ。
これで大小様々な隕石がエルダーグリュプスの頭上に降り注ぐ――
――はずなのだが、
……何も起こらない。
「ククリっ、どうなってるんだっ。隕石が落ちてこないぞっ」
残り魔力はまだ充分あるはずなのに。
ククリが声を上げる。
「マツイさーん、バトルメテオは一度使ったら三日経たないと使えませんよーっ」
「なんだそれっ、初めて聞いたぞっ。なんでそういうことをボス戦で初めて――」
ドゴッ!
「ぅわっぷ!」
ククリに説教している余裕はない。
今はエルダーグリュプスとの戦いに集中しないと。
俺はエルダーグリュプスの攻撃を避けながら皮の袋の中をあさる。
袋の中を覗くと賢者の石と魔石が緑色と青色の光を放っている。
どっちも使うのはもったいない。
あと使えそうなのは……黒曜の玉と眠り玉と身代わり人形くらいか。
それなら――
「えいっ」
俺は皮の袋の中からスライムの形をした身代わり人形を放り投げた。
ククリの言うことが確かならこれでエルダーグリュプスの攻撃対象は身代わり人形に移るはず。
『ケケーッ!』
するとエルダーグリュプスはカッと目を見開いたかと思うと身代わり人形を目で追った。
そして翼を広げて攻撃態勢をとる。
やった!
今がチャンスとばかりに俺は横から回り込む。
と、
エルダーグリュプスが身代わり人形に向けて風の刃を放った。
ザンッ。
身代わり人形が切り裂かれると効力を失ったのかエルダーグリュプスは攻撃対象を見失った。
きょろきょろと首を動かし俺を探しているようだ。
『ケケーッ!』
「もう遅いっ!」
俺と目が合った瞬間だった。
俺は妖刀ししおどしでエルダーグリュプスの翼をばっさりと斬り落とした。
『ケケーッ……!?』
片翼を失ったエルダーグリュプスは妖刀ししおどしの効果で手足の自由も効かなくなっている。
俺は刀を振り上げると、
「ずいぶん走らせてくれたな……でも、これで終わりだっ!」
エルダーグリュプスの首をはね飛ばした。
するとエルダーグリュプスはまたも翼を大きく広げた。
よくわからんけどなんかやばいっ。
俺は右に飛んで避けた。
ドゴッ!
見えない何かがさっきまで俺がいた場所の後ろの石壁を破壊した。
『ケケーッ!』
歓喜の雄たけびを上げるエルダーグリュプス。
「ククリっ、なんだこれっ! 聞いてた話と違うぞっ。なんか変な技使ってきてるっ!」
「あの~、マツイさーん! エルダーグリュプスはグリュプスより遅いし力もないんですけどマツイさんのバトルウインドのような特技が使えるんです~! しかもマツイさんのバトルウインドと違って透明なので見えないんです~!」
「お前ククリっ、そんな大事なことなんで黙ってたー!」
「えーん、すいませ~ん!」
ククリの物忘れの悪さは今に始まったことじゃないが今回はひどすぎる。
下手すりゃ一発目で死んでたかもしれないじゃないか。
「お前ダンジョンの案内人とかいって実はモンスターの手先じゃないだろうなっ」
「そんなことないです~! ごめんなさ~い!」
ドゴッ!
「うあっぶねぇっ!」
そうこう言っている間もエルダーグリュプスは攻撃の手を休めない。
見えない風の刃を飛ばしてくる。
俺はエルダーグリュプスを中心にして円を描くように逃げ回る。
ドゴッ!
「おわっ! このっ――」
俺は手を前に突き出した。
こうなったら俺の最大魔法をくらわせてやる。
「バトルメテオっ!」
バトルメテオは消費魔力100で無数の隕石を出現させ相手に衝突させる俺の今使える最高の魔法だ。
これで大小様々な隕石がエルダーグリュプスの頭上に降り注ぐ――
――はずなのだが、
……何も起こらない。
「ククリっ、どうなってるんだっ。隕石が落ちてこないぞっ」
残り魔力はまだ充分あるはずなのに。
ククリが声を上げる。
「マツイさーん、バトルメテオは一度使ったら三日経たないと使えませんよーっ」
「なんだそれっ、初めて聞いたぞっ。なんでそういうことをボス戦で初めて――」
ドゴッ!
「ぅわっぷ!」
ククリに説教している余裕はない。
今はエルダーグリュプスとの戦いに集中しないと。
俺はエルダーグリュプスの攻撃を避けながら皮の袋の中をあさる。
袋の中を覗くと賢者の石と魔石が緑色と青色の光を放っている。
どっちも使うのはもったいない。
あと使えそうなのは……黒曜の玉と眠り玉と身代わり人形くらいか。
それなら――
「えいっ」
俺は皮の袋の中からスライムの形をした身代わり人形を放り投げた。
ククリの言うことが確かならこれでエルダーグリュプスの攻撃対象は身代わり人形に移るはず。
『ケケーッ!』
するとエルダーグリュプスはカッと目を見開いたかと思うと身代わり人形を目で追った。
そして翼を広げて攻撃態勢をとる。
やった!
今がチャンスとばかりに俺は横から回り込む。
と、
エルダーグリュプスが身代わり人形に向けて風の刃を放った。
ザンッ。
身代わり人形が切り裂かれると効力を失ったのかエルダーグリュプスは攻撃対象を見失った。
きょろきょろと首を動かし俺を探しているようだ。
『ケケーッ!』
「もう遅いっ!」
俺と目が合った瞬間だった。
俺は妖刀ししおどしでエルダーグリュプスの翼をばっさりと斬り落とした。
『ケケーッ……!?』
片翼を失ったエルダーグリュプスは妖刀ししおどしの効果で手足の自由も効かなくなっている。
俺は刀を振り上げると、
「ずいぶん走らせてくれたな……でも、これで終わりだっ!」
エルダーグリュプスの首をはね飛ばした。
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