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月夜の花
布団の中で目を閉じる。眠気は一向に襲って来なかった。深夜、ベッドから降りる。こうして布団を出るのは今日で何回目だろう、とため息をついた。
マリーは今朝発って行った。私は相変わらず一日を何もせずに過ごした。ただただ時間を消費しているだけ。違ったことと言えばマリーの変わりにギドがよく部屋に来たことだ。食事の時間には「お嬢、飯だぜ」と2人分のご飯を持って来て、一緒に食べた。
リヒャルトも午前と午後に一度ずつ顔を出した。2人とも私に色々と話しかけては出て行く。何度も出入りされたことで心配されているのだ、と気が付いた。
マリーがいなくなったことでこうも2人が代わる代わる来るとは思わなかった。マリーもギドもリヒャルトも、私がこの部屋から出ることを望んでいるようだ。
窓の方を少し見る。外は当たり前に暗い。
……少しだけ出てみようかしら。
今なら誰もいないだろう。そう思った。ちょうどその時廊下から足音が聞こえた。この時間にこの足音。エーリッヒ様だ。
外に出てもいいか聞いてみよう。そう思ってそっと扉を開くと、足音が止まった。扉の影から出ると怪訝そうな表情のエーリッヒ様がいた。
少し外に出てもいいでしょうか。そう言おうとしたが言葉が出なかった。駄目だと言われたら、と思うと声が出なかった。
エーリッヒ様は忙しい。仕事が溜まっている時のヴィルヘルムと同じ顔をしているから分かる。私が時間をとってはいけない。世界はもう寝静まっている。エーリッヒ様ももう寝るところだ。そう思ったが声は出なければ足も動かなかった。
「……今夜は月が明るい。嫌でなければ散歩に行かないか」
え、と思ってエーリッヒ様の顔を見る。変わらない表情。聞き間違いかと思った。だがその可能性はすぐに消えた。
「来なさい」
そう言って階段の方へ向かう背中を呆然と見つめる。少し遅れて追いかけると、エーリッヒ様は階段の手前で待ってくれていた。
ゆっくりと歩き出す。エーリッヒ様に会ったのはここへ来た日以来初めて。ゆったりとした足音と小さな足音が響く。城の中には他に誰もいない。
ここには穏やかな時間が流れている。ファルラニアにいた時のような息苦しさがない。先に出るように促され、エーリッヒ様の開けてくれた扉をくぐるとすぐに冷たい空気に包まれた。吐く息が白くなる。
「ファルラニアではまだ夏の終わりだが、ここは直に雪に閉ざされる」
静まり返った世界で低い静かな声が言った。空気が肌を刺す。キンと張り詰めたような空気。寒さで痛いほど。だけどやはり嫌な感じは全くない。
それでも体は震えた。何か上に着て来ればよかった。今からでも取りに行くか、と考えているとパサリと肩に何か掛けられた。
「すまない。そのような格好で出るものではなかったな」
見るとエーリッヒ様が着ていた上着だった。
「特別な毛皮を使っている。それ一枚で十分に暖かいだろう」
確かに暖かい。エーリッヒ様の温もりも残っている。しかし今度はエーリッヒ様が薄着になってしまった。
「私は慣れている。あなたが嫌でなければ着ていなさい」
表情ひとつ変えずにそう言うエーリッヒ様は全く寒そうではない。本当に寒くないのかは分からないが、好意を無駄にするのも悪い。
「ありがとうございます」
はー、と息を吐く。それは白くなってやがて消えた。
エーリッヒ様は「こちらだ」と言うと迷わずに歩き出した。城の裏から続く細い道。月の明かりで足元はちゃんと見える。ゆっくりと歩くその背中をゆっくりと追った。
エーリッヒ様は決して急かさなかった。始めて見る木が気になって足を止めた時も、月を見上げた時も、ただ黙って歩き続けた。そして2人の間に距離ができた時だけ立ち止まって静かに待ってくれた。
それはとても心地良い時間だった。
道の先、向こうの方に何かが見えた。明るい。なんだろう、と思ったが少し近付いて分かった。何かが光っている。たくさんの光る何かが地面を埋め尽くしている。しゃがみ込んでよく見るとそれは花だった。
「光る花……?」
「ああ、この時期の月が明るい夜のみ咲く」
まさか光る花があるなんて思ってもいなかった。国が変わるとこんなにも常識が違うのか。
手を伸ばすとひんやりとした花弁が触れた。普通の花とは感触も違う。
「不思議な花ですね。月の光を受けて発光しているのでしょうか?」
「この花は古来からユルンで存在するが、誰も解き明かすことはできていない」
それはそれでとても魅力的だなと思う。自然の不思議は不思議なままでいいのだ。人間がずかずかと土足で入っていいところではない。
エーリッヒ様は花の中へと足を踏み入れた。私も花を踏まないようそろそろと入った。
「朝が来たらしぼみ、また月の明るい夜に開く。小さな頃から私はこの花が見たくてこのような夜には城を抜け出していた」
私がエーリッヒ様の立場だったとしてもきっと抜け出していただろうと思った。
歩くたびにサクサクと音が立つ。まるで地面が凍っているようだ。いや、この寒さだ。もしかしたら本当に凍っているのかもしれない。
エーリッヒ様は何を思って私をこの場所に連れて来てくれたのだろう。どういうつもりで私をこの国へ連れて来たのだろう。
……この人は私に何を望んでいるのだろうか。
振り向いて見つめると彼も私を見つめた。
「……どうして私をここへ?」
エーリッヒ様は視線を逸らさずに言った。
「あそこでは眠れないのだろう?」
眠れない。そう、ずっと眠れない。母が死んでから。ヴァルデ家の当主になってから。ヴィルヘルムの文官になってから。
ずっと、眠れなかった。
「ここへ来て眠れるのならそれがいいと思った」
エーリッヒ様の『ここ』はどこを指しているのだろう。光る花畑か、冷たく澄んだ国か。
先に目を逸らしたのは私だった。全てを見透かすようなその静かな目を見つめていられなかった。
「……今なら眠れそうです」
「城へ戻ろう」
来た道を反対に歩く。ゆっくりと進むその道は行きよりも短い気がした。
あっという間に城に着き、エーリッヒ様は私を部屋の前まで送ってくれた。
「この国は穏やかな人間が多い。だが高貴な花を散らしたいと思う人間もいる。夜の散歩は私かギドがいる時だけにしなさい」
はい、と答える。エーリッヒ様は少し表情を和らげた。
「ゆっくりと眠るといい」
「おやすみなさい」
そう言って部屋に入ると、コツコツと足音が遠ざかって行った。そして扉の閉まる音が聞こえた。
そこで気が付いた。借りた上着を返していない。返しに行くかと少し迷い、もう少し借りておくことにした。エーリッヒ様によく似合う色のゆったりとした大きな上着。
形が崩れないように丁寧にかける。布団に入るとあたたかさに包まれ、すぐに眠りに落ちた。
マリーは今朝発って行った。私は相変わらず一日を何もせずに過ごした。ただただ時間を消費しているだけ。違ったことと言えばマリーの変わりにギドがよく部屋に来たことだ。食事の時間には「お嬢、飯だぜ」と2人分のご飯を持って来て、一緒に食べた。
リヒャルトも午前と午後に一度ずつ顔を出した。2人とも私に色々と話しかけては出て行く。何度も出入りされたことで心配されているのだ、と気が付いた。
マリーがいなくなったことでこうも2人が代わる代わる来るとは思わなかった。マリーもギドもリヒャルトも、私がこの部屋から出ることを望んでいるようだ。
窓の方を少し見る。外は当たり前に暗い。
……少しだけ出てみようかしら。
今なら誰もいないだろう。そう思った。ちょうどその時廊下から足音が聞こえた。この時間にこの足音。エーリッヒ様だ。
外に出てもいいか聞いてみよう。そう思ってそっと扉を開くと、足音が止まった。扉の影から出ると怪訝そうな表情のエーリッヒ様がいた。
少し外に出てもいいでしょうか。そう言おうとしたが言葉が出なかった。駄目だと言われたら、と思うと声が出なかった。
エーリッヒ様は忙しい。仕事が溜まっている時のヴィルヘルムと同じ顔をしているから分かる。私が時間をとってはいけない。世界はもう寝静まっている。エーリッヒ様ももう寝るところだ。そう思ったが声は出なければ足も動かなかった。
「……今夜は月が明るい。嫌でなければ散歩に行かないか」
え、と思ってエーリッヒ様の顔を見る。変わらない表情。聞き間違いかと思った。だがその可能性はすぐに消えた。
「来なさい」
そう言って階段の方へ向かう背中を呆然と見つめる。少し遅れて追いかけると、エーリッヒ様は階段の手前で待ってくれていた。
ゆっくりと歩き出す。エーリッヒ様に会ったのはここへ来た日以来初めて。ゆったりとした足音と小さな足音が響く。城の中には他に誰もいない。
ここには穏やかな時間が流れている。ファルラニアにいた時のような息苦しさがない。先に出るように促され、エーリッヒ様の開けてくれた扉をくぐるとすぐに冷たい空気に包まれた。吐く息が白くなる。
「ファルラニアではまだ夏の終わりだが、ここは直に雪に閉ざされる」
静まり返った世界で低い静かな声が言った。空気が肌を刺す。キンと張り詰めたような空気。寒さで痛いほど。だけどやはり嫌な感じは全くない。
それでも体は震えた。何か上に着て来ればよかった。今からでも取りに行くか、と考えているとパサリと肩に何か掛けられた。
「すまない。そのような格好で出るものではなかったな」
見るとエーリッヒ様が着ていた上着だった。
「特別な毛皮を使っている。それ一枚で十分に暖かいだろう」
確かに暖かい。エーリッヒ様の温もりも残っている。しかし今度はエーリッヒ様が薄着になってしまった。
「私は慣れている。あなたが嫌でなければ着ていなさい」
表情ひとつ変えずにそう言うエーリッヒ様は全く寒そうではない。本当に寒くないのかは分からないが、好意を無駄にするのも悪い。
「ありがとうございます」
はー、と息を吐く。それは白くなってやがて消えた。
エーリッヒ様は「こちらだ」と言うと迷わずに歩き出した。城の裏から続く細い道。月の明かりで足元はちゃんと見える。ゆっくりと歩くその背中をゆっくりと追った。
エーリッヒ様は決して急かさなかった。始めて見る木が気になって足を止めた時も、月を見上げた時も、ただ黙って歩き続けた。そして2人の間に距離ができた時だけ立ち止まって静かに待ってくれた。
それはとても心地良い時間だった。
道の先、向こうの方に何かが見えた。明るい。なんだろう、と思ったが少し近付いて分かった。何かが光っている。たくさんの光る何かが地面を埋め尽くしている。しゃがみ込んでよく見るとそれは花だった。
「光る花……?」
「ああ、この時期の月が明るい夜のみ咲く」
まさか光る花があるなんて思ってもいなかった。国が変わるとこんなにも常識が違うのか。
手を伸ばすとひんやりとした花弁が触れた。普通の花とは感触も違う。
「不思議な花ですね。月の光を受けて発光しているのでしょうか?」
「この花は古来からユルンで存在するが、誰も解き明かすことはできていない」
それはそれでとても魅力的だなと思う。自然の不思議は不思議なままでいいのだ。人間がずかずかと土足で入っていいところではない。
エーリッヒ様は花の中へと足を踏み入れた。私も花を踏まないようそろそろと入った。
「朝が来たらしぼみ、また月の明るい夜に開く。小さな頃から私はこの花が見たくてこのような夜には城を抜け出していた」
私がエーリッヒ様の立場だったとしてもきっと抜け出していただろうと思った。
歩くたびにサクサクと音が立つ。まるで地面が凍っているようだ。いや、この寒さだ。もしかしたら本当に凍っているのかもしれない。
エーリッヒ様は何を思って私をこの場所に連れて来てくれたのだろう。どういうつもりで私をこの国へ連れて来たのだろう。
……この人は私に何を望んでいるのだろうか。
振り向いて見つめると彼も私を見つめた。
「……どうして私をここへ?」
エーリッヒ様は視線を逸らさずに言った。
「あそこでは眠れないのだろう?」
眠れない。そう、ずっと眠れない。母が死んでから。ヴァルデ家の当主になってから。ヴィルヘルムの文官になってから。
ずっと、眠れなかった。
「ここへ来て眠れるのならそれがいいと思った」
エーリッヒ様の『ここ』はどこを指しているのだろう。光る花畑か、冷たく澄んだ国か。
先に目を逸らしたのは私だった。全てを見透かすようなその静かな目を見つめていられなかった。
「……今なら眠れそうです」
「城へ戻ろう」
来た道を反対に歩く。ゆっくりと進むその道は行きよりも短い気がした。
あっという間に城に着き、エーリッヒ様は私を部屋の前まで送ってくれた。
「この国は穏やかな人間が多い。だが高貴な花を散らしたいと思う人間もいる。夜の散歩は私かギドがいる時だけにしなさい」
はい、と答える。エーリッヒ様は少し表情を和らげた。
「ゆっくりと眠るといい」
「おやすみなさい」
そう言って部屋に入ると、コツコツと足音が遠ざかって行った。そして扉の閉まる音が聞こえた。
そこで気が付いた。借りた上着を返していない。返しに行くかと少し迷い、もう少し借りておくことにした。エーリッヒ様によく似合う色のゆったりとした大きな上着。
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