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放浪編
これからするべき事
『くそっ……一週間以内にナオ達を助けないといけないのか。いや、待って……一週間という事はアイリスと交信できるようになるのもかなりぎりぎりになるの!?』
『そういう事ですね。レナさんの風の聖痕が完全に身体に馴染むまでは私との交信も難しいでしょう。ですけど、聖痕の力を使いこなせるようになれば良いだけです』
『使いこなす?』
『聖痕の力は使用すればするほどに身体に馴染みます。レナさんもハンググラインダーを利用するときに風の聖痕の力を利用して増すよね?要は聖痕の力を使い続ければ良い話です』
アイリスと交信出来ない理由はレナの体内にハヅキの聖痕が完全に馴染んでいない事が原因のため、逆に言えば聖痕の力を肉体に馴染ませることが出来れば問題は解決する。聖痕の力を利用し続ければ自然とレナの肉体に馴染む事は既に証明されている。
『ですけど聖痕の力を使う時は注意してください。自分の身の丈を超えた力を生み出そうとすれば大きな代償を支払います。それはレナさんもよくご存じのはずでしょう?』
『まあね……それは良く分かってるよ』
聖痕は強力な能力なのは確かだが反面に大きな危険を伴い、風の精霊の力を吸収する事で真価を発揮するこの能力は使用者の肉体に大きな負荷を与える可能性が高い。精霊を利用すれば魔法を強化する事が出来る一方、自分の限界以上の魔法の力を生み出すので制御が非常に難しい。
例えば職業的な問題を無視してレナが仮にマリアの「最上級魔法」を使用した場合、魔法の発動に成功したとしても体内の魔力を根こそぎ奪われてしまう。もしも限界以上の魔力を喪失すれば最悪の場合は死に至り、風の聖痕の場合も同じ危険性を持っている。
『聖痕を使う度に風の精霊が力を貸してくれている事は分かるけど、どうも俺の場合だと呼び寄せられる精霊の数が限られている気がする。叔母様や御婆様のように上手く扱えないというか……』
『それは仕方ないですよ。レナさんはあくまでも支援魔術師、本来は攻撃向けの魔法を覚えるのは不向きな職業です。だからレナさんはレナさんなりの方法で聖痕の力を利用してください』
『俺なりの方法……?』
『残念ながらレナさんはマリアやハヅキのように強力な魔法は生み出せません。ですけど、この二人には出来なくてレナさんだけにしか扱えない方法もあるはずです。それを考えてください』
『俺にしか出来ない、か』
アイリスの言葉にレナは右腕に宿った聖痕の力を感じ取り、自分よりも優れている魔術師のマリアやハヅキが出来ない方法で聖痕の力を使いこなす方法を考える。そして自然と頭に浮かんだのは「大剣」だった。
『……まさか、剣なのか?』
『そうです。魔術師でありながら剣を扱う人間なんてこの世界の何処を探してもレナさんぐらいしかいませんよ』
『でも、剣にどうやって聖痕の力を……』
『そこは自分自身で考えてください。正直、私が下手に口出しするよりもレナさんが考えた方が良いと思います』
『そっか……分かった、考えてみる』
『だけど、あまり時間がないので聖痕の力を早く馴染ませるように頑張ってくださいね』
現在の調子だと一週間後までアイリスと交信出来ないため、レナは自分なりの方法で聖痕を極める事を決意し、それと同時に捕まった仲間達を取り戻す方法を相談する。
『それはともかく、シズネ達はどうすればいい?城に忍び込んで救出する?』
『それは難しいですね。流石に王妃も警戒して王都の警備を強化しています。暗殺者のスキルを駆使しても忍び込むのは難しいでしょう』
『ならどうすればいい?』
『今は先に他の仲間と合流する事に専念してください。私が把握した限りの人間の現在位置と詳細を話しますので……』
アイリスと交信出来る間に転移によって散り散りになってしまった仲間達の情報をレナは教えて貰い、最後に交信を終える前に約束を行う。
『いいですかレナさん、何があろうと生き残って下さい。レナさんが一人になっても私が味方である事を忘れないでください』
『そうだったな……頼りにしてるよ天使様』
決して自分は一人ではない事をレナは認識すると、見えないはずのアイリスの姿を思い浮かべて心の中で笑顔を浮かべる。そんなレナの考えを読みとったようにアイリスは最後に一言だけ告げる。
『幸運を祈りますよ』
『任せろ相棒』
交信を終えた事でゆっくりとレナの視界の風景が動き出し、現実世界に戻って来たことを悟ったレナは周囲を振り返る。そんなレナの行動にコトミン達は不思議そうな表情を浮かべるが、レナは虚空に向けて手を伸ばす。
「……よし!!じゃあ、行こうか!!」
「えっ……ど、何処に?」
「遺跡を出るのか?」
「家に帰る?」
決意を新たにしたレナは仲間達に振り返ると、アイリスが交信を途絶える前に教えてくれた情報を頼りに行動に移る。次の目的地は既に決まっており、レナは転移門に振り返って台座に手を伸ばした。
『そういう事ですね。レナさんの風の聖痕が完全に身体に馴染むまでは私との交信も難しいでしょう。ですけど、聖痕の力を使いこなせるようになれば良いだけです』
『使いこなす?』
『聖痕の力は使用すればするほどに身体に馴染みます。レナさんもハンググラインダーを利用するときに風の聖痕の力を利用して増すよね?要は聖痕の力を使い続ければ良い話です』
アイリスと交信出来ない理由はレナの体内にハヅキの聖痕が完全に馴染んでいない事が原因のため、逆に言えば聖痕の力を肉体に馴染ませることが出来れば問題は解決する。聖痕の力を利用し続ければ自然とレナの肉体に馴染む事は既に証明されている。
『ですけど聖痕の力を使う時は注意してください。自分の身の丈を超えた力を生み出そうとすれば大きな代償を支払います。それはレナさんもよくご存じのはずでしょう?』
『まあね……それは良く分かってるよ』
聖痕は強力な能力なのは確かだが反面に大きな危険を伴い、風の精霊の力を吸収する事で真価を発揮するこの能力は使用者の肉体に大きな負荷を与える可能性が高い。精霊を利用すれば魔法を強化する事が出来る一方、自分の限界以上の魔法の力を生み出すので制御が非常に難しい。
例えば職業的な問題を無視してレナが仮にマリアの「最上級魔法」を使用した場合、魔法の発動に成功したとしても体内の魔力を根こそぎ奪われてしまう。もしも限界以上の魔力を喪失すれば最悪の場合は死に至り、風の聖痕の場合も同じ危険性を持っている。
『聖痕を使う度に風の精霊が力を貸してくれている事は分かるけど、どうも俺の場合だと呼び寄せられる精霊の数が限られている気がする。叔母様や御婆様のように上手く扱えないというか……』
『それは仕方ないですよ。レナさんはあくまでも支援魔術師、本来は攻撃向けの魔法を覚えるのは不向きな職業です。だからレナさんはレナさんなりの方法で聖痕の力を利用してください』
『俺なりの方法……?』
『残念ながらレナさんはマリアやハヅキのように強力な魔法は生み出せません。ですけど、この二人には出来なくてレナさんだけにしか扱えない方法もあるはずです。それを考えてください』
『俺にしか出来ない、か』
アイリスの言葉にレナは右腕に宿った聖痕の力を感じ取り、自分よりも優れている魔術師のマリアやハヅキが出来ない方法で聖痕の力を使いこなす方法を考える。そして自然と頭に浮かんだのは「大剣」だった。
『……まさか、剣なのか?』
『そうです。魔術師でありながら剣を扱う人間なんてこの世界の何処を探してもレナさんぐらいしかいませんよ』
『でも、剣にどうやって聖痕の力を……』
『そこは自分自身で考えてください。正直、私が下手に口出しするよりもレナさんが考えた方が良いと思います』
『そっか……分かった、考えてみる』
『だけど、あまり時間がないので聖痕の力を早く馴染ませるように頑張ってくださいね』
現在の調子だと一週間後までアイリスと交信出来ないため、レナは自分なりの方法で聖痕を極める事を決意し、それと同時に捕まった仲間達を取り戻す方法を相談する。
『それはともかく、シズネ達はどうすればいい?城に忍び込んで救出する?』
『それは難しいですね。流石に王妃も警戒して王都の警備を強化しています。暗殺者のスキルを駆使しても忍び込むのは難しいでしょう』
『ならどうすればいい?』
『今は先に他の仲間と合流する事に専念してください。私が把握した限りの人間の現在位置と詳細を話しますので……』
アイリスと交信出来る間に転移によって散り散りになってしまった仲間達の情報をレナは教えて貰い、最後に交信を終える前に約束を行う。
『いいですかレナさん、何があろうと生き残って下さい。レナさんが一人になっても私が味方である事を忘れないでください』
『そうだったな……頼りにしてるよ天使様』
決して自分は一人ではない事をレナは認識すると、見えないはずのアイリスの姿を思い浮かべて心の中で笑顔を浮かべる。そんなレナの考えを読みとったようにアイリスは最後に一言だけ告げる。
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「……よし!!じゃあ、行こうか!!」
「えっ……ど、何処に?」
「遺跡を出るのか?」
「家に帰る?」
決意を新たにしたレナは仲間達に振り返ると、アイリスが交信を途絶える前に教えてくれた情報を頼りに行動に移る。次の目的地は既に決まっており、レナは転移門に振り返って台座に手を伸ばした。
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