生まれつき幽霊が見える俺が異世界転移をしたら、精霊が見える人と誤解されています

根古川ゆい

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248.【ハル視点】理性の限界※

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 今すぐにでもアキトと繋がりたい気持ちを必死で抑え込んで、俺はひたすらにアキトの中をほぐし続けた。

 反応からしてアキトは腰骨や鎖骨が弱いようなので、体が強張った時はそこを狙って愛撫を施した。たまに性器にも触れながら、どんどん体の中を広げていく。

「ハ、ル…っ」

 名前を呼ばれる度にキスをしていたら、何度も何度も呼んでくれるようになったのは嬉しい誤算だった。アキトからのキスのおねだりだと思うと、名前を呼ばれるだけでもたまらない気分になる。

 キスのしすぎでぽってりと腫れた唇も、俺のせいだと思えば可愛くて仕方がない。朝起きたら、アキトにはポーションを献上しよう。そう決意しながら指を動かしていると、不意にビクッと体を揺らしたアキトが叫んだ。

「ひっ!ああぁっ!」
「ここか」

 やっと見つけた良い所を優しく指先で撫でるように刺激すれば、ビクビクとアキトの全身が揺れた。痛みがある様子は無く、ひたすらに甘い声で喘ぎ続けている。

「なっ…そこっ…だっ…えっ」
「気持ち良い?」

 今までに無い様子に慌てて声をかければ、アキトはフルフルと体を震わせながら必死で首を振った。気持ち良すぎてつらいのかもしれないな。そう思ってすぐに指を止めれば、アキトは震える声で尋ねてきた。

「いま、の、な…に?」
「中にある気持ちよくなれる場所、なんだけど…」

 アキトには刺激が強すぎたかな。そう思った瞬間、アキトの目じりから涙が溢れた。つつーっと頬を伝った涙に、罪悪感が湧いてくる。

 最初は慣れていないアキトに配慮しようと思っていたのに、すっかり自分の欲望を優先してしまっていた。早くアキトと一つになりたいと、そればかり考えていた気がする。これではアキトの恋人失格かもしれないな。

「そ…か」
「アキト、無理そうだったらここで止めても良いよ?」

 さっきの反応からして無理だと言われる可能性も高いだろう。こっそりと拒否される覚悟を決めながら、俺はアキトに選択をゆだねた。

「…やだ」

 ぽつりと呟いた声が、静まり返った部屋に響いた。

「え?」

 アキトは震える手で頬の涙をぐいっと拭うと、俺の目をまっすぐに見つめて口を開いた。

「やめな…で、いれて」

 言葉の意味を理解した瞬間、頭の中が一瞬で沸騰したかと思った。ここで止めるという選択肢も選べたのに、それでも一瞬も悩まずに俺を受け入れる事を選んでくれるのか。

「アキトっ!」

 たまらなくなって名前を呼べば、アキトは安心したように笑ってくれた。

 無防備な脚をぐいっと持ち上げて体勢を変える。開かせた脚の間に腰を挟むようにしながら、俺は特製ポーションの小瓶をもう一本腕輪から取り出した。

 潤滑剤はたっぷ使った方が、アキトの負担は確実に軽くなるだろう。自分の性器にたっぷりと特製ポーションを垂らしてから、俺はゆっくりと腰を進めた。

「ぐ…うっ…」

 聞こえてくる苦痛の声に怯みそうになるけれど、それでも動きは止めなかった。中途半端な場所で止めるよりも、一気に進めてしまった方が楽な筈だ。奥まで入った所で腰を止めれば、アキトはぽつりと独り言をこぼした。

「すご…入っ…た」

 よりによって、そこで嬉しそうな笑顔を見せるのか。アキトが可愛すぎて、さすがに理性が焼き切れるかと思った。何とかギリギリの所で耐えれたのは、奇跡だったと思う。

「大丈夫?」
「う…ん、うご…いて」

 そのおねだりは破壊力抜群だった。まさか初めての日に、自分から動いてと言ってくれるとは思っていなかったな。

 あまりの可愛さに震えながら、俺はアキトの性器にそっと指を絡めた。特製ポーションの滑りを使ってしごきあげれば、内壁がキュウっと俺を締め付けてくる。

 中の動きと連動するように前を刺激していけば、アキトは甘い声を上げ始めた。

「あっ…あ、んっ…」

 気持ちよさそうな声に目を細めて、少しずつ大胆に腰を揺らし始める。俺の動きに翻弄されながらも、アキトは潤んだ目で幸せそうに俺を見上げてくる。ああ、可愛い。可愛すぎてどうにかなりそうだ。

 これだけ動いても苦痛が無いなら、もう我慢は必要ないんじゃないのか。

「んぁっ…そっ…ひ、あああっ!」

 避け続けていた一番感じる場所をわざと狙ってみれば、アキトは高い声で叫んだ。苦しさも痛みも無い、ただひたすらに気持ち良さを伝えてくる声に俺はニヤリと笑った。

「ハッ…る」

 名前を呼ばれた瞬間、続く言葉を奪うように口づけた。キスを欲しがって名前を呼んだわけじゃないと分かってはいたけれど、もう拒絶の言葉は聞いて上げられない。ごめんね、アキト。

 汗に濡れた前髪がうっとおしくて、俺はぐいっと片手で前髪をかきあげた。視線が合ったアキトはふるりと体を震えさせている。ああ、今俺はどんな目をしてるんだろうな。アキトを欲しがりすぎて獣のような目になっているのかもしれないな。

「ごめん。もう、我慢できない」

 怖がらせたくないなんて気持ちだけでは、もう止められそうにないんだ。そう告げた俺に、アキトは何故か幸せそうに笑って頷いてくれた。

「き、てっ…ひっあああっ」

 ギリギリまで腰を引いてから突き入れれば、アキトの喉から悲鳴のような喘ぎ声がこぼれた。



 そこからはもう夢中でアキトを堪能した。

 俺の動きで感じてくれているアキトが、可愛くて可愛くてたまらなくて。初心なのに俺のする事を全て受け入れようとしてくれるアキトが、愛おしく愛おしくてたまらなくて。

 ようやく我に返った時には、何度も挑まれたせいでヘロヘロになったアキトがぐったりと横たわっていた。今にも閉じてしまいそうな瞳を見つめながら、無理させてごめんねと口にすればアキトはふるりと首を振って答えてくれた。

「眠って良いよ。後始末はしておくから」

 中で出してしまった分は浄化魔法で綺麗にしておかないといけないし、この汗と白濁まみれのベッドにも浄化魔法が必要だな。回復用のポーションを口移しで飲ませておけば、明日の朝には動けるようになる筈だ。

 これからすべきことを頭の中で並べていると、アキトの目はゆっくりと閉じていった。

「おやすみ、アキト」
「…すみ、ハ…る」

 喘ぎすぎたせいでかすれた声だったけれど、律儀に挨拶を返してくれるのがアキトらしいな。そのまますぐに目を閉じると、アキトはすうすうと寝息を立て始めた。

 アキトは初めてだったのに少し、いやだいぶ無理をさせてしまったな。申し訳ない気持ちはあるけれど、後悔はしていない。大事な恋人からあれだけ素直に欲しがられて、我慢できる奴なんて誰もいないだろう。

 無防備に眠っているアキトの頭を、起こさないように気をつけながらそっと撫でる。

「おやすみ、願わくば良い夢を」

 家族や恋人に贈る安眠を祈る言葉を小さく口にしてから、俺は後始末をするべくそっと立ち上がった。
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