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長期休暇スタート
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そんな風に特に何も起こらないまま、私たちは長期休暇を迎えようとしていた。
変わったことと言えば、クラスの女の子達と結構話すようになったこと。カイがレオンやマクシミリアン以外の男の子達と仲良くなったこと。そしてベアトリクスはカイから離れて取り巻き達と一緒にいることが増えたくらいだ。
ああ、それからラルフと私の関係。良くなったかと言われるとそうではない。ただ私たちが婚約しているということをクラスの子達皆が知った。春の終わりごろ、突然ラルフが皆の前で私に向かって言ったのだ。曰く、「同じクラスに俺と言う婚約者がいながら無視するとはとんだあばずれだな」と。
あまりに驚きすぎて言葉が出なかった。間抜けな顔になっていたかもしれない。だって学校で関わるなと言ったのはラルフの方だ。婚約していることがばれたくないと言ったのもラルフの方だ。だから私はラルフに関わらないようにしていたのに。
それからというもの、他の子が気を遣って、ラルフへの用事を全て私に回してくるようになった。例えば、授業の予定が変更になった時。例えば、先生がラルフを探しているという時。例えば、ラルフの落とし物を誰かが拾った時。その度にラルフはそれが当然であるかのような態度で私を見下すのだ。
もちろん「ありがとう」なんて言葉はない。ただ嫌味だけは毎回絶対に忘れない。正直もううんざりだ。長期休暇に入ることで一番嬉しいのはラルフの顔を見なくてすむことだろう。
「エレナ、明日から休暇だね。楽しみだね」
読んでいた本から顔を上げて振り向くと、うきうきなクリスがそこにいた。部屋の隅にはもう既に持って帰るものがまとめられている。とは言っても持って帰るものなんてほとんどないけど。
「ええ、そうね。休暇中クリスは何か予定があるの?」
「ううん、特にないかな。うちは土地持ちじゃないし。エレナは?」
土地持ちと言うのは親や親の実家が地方で土地を持っている家のことだ。ちなみにうちは土地持ちではある。お父様の実家が地方にあり、行くとしたらそこだけど……。
「うちもどこにも行きませんわ。お父様もお義母様もお忙しそうですもの」
お父様は仕事でほとんど家にいない。つまりお義母様が家のことを全て仕切っているのだ。何をしているのかは知らないけど、きっと忙しいだろう。
「じゃあいつも通りお城に行く?」
その問いにはすぐには頷けない。学校生活を送る中でせっかくカイとの距離が取れてきたのだ。できることならこのまま関係を断ってしまいたい。別にカイが嫌いなわけではないけど、私はモブで、伯爵家の娘なのだ。ゲームが始まるまでにはまっさらな状態に戻しておきたい。
ここでお城に行ったら元通りになっちゃうもんな。でも魔法省には行っておきたい。最近は魔力もあまり減らせていない。まあ最近は魔法が勝手に出ることも少なくはなって来たから大丈夫だとは思うんだけど。でもマルゴット様が魔力が欲しいって言ってたってヨハンが言ってたし……できる限り協力はしてあげたい。
マルゴット様の研究次第では国全体の今後の生活が変わるかもしれないのだ。
「ねえ、クリス、今後は殿下とできるだけ距離を置く必要があると思うのだけど」
沈黙が降りる。クリスはちょっと驚いたような表情を浮かべ、そして真剣な表情になった。
「……うん、そうだね。私もそう思うよ」
別にリリーのカイ攻略を応援する為に離れるわけではない。それもあるけど。私たちは伯爵家の娘なのだ。いや、むしろ伯爵家の娘だから許されていた。妃候補になれるはずもない身分の娘だから。
もうそろそろカイの婚約者候補の話も出てくるはずだ。そういう年齢だ。そこに私たちはいてはいけない。カイの為でも私たちの為でもない。私達の家の為に。お父様の為に。
「あそこにいるのは結構楽しかったから、ずるずる来ちゃったけど、でも私たちは男の子じゃないからね」
そう言ったクリスの笑顔は寂しそうで、苦しそうで、見ているこっちの方が辛くなった。
……そう、クリスは本物の十一歳。まだ子供だ。ずっと一緒にいた友達と離れるのは辛いだろう。
「じゃあ明日にでもお城に行って言おうか。一緒に行ってね!」
パッとクリスがいつもと同じような笑顔を浮かべた。が、明らかに無理しているのが分かる。私が何も言えないでいると、クリスは「寝よ寝よ」と言ってさっさとベッドへ入ってしまった。時間は九時。いつもならクリスは十時頃に寝るのだ。
……外にでも出よう。
私は椅子から立ち上がると壁の魔法陣で部屋の明かりを消した。
「わたくしちょっと出てくるわね。おやすみなさい」
「……うん、ありがと」
かすかに聞こえてきた声は布団に埋もれていて、そして少し濡れていた。
寮を一歩出ると、月明かりと魔法陣を用いた街灯で照らされたいつもと同じだけどちょっと違う景色が広がっていた。エレナになって夜に外に出たのは初めてだ。
自分の足音がやけに大きく耳に届く。この世界の夜がこんなにも静かだとは知らなかった。私の知っている夜は車のエンジン音や遮断機、テレビの音で埋め尽くされていた。
歩きながら空を見上げると月が綺麗だった。満点の星空だった。適当な芝生に座り、目を閉じる。瞼の裏に先ほどのクリスの笑顔が浮かんだ。もしかすると私は酷な現実を突きつけたのかもしれない。それなら放っておけばよかったのか。それも違うだろう。
恐らくクリスは私が言うのを待っていた。全て分かったうえで自分では終わらせられないから。多分、私のしたことは正しい。だけど胸に黒いもやもやがつっかえて気持ち悪かった。
変わったことと言えば、クラスの女の子達と結構話すようになったこと。カイがレオンやマクシミリアン以外の男の子達と仲良くなったこと。そしてベアトリクスはカイから離れて取り巻き達と一緒にいることが増えたくらいだ。
ああ、それからラルフと私の関係。良くなったかと言われるとそうではない。ただ私たちが婚約しているということをクラスの子達皆が知った。春の終わりごろ、突然ラルフが皆の前で私に向かって言ったのだ。曰く、「同じクラスに俺と言う婚約者がいながら無視するとはとんだあばずれだな」と。
あまりに驚きすぎて言葉が出なかった。間抜けな顔になっていたかもしれない。だって学校で関わるなと言ったのはラルフの方だ。婚約していることがばれたくないと言ったのもラルフの方だ。だから私はラルフに関わらないようにしていたのに。
それからというもの、他の子が気を遣って、ラルフへの用事を全て私に回してくるようになった。例えば、授業の予定が変更になった時。例えば、先生がラルフを探しているという時。例えば、ラルフの落とし物を誰かが拾った時。その度にラルフはそれが当然であるかのような態度で私を見下すのだ。
もちろん「ありがとう」なんて言葉はない。ただ嫌味だけは毎回絶対に忘れない。正直もううんざりだ。長期休暇に入ることで一番嬉しいのはラルフの顔を見なくてすむことだろう。
「エレナ、明日から休暇だね。楽しみだね」
読んでいた本から顔を上げて振り向くと、うきうきなクリスがそこにいた。部屋の隅にはもう既に持って帰るものがまとめられている。とは言っても持って帰るものなんてほとんどないけど。
「ええ、そうね。休暇中クリスは何か予定があるの?」
「ううん、特にないかな。うちは土地持ちじゃないし。エレナは?」
土地持ちと言うのは親や親の実家が地方で土地を持っている家のことだ。ちなみにうちは土地持ちではある。お父様の実家が地方にあり、行くとしたらそこだけど……。
「うちもどこにも行きませんわ。お父様もお義母様もお忙しそうですもの」
お父様は仕事でほとんど家にいない。つまりお義母様が家のことを全て仕切っているのだ。何をしているのかは知らないけど、きっと忙しいだろう。
「じゃあいつも通りお城に行く?」
その問いにはすぐには頷けない。学校生活を送る中でせっかくカイとの距離が取れてきたのだ。できることならこのまま関係を断ってしまいたい。別にカイが嫌いなわけではないけど、私はモブで、伯爵家の娘なのだ。ゲームが始まるまでにはまっさらな状態に戻しておきたい。
ここでお城に行ったら元通りになっちゃうもんな。でも魔法省には行っておきたい。最近は魔力もあまり減らせていない。まあ最近は魔法が勝手に出ることも少なくはなって来たから大丈夫だとは思うんだけど。でもマルゴット様が魔力が欲しいって言ってたってヨハンが言ってたし……できる限り協力はしてあげたい。
マルゴット様の研究次第では国全体の今後の生活が変わるかもしれないのだ。
「ねえ、クリス、今後は殿下とできるだけ距離を置く必要があると思うのだけど」
沈黙が降りる。クリスはちょっと驚いたような表情を浮かべ、そして真剣な表情になった。
「……うん、そうだね。私もそう思うよ」
別にリリーのカイ攻略を応援する為に離れるわけではない。それもあるけど。私たちは伯爵家の娘なのだ。いや、むしろ伯爵家の娘だから許されていた。妃候補になれるはずもない身分の娘だから。
もうそろそろカイの婚約者候補の話も出てくるはずだ。そういう年齢だ。そこに私たちはいてはいけない。カイの為でも私たちの為でもない。私達の家の為に。お父様の為に。
「あそこにいるのは結構楽しかったから、ずるずる来ちゃったけど、でも私たちは男の子じゃないからね」
そう言ったクリスの笑顔は寂しそうで、苦しそうで、見ているこっちの方が辛くなった。
……そう、クリスは本物の十一歳。まだ子供だ。ずっと一緒にいた友達と離れるのは辛いだろう。
「じゃあ明日にでもお城に行って言おうか。一緒に行ってね!」
パッとクリスがいつもと同じような笑顔を浮かべた。が、明らかに無理しているのが分かる。私が何も言えないでいると、クリスは「寝よ寝よ」と言ってさっさとベッドへ入ってしまった。時間は九時。いつもならクリスは十時頃に寝るのだ。
……外にでも出よう。
私は椅子から立ち上がると壁の魔法陣で部屋の明かりを消した。
「わたくしちょっと出てくるわね。おやすみなさい」
「……うん、ありがと」
かすかに聞こえてきた声は布団に埋もれていて、そして少し濡れていた。
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自分の足音がやけに大きく耳に届く。この世界の夜がこんなにも静かだとは知らなかった。私の知っている夜は車のエンジン音や遮断機、テレビの音で埋め尽くされていた。
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