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意外な事実
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会話は聞こえない。だけど二人の表情は見える。そんな遠すぎず、近すぎずの距離を取る。チラチラと横目で二人の様子を気にしながら歩く私を見て、カミラはふふっと笑った。
「お姉さまはお二人の仲を深めたいのですね」
「え、ええ、そうね」
まさかばれていると思っていなかった私は少し驚き、微妙な返事をしてしまった。
「リリー様は未来の皇后陛下に相応しい方だと思うの。殿下もまだ婚約者は決まっていないでしょう? お似合いの二人だと思わない?」
カミラはさらに笑う。
……なんでそんなに笑うのよ。
「何かおかしいかしら?」
私の言葉にカミラが「いいえ」と首を横に振った。
「おかしいことはありません。だけどやはりお姉さまは変わっていらっしゃいますわ」
な、なんだって……!
確かに自分が変な自覚はある。色々な人に変だと思われていることも知っている。だけどカミラにだけはそう思われたくなかった。
ショックを受けて凹む私にカミラは慌てたように言った。
「あ、いえ、悪い意味ではありませんわ。そんなお姉さまがわたくしの自慢ですもの」
私がカミラの自慢……!
カミラの言葉に一気に心が明るくなる。が、変わっているという言葉に誉め言葉要素はあるのだろうか。マイナスなイメージしかないけど。
私の表情の変化に気が付いたのか、カミラがまた慌てて言葉を重ねる。
「入学して知りました。皆様少しでも身分の高い方と婚約したいとおっしゃるのです。わたくしはお母様からもお父様からもそのようなこと一言も言われたことはありませんでしたが、貴族の娘とはそのようなものだと友達が言っておりました」
ああ、まあそうだろう。自分の家よりもいい家に嫁ぐことに必死になっている子は私の周りでも少なくない。というか大半だ。もちろん本人の希望もあるだろうし、親の希望もある。娘がいい家に嫁ぐことで自分の家にもおこぼれを、という考えだ。
うちは一応伯爵家で、中でも結構身分の高い方だ。しかもお父様もお義母様もそんなによその家からのおこぼれを狙っていない。だからカミラが幸せになれるならそれでいいと思って何も言ってこなかったのだろう。
……私の婚約だって望んだのはお父様でもお義母様でもないもんね。
「殿下とお近づきになりたい方は本当にたくさんおられます。それなのにお姉さまはご自分ではなく、リリー様のことを思われて……」
あ、いや、リリーのことを思ってと言うわけでは……。
「だから変わっていると申し上げましたの。だけど、いつも周りの方のことばかり考えているお姉さまらしいですわ」
いやいや、そんなことないんだけど。周りの人のことなんてそんなに考えたことないし、いつも何かやらかしているのは私だ。リリーとカイをくっつけたいのは、本来そうあるべきなのと、何よりも同じ光属性の使い手の私に話が回ってこないようにするためだ。
つまり私はリリーのことよりも自分のことを考えている。これははっきりと言える。だけどまさかカミラにそんなこと言えない。
『まあ、お姉さまってそんなに自分勝手だったのですね』と思われるなんて、考えるだけでも涙が出そうだ。
「そんなことないわよ」
そう言って微笑んでおく。一応否定はした。私は嘘は言っていない。ちょっと見栄をはっただけで。
「見てくださいませ。リリー様、とても嬉しそうですわ」
そう言われて私もカミラの視線の先の二人を見る。話は弾んでいるようだ。確かにリリーがすごくいい笑顔だ。これは良い感じかもしれない。
「ええ、そうね。これでお二人がお互いに少しでも興味を持ってもらえたらいいのだけど」
「あら? お姉さまはご存じだったのではないのですか?」
カミラがきょとんとして私を見上げる。
え? 何を?
首を傾げる私にカミラも首を傾げる。
「殿下は分かりませんが、リリー様は殿下のことをお気になさっておられるのでは?」
リリーがカイのことを気になっている? 初耳なんだけど。あ、じゃあさっき私がリリーとカイがお似合いだって言った時、少し安心したようにしてたのはそれ? リリーはカイルートに入ってる? それにしては親密度が低く見えるけど。
改めてリリーをよく見てみる。うーん、いつもより楽しそうではある。けどよく分からない。身体強化をして会話を聞いてみる。なんてことはない。授業の話だ。真面目ちゃん達め。
しかし心なしかリリーの声が弾んでいるようにも聞こえる。
……うん、これはもしかするともしかするかもしれない。私が今更何かする必要なんてなかったのかもしれない。ちょくちょく接点を作りながら、様子を見るだけで上手くいくかも。
「カミラ、ナイスよ。さすがわたくしの妹ですわ」
突然の誉め言葉にカミラが不思議そうに首を傾げ、しかし「はい!」と嬉しそうに笑った。
はい、うちの妹マジ天使。
予想外に上手くいきそうな展開と、カミラの笑顔に、私も頬が緩むのが分かった。
「お姉さまはお二人の仲を深めたいのですね」
「え、ええ、そうね」
まさかばれていると思っていなかった私は少し驚き、微妙な返事をしてしまった。
「リリー様は未来の皇后陛下に相応しい方だと思うの。殿下もまだ婚約者は決まっていないでしょう? お似合いの二人だと思わない?」
カミラはさらに笑う。
……なんでそんなに笑うのよ。
「何かおかしいかしら?」
私の言葉にカミラが「いいえ」と首を横に振った。
「おかしいことはありません。だけどやはりお姉さまは変わっていらっしゃいますわ」
な、なんだって……!
確かに自分が変な自覚はある。色々な人に変だと思われていることも知っている。だけどカミラにだけはそう思われたくなかった。
ショックを受けて凹む私にカミラは慌てたように言った。
「あ、いえ、悪い意味ではありませんわ。そんなお姉さまがわたくしの自慢ですもの」
私がカミラの自慢……!
カミラの言葉に一気に心が明るくなる。が、変わっているという言葉に誉め言葉要素はあるのだろうか。マイナスなイメージしかないけど。
私の表情の変化に気が付いたのか、カミラがまた慌てて言葉を重ねる。
「入学して知りました。皆様少しでも身分の高い方と婚約したいとおっしゃるのです。わたくしはお母様からもお父様からもそのようなこと一言も言われたことはありませんでしたが、貴族の娘とはそのようなものだと友達が言っておりました」
ああ、まあそうだろう。自分の家よりもいい家に嫁ぐことに必死になっている子は私の周りでも少なくない。というか大半だ。もちろん本人の希望もあるだろうし、親の希望もある。娘がいい家に嫁ぐことで自分の家にもおこぼれを、という考えだ。
うちは一応伯爵家で、中でも結構身分の高い方だ。しかもお父様もお義母様もそんなによその家からのおこぼれを狙っていない。だからカミラが幸せになれるならそれでいいと思って何も言ってこなかったのだろう。
……私の婚約だって望んだのはお父様でもお義母様でもないもんね。
「殿下とお近づきになりたい方は本当にたくさんおられます。それなのにお姉さまはご自分ではなく、リリー様のことを思われて……」
あ、いや、リリーのことを思ってと言うわけでは……。
「だから変わっていると申し上げましたの。だけど、いつも周りの方のことばかり考えているお姉さまらしいですわ」
いやいや、そんなことないんだけど。周りの人のことなんてそんなに考えたことないし、いつも何かやらかしているのは私だ。リリーとカイをくっつけたいのは、本来そうあるべきなのと、何よりも同じ光属性の使い手の私に話が回ってこないようにするためだ。
つまり私はリリーのことよりも自分のことを考えている。これははっきりと言える。だけどまさかカミラにそんなこと言えない。
『まあ、お姉さまってそんなに自分勝手だったのですね』と思われるなんて、考えるだけでも涙が出そうだ。
「そんなことないわよ」
そう言って微笑んでおく。一応否定はした。私は嘘は言っていない。ちょっと見栄をはっただけで。
「見てくださいませ。リリー様、とても嬉しそうですわ」
そう言われて私もカミラの視線の先の二人を見る。話は弾んでいるようだ。確かにリリーがすごくいい笑顔だ。これは良い感じかもしれない。
「ええ、そうね。これでお二人がお互いに少しでも興味を持ってもらえたらいいのだけど」
「あら? お姉さまはご存じだったのではないのですか?」
カミラがきょとんとして私を見上げる。
え? 何を?
首を傾げる私にカミラも首を傾げる。
「殿下は分かりませんが、リリー様は殿下のことをお気になさっておられるのでは?」
リリーがカイのことを気になっている? 初耳なんだけど。あ、じゃあさっき私がリリーとカイがお似合いだって言った時、少し安心したようにしてたのはそれ? リリーはカイルートに入ってる? それにしては親密度が低く見えるけど。
改めてリリーをよく見てみる。うーん、いつもより楽しそうではある。けどよく分からない。身体強化をして会話を聞いてみる。なんてことはない。授業の話だ。真面目ちゃん達め。
しかし心なしかリリーの声が弾んでいるようにも聞こえる。
……うん、これはもしかするともしかするかもしれない。私が今更何かする必要なんてなかったのかもしれない。ちょくちょく接点を作りながら、様子を見るだけで上手くいくかも。
「カミラ、ナイスよ。さすがわたくしの妹ですわ」
突然の誉め言葉にカミラが不思議そうに首を傾げ、しかし「はい!」と嬉しそうに笑った。
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