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ユルン城
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途中の村で2度宿泊し、ユルンの城に着いたのは出発から4日目の夕方だった。謎の体調不良はもう治っている。
城の前には小さな広場があり、それを中心に半円状に町が広がっているという感じだ。城があるというのに街とも言えない規模。
城の大きさも少し大きい屋敷、といったところだ。ヴァルデ家よりは大きいが、ファルラニアの城と比べると離宮くらいのサイズ。
薄暗くて寒くて、雪がちらつく中馬車を降りた。空を見上げるとどんよりとしていてとても低い。
ファルラニアでは雪を見ることも少ない。今の時期はまだ防寒着が必要ないくらいの気温だし、晴れることが多い。寒さがこんなに肌に刺さることは滅多にない。
しかし嫌な気分ではない。鼻はツンとするし、手はかじかむし、足先は冷たいまま。それでも吸い込む空気は澄んでいて、気持ちがいい。
「リーゼロッテ、こちらだ」
ふらふらと空を見上げているとエーリッヒ様に呼ばれた。いつの間にか少し移動していたようだ。皆が私を見ていた。はい、と返事をしてそちらへ行くと、エーリッヒ様は城の扉を開けて中へ入った。
心底驚いた。ファルラニアでは扉の前には騎士が立っていて、入る人は皆身分を確認されていた。そしてヴィルヘルムはもちろん、身分の高い貴族は自分で扉を開けるなどなかった。
かく言う私も自分で扉を開け閉めしていたのは自宅の中だけだ。お城ではヴィルヘルムの執務室の扉くらいしか触ったことがない。
だというのにここでは王自ら扉を開けるらしい。馬車を片付けに行くと言うイェンスも当たり前な顔で見ている。驚く私に気が付いたのか、エーリッヒ様は「人が少ないからな」とだけ言った。
人が少ないにしても防衛はきちんとしておかないといけないのでは、と思ったがユルンにはユルンのやり方があるのだろう。そもそもそれはエーリッヒ様の考えることであって私の考えることではない。この国で右も左も分からないのに図々しく口を出すつもりもない。
城の中はそう変わったことはなかった。ファルラニアの屋敷と同じような造りだし、見たことのないようなものもない。
……分かった。教会での違和感の正体。
「こちらでは室温の管理は魔法陣でされているのですか?」
暖炉はない。だけどあたたかい。
「ああ、ファルラニアと同じだ」
「教会では暖炉が焚かれてましたが……」
ユルンは魔石の輸出国。だからファルラニア以上に魔法を使っているものだと思っていた。それなのに教会では温度管理の魔法を使っていなかったのだ。初歩的な魔法陣で魔力の消費も少ない魔法なのに。
だから違和感があった。国境ではあんなにも大きな魔法を使っているというのに。エーリッヒ様は私の言いたいことを察したのか、「ああ」と頷いた。
「ユルンでは魔法陣を使っているのは城の中だけだ」
「え?」
リヒャルトが驚いたように言う。
「貴族の屋敷でも使わないのですか?」
「そもそも魔法陣を描ける人間も数えるほどしかいない。その中でも描いていい魔法陣は厳密に定められている」
驚き、なんて言葉では表せられないほどの衝撃だった。何故?描いていい魔法陣とは何?真剣に考えてみたが全く分からない。リヒャルトも深く考え込んでいる。
「……あなた達姉弟はもう少し気軽に人に質問するといい」
エーリッヒ様に突然そう言われ、思わず見つめてしまった。リヒャルトも首を傾げている。エーリッヒ様は私たちから視線を逸らし、また歩き始めた。その時になって初めて足が止まっていたことに気が付いた。
後ろをついて歩いているといくつか分かったことがあった。まず、城で働く人たちは少ないということ。それから、平民とエーリッヒ様の距離が近いということ。これは物理的な話ではなく、精神的な話。平民が当たり前のようにエーリッヒ様に話しかけるのだ。ファルラニアでは絶対にあり得ない。
最後に、エーリッヒ様は歩くのが早いということ。軽く案内をしてもらった後、私はこっそりと息を整えた。マリーもギドの後ろで隠れるように深呼吸をしている。
歩くのはそんなに遅くないはず。だけど着いて行くのはやっとだった。これは単純に足の長さに違いがあるのだろうけど、エーリッヒ様がそれに全く気が付いていないのだ。
「おいおい、王様よ。一応言っておくが、女を連れて歩く時はもう少しゆっくり歩くもんだぜ」
今更になってギドがそう言った。どうせならもう少し早く言ってもらいたかった。そこでエーリッヒ様は私とマリーの息が上がっていることに気が付いたようだ。
「……確かに早かったようだな。すまない」
「いいえ、こちらも運動不足でした」
思えば一日のほとんどを机に向かって過ごしていた。歩くといえばヴィルヘルムの執務室から馬車へ行く間くらい。そう大きくない城とはいえ、こんなにも歩いたのは久しぶりだ。
「リーゼロッテはこの部屋だ。マリーは隣の部屋。リヒャルトはそこで、ギドはそこだ」
エーリッヒ様が扉を指さしながら言う。私とマリーが隣。私の部屋の向かいがリヒャルトで、マリーの部屋の向かいがギド。
「あの、エーリッヒ様。私は使用人です。このようなお部屋を使わせていただくことなどできません」
マリーがとんでもない、と首を振る。対してエーリッヒ様は「問題ない」と言う。
「あなた達4人は皆私の客という扱いだ。マリーもここでは使用人ではないので働く必要もない。それにこの城には住み込みの使用人はいない。したがってそれ用の部屋もない」
マリーは面食らったようだ。視線が泳ぐ。何か言いたそうに口を開いたが、何も言わずに閉じた。
「先ほども言ったが、1階は礼拝堂があり、誰でも出入りできる。2階は執務室で、城で働いている者が出入りする。3階に出入りするのは今ここにいる5人とイェンスのみだ。他の者がいたら迷わず捕縛してもらって構わない」
そう言った後、「違ったな」と思い出したように言った。
「病気の娘も近いうちに来る。世話をする者はまだ決めていないが、誰か1人つける予定だ」
途中の村の引き取り予定の女の子。彼女は数日後に馬車で来るらしい。どんな子なのかはまだ知らない。年齢すら。
「病気って感染らねぇの?」
ギドの質問にエーリッヒ様は「感染はしない」と短く答え、私たちを見た。
「それからリーゼロッテ、リヒャルト。侍女や侍従は何人必要だ?」
「私は必要ありません」
すぐに答える。1人の方が楽だ。ファルラニアでも身の回りのことは全て自分でやって来た。
「僕も必要ありません」
きっぱりとしたリヒャルトの声。意外だな、と思う。彼は常に誰かが側にいたはずだ。1人で身の回りのことができるのか、と少し不安に思う。
もしかして私が先に答えたから言い辛いのだろうか。
「大丈夫です。リヒャルト様は私がお手伝いしますので」
マリーが小さな声で私に言った。どうやら私の不安を読み取ったようだ。エーリッヒ様は一つ頷いた。
「食事はイェンスが用意する。一応食堂はそこだがどこで食べてもいい。贅沢をしなければ自由に過ごしてもらって構わない。私の部屋はこの奥だ。何かあったら呼んでくれ」
話は終わりだ、とばかりに歩いて行く背中を見つめる。結局私はなんの為にユルンへ連れて来られたのか聞いていない。エーリッヒ様は振り返ることはなかった。
城の前には小さな広場があり、それを中心に半円状に町が広がっているという感じだ。城があるというのに街とも言えない規模。
城の大きさも少し大きい屋敷、といったところだ。ヴァルデ家よりは大きいが、ファルラニアの城と比べると離宮くらいのサイズ。
薄暗くて寒くて、雪がちらつく中馬車を降りた。空を見上げるとどんよりとしていてとても低い。
ファルラニアでは雪を見ることも少ない。今の時期はまだ防寒着が必要ないくらいの気温だし、晴れることが多い。寒さがこんなに肌に刺さることは滅多にない。
しかし嫌な気分ではない。鼻はツンとするし、手はかじかむし、足先は冷たいまま。それでも吸い込む空気は澄んでいて、気持ちがいい。
「リーゼロッテ、こちらだ」
ふらふらと空を見上げているとエーリッヒ様に呼ばれた。いつの間にか少し移動していたようだ。皆が私を見ていた。はい、と返事をしてそちらへ行くと、エーリッヒ様は城の扉を開けて中へ入った。
心底驚いた。ファルラニアでは扉の前には騎士が立っていて、入る人は皆身分を確認されていた。そしてヴィルヘルムはもちろん、身分の高い貴族は自分で扉を開けるなどなかった。
かく言う私も自分で扉を開け閉めしていたのは自宅の中だけだ。お城ではヴィルヘルムの執務室の扉くらいしか触ったことがない。
だというのにここでは王自ら扉を開けるらしい。馬車を片付けに行くと言うイェンスも当たり前な顔で見ている。驚く私に気が付いたのか、エーリッヒ様は「人が少ないからな」とだけ言った。
人が少ないにしても防衛はきちんとしておかないといけないのでは、と思ったがユルンにはユルンのやり方があるのだろう。そもそもそれはエーリッヒ様の考えることであって私の考えることではない。この国で右も左も分からないのに図々しく口を出すつもりもない。
城の中はそう変わったことはなかった。ファルラニアの屋敷と同じような造りだし、見たことのないようなものもない。
……分かった。教会での違和感の正体。
「こちらでは室温の管理は魔法陣でされているのですか?」
暖炉はない。だけどあたたかい。
「ああ、ファルラニアと同じだ」
「教会では暖炉が焚かれてましたが……」
ユルンは魔石の輸出国。だからファルラニア以上に魔法を使っているものだと思っていた。それなのに教会では温度管理の魔法を使っていなかったのだ。初歩的な魔法陣で魔力の消費も少ない魔法なのに。
だから違和感があった。国境ではあんなにも大きな魔法を使っているというのに。エーリッヒ様は私の言いたいことを察したのか、「ああ」と頷いた。
「ユルンでは魔法陣を使っているのは城の中だけだ」
「え?」
リヒャルトが驚いたように言う。
「貴族の屋敷でも使わないのですか?」
「そもそも魔法陣を描ける人間も数えるほどしかいない。その中でも描いていい魔法陣は厳密に定められている」
驚き、なんて言葉では表せられないほどの衝撃だった。何故?描いていい魔法陣とは何?真剣に考えてみたが全く分からない。リヒャルトも深く考え込んでいる。
「……あなた達姉弟はもう少し気軽に人に質問するといい」
エーリッヒ様に突然そう言われ、思わず見つめてしまった。リヒャルトも首を傾げている。エーリッヒ様は私たちから視線を逸らし、また歩き始めた。その時になって初めて足が止まっていたことに気が付いた。
後ろをついて歩いているといくつか分かったことがあった。まず、城で働く人たちは少ないということ。それから、平民とエーリッヒ様の距離が近いということ。これは物理的な話ではなく、精神的な話。平民が当たり前のようにエーリッヒ様に話しかけるのだ。ファルラニアでは絶対にあり得ない。
最後に、エーリッヒ様は歩くのが早いということ。軽く案内をしてもらった後、私はこっそりと息を整えた。マリーもギドの後ろで隠れるように深呼吸をしている。
歩くのはそんなに遅くないはず。だけど着いて行くのはやっとだった。これは単純に足の長さに違いがあるのだろうけど、エーリッヒ様がそれに全く気が付いていないのだ。
「おいおい、王様よ。一応言っておくが、女を連れて歩く時はもう少しゆっくり歩くもんだぜ」
今更になってギドがそう言った。どうせならもう少し早く言ってもらいたかった。そこでエーリッヒ様は私とマリーの息が上がっていることに気が付いたようだ。
「……確かに早かったようだな。すまない」
「いいえ、こちらも運動不足でした」
思えば一日のほとんどを机に向かって過ごしていた。歩くといえばヴィルヘルムの執務室から馬車へ行く間くらい。そう大きくない城とはいえ、こんなにも歩いたのは久しぶりだ。
「リーゼロッテはこの部屋だ。マリーは隣の部屋。リヒャルトはそこで、ギドはそこだ」
エーリッヒ様が扉を指さしながら言う。私とマリーが隣。私の部屋の向かいがリヒャルトで、マリーの部屋の向かいがギド。
「あの、エーリッヒ様。私は使用人です。このようなお部屋を使わせていただくことなどできません」
マリーがとんでもない、と首を振る。対してエーリッヒ様は「問題ない」と言う。
「あなた達4人は皆私の客という扱いだ。マリーもここでは使用人ではないので働く必要もない。それにこの城には住み込みの使用人はいない。したがってそれ用の部屋もない」
マリーは面食らったようだ。視線が泳ぐ。何か言いたそうに口を開いたが、何も言わずに閉じた。
「先ほども言ったが、1階は礼拝堂があり、誰でも出入りできる。2階は執務室で、城で働いている者が出入りする。3階に出入りするのは今ここにいる5人とイェンスのみだ。他の者がいたら迷わず捕縛してもらって構わない」
そう言った後、「違ったな」と思い出したように言った。
「病気の娘も近いうちに来る。世話をする者はまだ決めていないが、誰か1人つける予定だ」
途中の村の引き取り予定の女の子。彼女は数日後に馬車で来るらしい。どんな子なのかはまだ知らない。年齢すら。
「病気って感染らねぇの?」
ギドの質問にエーリッヒ様は「感染はしない」と短く答え、私たちを見た。
「それからリーゼロッテ、リヒャルト。侍女や侍従は何人必要だ?」
「私は必要ありません」
すぐに答える。1人の方が楽だ。ファルラニアでも身の回りのことは全て自分でやって来た。
「僕も必要ありません」
きっぱりとしたリヒャルトの声。意外だな、と思う。彼は常に誰かが側にいたはずだ。1人で身の回りのことができるのか、と少し不安に思う。
もしかして私が先に答えたから言い辛いのだろうか。
「大丈夫です。リヒャルト様は私がお手伝いしますので」
マリーが小さな声で私に言った。どうやら私の不安を読み取ったようだ。エーリッヒ様は一つ頷いた。
「食事はイェンスが用意する。一応食堂はそこだがどこで食べてもいい。贅沢をしなければ自由に過ごしてもらって構わない。私の部屋はこの奥だ。何かあったら呼んでくれ」
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