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真相突き止め
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「ああ、申し訳ありません。その話は関係ありませんよね。一科だろうが三科だろうが精一杯頑張りますわ」
陛下が言葉を発する前に私はそれに気が付かないふりをして遮る。にっこりと笑うと、陛下も穏やかな表情で、だけど鋭い目で私を見て笑った。
さて、そろそろ本題に入ろうか。
「本日こちらへ来たのはお聞きしたいことがあるのです」
部屋の中を一通り見渡す。陛下と私とクリスだけ。他の人がいないことを確認する私を、陛下は怪訝そうに見た。今日はお父様もいなくて助かった。さすがに宰相に部屋を出て欲しいとは言えない。いくら娘の私でも。
「以前、陛下がおっしゃっておられた複数の属性を持つ方についてお聞きしたいのです」
「……ああ、私の十歳の誕生日の時の!」
クリスは少しの間考えてポンと、手を打った。おお、覚えていたか。あれから話題に上がらないから忘れているのかと思っていた。
笑顔で陛下を見ると、陛下はお茶を一口飲んだ。
「どうしてそれを聞きたい」
「あら、わたくしと同じ複数の属性を持つ方のお話ですよ。とても気になりますわ」
「はいはい! 私も気になる!」
私の言葉に便乗したクリスが手を上げてそう言う。さすがクリス。計算なのか素なのか分からないけどナイス援護。何も言っていないけど空気の読める子なのだ。おそらく。
「ほら、クリスだって興味があるようですわ。教えていただけませんか?」
なーんて、簡単に教えてもらえるとは最初から思っていない。だけどできるだけここで情報を得ておきたい。私は陛下の知っているこの人があの本の作者だと考えている。というか身分の高い全属性持ちなんて誰も知らないわけがないのだ。
それを誰も知らないということは誰かがあえて隠しているか、皆知っていて口に出せない理由があるのかのどっちかだ。後者だとしたら絶対に話は耳に入るはず。だから前者だと思っている。
普通の貴族の子供の属性判定は城の文官が立ち会う。文官とはいえ人間だ。全属性持ちの子供を見つけたら騒ぎになり皆の耳に入る。それがないということは文官が立ち会っていないということ。つまり、私達のように陛下から直接魔法薬を貰った子供。
そう考えるとだいぶ絞ることができる。
陛下は口を開こうとはしない。もしかしたら私たちはかなり危ないところに触れているのかもしれない。が、もう戻れない。ごめん、クリス、こんな時まで道連れで。
やっぱり一人で来ればよかったかな。
「陛下、ご存じでしょうか? お城には神様がいらっしゃるのですよ」
「神様?」
突然話題を変えた私に、陛下は厳しい視線を向ける。クリスは「聞いたことないな」と首を傾げている。そりゃあ聞いたことがないだろう。私が勝手に呼んでいるだけなんだから。
「見た目は二十歳くらいで、とても綺麗な顔立ちの男の人なんです。わたくしがお城の中で迷子になった二回とも助けてくださいましたわ」
「えー、私だって迷子になったことあるんだけど会ったことないよ」
「ええ、そうかもしれないわ。普通には会えないと思うから」
全て推測。だけどこう考えるとつじつまが合う。実は結構前から繋がってはいた。
初めて神様に会った時に誰かに重なった。あの時は誰か分からなかったけど、二回目に会ったときに思い出した。
「そうですわね、殿下が成長したらあんな感じになるのではないかと思いますわ」
愛玲奈の時に見たゲーム内の成長したカイ。カイにとても似ていたのだ。顔立ちとか、雰囲気とか。
私の言葉に陛下が、ぴくっと反応した。
「……会ったのか?」
険しい表情を浮かべる陛下はもう私の知っている、おだやかでにこやかな陛下とは違った。私はその問いには答えずにに指折り並べていく。
「一度も授業に出ずに卒業した伝説の方。陛下がご存じの複数属性を持つ方。わたくしが会ったお城の神様。魔法学校の図書室にある白紙の本の作者」
陛下は真顔で何を考えているのか分からない。クリスはぽかんとした顔で私を見ている。
「わたくしは全て同じ方だと思っているのですが、どうでしょうか?」
自信満々にそう言った私だが、内心はとてもビビっていた。
もうそうとしか考えられないんだけど違ったらどうしよう。違うって言われたらすっごい恥ずかしいじゃん! やっぱりヘンドリックお兄様に聞いてから来た方がよかったかな!? いや、でも、それはそれでいやだ。違うとしたら絶対「馬鹿じゃないのか」って顔されると思うし!
いやいやいや、それより陛下にこんな大きい顔して話していいの!? え、どうしよう。口を封じるためには殺すしかないなってなったら……いやー! まだ死にたくない! とりあえずそうなったら魔法で全力防御だ。そしてクリスを連れて逃げる! しかないよね……。
「ああ、それからこの国の第一皇子がどうしていらっしゃらないのかも教えていただけると嬉しく存じますわ」
気にならなかったわけがない。どうして第二皇子のカイが皇位を継ぐのか。どうして第一皇子は姿を見せないのか。そして、どうして皆不自然なほど第一皇子の話題を出さないのか。
色々な人にそれとなく探って来た。アリアにお父様にクルトお兄様。それから、先生方。まさか「第一皇子ってどこにいるんですか」なんてはっきり聞くことはできないから、すごく難しかったけど。結果、私は何も分からなかった。アリアですら私に対して口を閉ざすのだ。
これは何かあるとしか考えられない。
陛下は厳しい表情で私を見ると、深いため息を吐いた。
陛下が言葉を発する前に私はそれに気が付かないふりをして遮る。にっこりと笑うと、陛下も穏やかな表情で、だけど鋭い目で私を見て笑った。
さて、そろそろ本題に入ろうか。
「本日こちらへ来たのはお聞きしたいことがあるのです」
部屋の中を一通り見渡す。陛下と私とクリスだけ。他の人がいないことを確認する私を、陛下は怪訝そうに見た。今日はお父様もいなくて助かった。さすがに宰相に部屋を出て欲しいとは言えない。いくら娘の私でも。
「以前、陛下がおっしゃっておられた複数の属性を持つ方についてお聞きしたいのです」
「……ああ、私の十歳の誕生日の時の!」
クリスは少しの間考えてポンと、手を打った。おお、覚えていたか。あれから話題に上がらないから忘れているのかと思っていた。
笑顔で陛下を見ると、陛下はお茶を一口飲んだ。
「どうしてそれを聞きたい」
「あら、わたくしと同じ複数の属性を持つ方のお話ですよ。とても気になりますわ」
「はいはい! 私も気になる!」
私の言葉に便乗したクリスが手を上げてそう言う。さすがクリス。計算なのか素なのか分からないけどナイス援護。何も言っていないけど空気の読める子なのだ。おそらく。
「ほら、クリスだって興味があるようですわ。教えていただけませんか?」
なーんて、簡単に教えてもらえるとは最初から思っていない。だけどできるだけここで情報を得ておきたい。私は陛下の知っているこの人があの本の作者だと考えている。というか身分の高い全属性持ちなんて誰も知らないわけがないのだ。
それを誰も知らないということは誰かがあえて隠しているか、皆知っていて口に出せない理由があるのかのどっちかだ。後者だとしたら絶対に話は耳に入るはず。だから前者だと思っている。
普通の貴族の子供の属性判定は城の文官が立ち会う。文官とはいえ人間だ。全属性持ちの子供を見つけたら騒ぎになり皆の耳に入る。それがないということは文官が立ち会っていないということ。つまり、私達のように陛下から直接魔法薬を貰った子供。
そう考えるとだいぶ絞ることができる。
陛下は口を開こうとはしない。もしかしたら私たちはかなり危ないところに触れているのかもしれない。が、もう戻れない。ごめん、クリス、こんな時まで道連れで。
やっぱり一人で来ればよかったかな。
「陛下、ご存じでしょうか? お城には神様がいらっしゃるのですよ」
「神様?」
突然話題を変えた私に、陛下は厳しい視線を向ける。クリスは「聞いたことないな」と首を傾げている。そりゃあ聞いたことがないだろう。私が勝手に呼んでいるだけなんだから。
「見た目は二十歳くらいで、とても綺麗な顔立ちの男の人なんです。わたくしがお城の中で迷子になった二回とも助けてくださいましたわ」
「えー、私だって迷子になったことあるんだけど会ったことないよ」
「ええ、そうかもしれないわ。普通には会えないと思うから」
全て推測。だけどこう考えるとつじつまが合う。実は結構前から繋がってはいた。
初めて神様に会った時に誰かに重なった。あの時は誰か分からなかったけど、二回目に会ったときに思い出した。
「そうですわね、殿下が成長したらあんな感じになるのではないかと思いますわ」
愛玲奈の時に見たゲーム内の成長したカイ。カイにとても似ていたのだ。顔立ちとか、雰囲気とか。
私の言葉に陛下が、ぴくっと反応した。
「……会ったのか?」
険しい表情を浮かべる陛下はもう私の知っている、おだやかでにこやかな陛下とは違った。私はその問いには答えずにに指折り並べていく。
「一度も授業に出ずに卒業した伝説の方。陛下がご存じの複数属性を持つ方。わたくしが会ったお城の神様。魔法学校の図書室にある白紙の本の作者」
陛下は真顔で何を考えているのか分からない。クリスはぽかんとした顔で私を見ている。
「わたくしは全て同じ方だと思っているのですが、どうでしょうか?」
自信満々にそう言った私だが、内心はとてもビビっていた。
もうそうとしか考えられないんだけど違ったらどうしよう。違うって言われたらすっごい恥ずかしいじゃん! やっぱりヘンドリックお兄様に聞いてから来た方がよかったかな!? いや、でも、それはそれでいやだ。違うとしたら絶対「馬鹿じゃないのか」って顔されると思うし!
いやいやいや、それより陛下にこんな大きい顔して話していいの!? え、どうしよう。口を封じるためには殺すしかないなってなったら……いやー! まだ死にたくない! とりあえずそうなったら魔法で全力防御だ。そしてクリスを連れて逃げる! しかないよね……。
「ああ、それからこの国の第一皇子がどうしていらっしゃらないのかも教えていただけると嬉しく存じますわ」
気にならなかったわけがない。どうして第二皇子のカイが皇位を継ぐのか。どうして第一皇子は姿を見せないのか。そして、どうして皆不自然なほど第一皇子の話題を出さないのか。
色々な人にそれとなく探って来た。アリアにお父様にクルトお兄様。それから、先生方。まさか「第一皇子ってどこにいるんですか」なんてはっきり聞くことはできないから、すごく難しかったけど。結果、私は何も分からなかった。アリアですら私に対して口を閉ざすのだ。
これは何かあるとしか考えられない。
陛下は厳しい表情で私を見ると、深いため息を吐いた。
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