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外伝 ~ヨツバ王国編~
飛剣
「うわっとと……ちょっと、飛び過ぎたな。まだ扱いなれてない戦技だからな」
「ギイイッ!!」
「おっと、それは甘い」
「ギャウッ!?」
飛剣を発動した直後に足をもつれそうになったレナの背後からゴブリンが襲いかかるが、振り返りもせずにレナは反鏡剣を振り払い、ゴブリンの首を切断する。慣れない戦技の使用のため、発動直後は隙が生まれやすい。
「ガアアッ!!」
「プギィッ!!」
「流石に数が多いな……ふんっ!!」
左右から迫りくるコボルトとオークの胴体を両手の剣で切り裂くと、レナは自分が囲まれた事に気付く。先ほどの攻撃で相当な数の魔物の注意を引いてしまったらしく、四方八方から数種類の魔物が襲いかかって来た。
「ギイイッ!!」
「ガアアッ!!」
「遅い、鈍い、弱い!!」
「ギャアッ!?」
周囲から飛び掛かってきた魔物に対して戦技を扱うまでもなくレナは切り伏せ、次々と魔物の死骸を地面に落とす。大剣を振るう度に鮮血が舞い、長剣を振りぬく度に魔物の急所が切り裂かれ、もしもここが魔の草原でなければ魔物達はレナに対して恐怖を抱いただろう。
だが、麻薬のような中毒症状を引き起こす樹肉によって魔物達は理性を失い、自分の邪魔をするレナに向けて襲い掛かるのを止めない。いくら相手が危険度の低い魔物ばかりとはいえ、数の暴力で押しかかられたら厄介な状況に陥る。
「ガアアッ!!」
「面倒だな……加速剣撃、回転!!」
『ギャアアアアッ!?』
両手に紅色の重力の魔力を迸らせたレナは剣を振り回すと、一気に魔物達を掃討し、更にこの状態で移動を行いながら切り捨てる。ひとまずは自分を取り囲んでいた魔物達を蹴散らすと、他の大樹の様子を伺うためにレナは風の聖痕を使用して周囲の状況を把握した。
「さてと……他の所も大変そうだな」
風の精霊の力を借りて魔の草原内の全ての大樹の様子を調べた所、既に他の場所でも戦闘は始まっており、代表者と選抜された冒険者達が戦闘を繰り広げていた。位置的にレナ達に最も近い大樹ではジャンヌが旋斧を構え、無数のオークの群れに対して次々と敵を切り裂く様子が見えた。
『はあああああっ!!』
『プギィイイイッ!?』
『す、凄いジャンヌさん……!!これだけの数のオークを一人で相手にするなんて!!』
『馬鹿野郎!!驚いている暇があったらさっさと死骸から素材を回収しろ!!ジャンヌさんが敵を倒している間に俺たちが1匹でも多くの素材を集めるんだ!!』
ジャンヌの方では彼女は旋斧を握り締めた状態で高速回転を行い、次々とオークの大群を蹴散らす。他の者達は彼女の援護を行いながらもジャンヌが倒した魔物の素材の回収を行い、袋詰めを行う。乱戦に置いてはジャンヌの「回転剣技」は非常に優れ、もしかしたら今回の狩猟勝負で最も警戒しなければならないのは彼女かも知れない。
『バル!!ここはどうやら外れのようだな!!大物しかやってこないぞ!?』
『ああ、もう!!なんでこんな大樹なんて選んじまったんだい!!あたしの勘も鈍ったかね!?』
『ふははっ!!久々に骨のある相手だな!!よし、全員掛かって来い!!』
『無理をするなオルドよ、また腰をやられても知らんぞ!?』
『ウガァアアアッ!!』
バルが選んだ大樹の方では数体のトロールが駆けつけ、他の魔物を薙ぎ払いながら冒険者達に襲いかかっていた。トロールは単体でも厄介にも関わらず、数匹で襲いかかられる事態に陥ったバルと年配の冒険者達は苦戦を強いられる。冷静に対処すれば大したことはない敵だが、樹肉に魅入られたトロールは無我夢中に暴れ狂い、怪我を負おうとお構いなく襲い掛かる。
『ロウガ殿!!予想よりも敵の数が多いでござるん!!』
『予想の範囲内だ!!全員、円陣を組め!!一人で突っ走るんじゃない!!』
『畜生、こいつら死ぬのが怖くねえのか!?』
『ガロ、無理をするな!!ミナ、前に出過ぎだぞ!?』
『う、うん……気を付ける!!』
『ギギィイイイッ!!』
ロウガの方では大量のゴブリンが押し寄せ、中にはホブゴブリンの姿も見えた。単体では大したことはない敵なのだが、群れを成すと非常に厄介な相手である。しかも鋼鉄の剣や鎧よりも硬くて耐久力が高いアトラス大森林の樹木から作り出した装備を身に着けているので簡単に倒す事は出来ない。レナが見た限りではこちらが最も苦戦を強いられているように見えた。
『ガンモよ!!ここを選んで正解だったな!!迫りくる魔物の数は少ないが、確実に素材を回収出来る!!』
『他の大樹に獲物を奪われているという事になるがな……だが、今は都合が良い』
『おおっ!!この調子ならば我々の勝利だ!!』
最後に牙竜のサブマスターであるガンモが率いる冒険者集団は迫りくる魔物の数が他の大樹と比べると最も少ないが、逆に言えば他の大樹と比べると余裕があり、魔物を倒す合間に素材の回収をきっかりと行う。ガンモ達は3人が魔物を倒している間に残りの2人が死骸から素材を剥ぎ取り、着実に素材を回収していた。
ジャンヌは自らが進んで魔物を倒して他の仲間に素材を回収させ、バルは大型の魔物の襲来に苦戦し、ロウガの場合は予想以上の魔物の襲撃を受けて素材を回収する余裕もなく、巨人族の戦士で構成されたガンモの冒険者集団は着実に素材を回収を行う。一見する限りでは現時点で最も素材を回収しているのはガンモ、次点でジャンヌなのは間違いなく、レナは風の聖痕の力を解除して周囲の様子を伺う。
(不味いな……こっちは素材を回収する余裕なんてないのに他の代表者はどんどん回収してる。このままだと俺達の冒険者集団がビリになりそうだ)
別に統率者の座に就きたいわけではないが、このままでは自分達が最下位で敗北してしまう事を悟ったレナはどうにか素材の回収をする方法を探す。もしも最下位で終わってしまえば他の冒険者に侮られ、そうなれば冒険者としての格が傷つく。
「ガアアッ!!」
「うおっと……赤毛熊か、こいつまで出てきたか!!」
他の大樹の様子を観察している間にも新手の魔物が出現してレナを襲い、再び魔物に取り囲まれてしまう。今度は生体の赤毛熊まで姿を現し、それを確認したレナは面倒な表情を浮かべながらも退魔刀を構えると、一撃で葬るために切り裂く。
「お前とは昔から因縁があるな……消えろっ!!」
「アガァッ!?」
子供の頃に赤毛熊に襲われ、友達のように感じていたゴブリンを失った事を思い出したレナは退魔刀を振り翳し、赤毛熊の頭部に向けて投擲する。その結果、頭部に見事に刃が突き刺さった赤毛熊に対してさらにレナは反鏡剣を握り締めて剣を振り回す。
「疾風撃!!」
最速の斬撃で赤毛熊の身体を次々と切り裂くと、既に頭部を貫かれた時点で死体と化していた赤毛熊の肉体が文字通りに「八つ裂き」にされて地面に倒れた。それを確認したレナは鼻息を鳴らしながらも退魔刀を頭部から引き抜いた時、周囲からコボルトの群れが飛び掛かって来た。
『ウォオオンッ!!』
「加速剣撃、回転!!」
『ギャインッ!?』
掌に紅色の魔力を滲ませた状態でレナは次々とコボルトを切り裂くと、更に勢いを止めずに動き続け、樹肉に食らいついていたゴブリンの群れを蹴散らす。
「だああっ!!」
『ギィアアアッ!?』
回転を継続した状態でレナはジャンヌを見習って動き続けると、次々と魔物を切り捨てていく。やっと回転の勢いを止まる頃には草原に多数の魔物の死骸が形成され、その様子を汗一つ掻かずにレナは見下ろすと、視界に新たな画面が表示された。
「ギイイッ!!」
「おっと、それは甘い」
「ギャウッ!?」
飛剣を発動した直後に足をもつれそうになったレナの背後からゴブリンが襲いかかるが、振り返りもせずにレナは反鏡剣を振り払い、ゴブリンの首を切断する。慣れない戦技の使用のため、発動直後は隙が生まれやすい。
「ガアアッ!!」
「プギィッ!!」
「流石に数が多いな……ふんっ!!」
左右から迫りくるコボルトとオークの胴体を両手の剣で切り裂くと、レナは自分が囲まれた事に気付く。先ほどの攻撃で相当な数の魔物の注意を引いてしまったらしく、四方八方から数種類の魔物が襲いかかって来た。
「ギイイッ!!」
「ガアアッ!!」
「遅い、鈍い、弱い!!」
「ギャアッ!?」
周囲から飛び掛かってきた魔物に対して戦技を扱うまでもなくレナは切り伏せ、次々と魔物の死骸を地面に落とす。大剣を振るう度に鮮血が舞い、長剣を振りぬく度に魔物の急所が切り裂かれ、もしもここが魔の草原でなければ魔物達はレナに対して恐怖を抱いただろう。
だが、麻薬のような中毒症状を引き起こす樹肉によって魔物達は理性を失い、自分の邪魔をするレナに向けて襲い掛かるのを止めない。いくら相手が危険度の低い魔物ばかりとはいえ、数の暴力で押しかかられたら厄介な状況に陥る。
「ガアアッ!!」
「面倒だな……加速剣撃、回転!!」
『ギャアアアアッ!?』
両手に紅色の重力の魔力を迸らせたレナは剣を振り回すと、一気に魔物達を掃討し、更にこの状態で移動を行いながら切り捨てる。ひとまずは自分を取り囲んでいた魔物達を蹴散らすと、他の大樹の様子を伺うためにレナは風の聖痕を使用して周囲の状況を把握した。
「さてと……他の所も大変そうだな」
風の精霊の力を借りて魔の草原内の全ての大樹の様子を調べた所、既に他の場所でも戦闘は始まっており、代表者と選抜された冒険者達が戦闘を繰り広げていた。位置的にレナ達に最も近い大樹ではジャンヌが旋斧を構え、無数のオークの群れに対して次々と敵を切り裂く様子が見えた。
『はあああああっ!!』
『プギィイイイッ!?』
『す、凄いジャンヌさん……!!これだけの数のオークを一人で相手にするなんて!!』
『馬鹿野郎!!驚いている暇があったらさっさと死骸から素材を回収しろ!!ジャンヌさんが敵を倒している間に俺たちが1匹でも多くの素材を集めるんだ!!』
ジャンヌの方では彼女は旋斧を握り締めた状態で高速回転を行い、次々とオークの大群を蹴散らす。他の者達は彼女の援護を行いながらもジャンヌが倒した魔物の素材の回収を行い、袋詰めを行う。乱戦に置いてはジャンヌの「回転剣技」は非常に優れ、もしかしたら今回の狩猟勝負で最も警戒しなければならないのは彼女かも知れない。
『バル!!ここはどうやら外れのようだな!!大物しかやってこないぞ!?』
『ああ、もう!!なんでこんな大樹なんて選んじまったんだい!!あたしの勘も鈍ったかね!?』
『ふははっ!!久々に骨のある相手だな!!よし、全員掛かって来い!!』
『無理をするなオルドよ、また腰をやられても知らんぞ!?』
『ウガァアアアッ!!』
バルが選んだ大樹の方では数体のトロールが駆けつけ、他の魔物を薙ぎ払いながら冒険者達に襲いかかっていた。トロールは単体でも厄介にも関わらず、数匹で襲いかかられる事態に陥ったバルと年配の冒険者達は苦戦を強いられる。冷静に対処すれば大したことはない敵だが、樹肉に魅入られたトロールは無我夢中に暴れ狂い、怪我を負おうとお構いなく襲い掛かる。
『ロウガ殿!!予想よりも敵の数が多いでござるん!!』
『予想の範囲内だ!!全員、円陣を組め!!一人で突っ走るんじゃない!!』
『畜生、こいつら死ぬのが怖くねえのか!?』
『ガロ、無理をするな!!ミナ、前に出過ぎだぞ!?』
『う、うん……気を付ける!!』
『ギギィイイイッ!!』
ロウガの方では大量のゴブリンが押し寄せ、中にはホブゴブリンの姿も見えた。単体では大したことはない敵なのだが、群れを成すと非常に厄介な相手である。しかも鋼鉄の剣や鎧よりも硬くて耐久力が高いアトラス大森林の樹木から作り出した装備を身に着けているので簡単に倒す事は出来ない。レナが見た限りではこちらが最も苦戦を強いられているように見えた。
『ガンモよ!!ここを選んで正解だったな!!迫りくる魔物の数は少ないが、確実に素材を回収出来る!!』
『他の大樹に獲物を奪われているという事になるがな……だが、今は都合が良い』
『おおっ!!この調子ならば我々の勝利だ!!』
最後に牙竜のサブマスターであるガンモが率いる冒険者集団は迫りくる魔物の数が他の大樹と比べると最も少ないが、逆に言えば他の大樹と比べると余裕があり、魔物を倒す合間に素材の回収をきっかりと行う。ガンモ達は3人が魔物を倒している間に残りの2人が死骸から素材を剥ぎ取り、着実に素材を回収していた。
ジャンヌは自らが進んで魔物を倒して他の仲間に素材を回収させ、バルは大型の魔物の襲来に苦戦し、ロウガの場合は予想以上の魔物の襲撃を受けて素材を回収する余裕もなく、巨人族の戦士で構成されたガンモの冒険者集団は着実に素材を回収を行う。一見する限りでは現時点で最も素材を回収しているのはガンモ、次点でジャンヌなのは間違いなく、レナは風の聖痕の力を解除して周囲の様子を伺う。
(不味いな……こっちは素材を回収する余裕なんてないのに他の代表者はどんどん回収してる。このままだと俺達の冒険者集団がビリになりそうだ)
別に統率者の座に就きたいわけではないが、このままでは自分達が最下位で敗北してしまう事を悟ったレナはどうにか素材の回収をする方法を探す。もしも最下位で終わってしまえば他の冒険者に侮られ、そうなれば冒険者としての格が傷つく。
「ガアアッ!!」
「うおっと……赤毛熊か、こいつまで出てきたか!!」
他の大樹の様子を観察している間にも新手の魔物が出現してレナを襲い、再び魔物に取り囲まれてしまう。今度は生体の赤毛熊まで姿を現し、それを確認したレナは面倒な表情を浮かべながらも退魔刀を構えると、一撃で葬るために切り裂く。
「お前とは昔から因縁があるな……消えろっ!!」
「アガァッ!?」
子供の頃に赤毛熊に襲われ、友達のように感じていたゴブリンを失った事を思い出したレナは退魔刀を振り翳し、赤毛熊の頭部に向けて投擲する。その結果、頭部に見事に刃が突き刺さった赤毛熊に対してさらにレナは反鏡剣を握り締めて剣を振り回す。
「疾風撃!!」
最速の斬撃で赤毛熊の身体を次々と切り裂くと、既に頭部を貫かれた時点で死体と化していた赤毛熊の肉体が文字通りに「八つ裂き」にされて地面に倒れた。それを確認したレナは鼻息を鳴らしながらも退魔刀を頭部から引き抜いた時、周囲からコボルトの群れが飛び掛かって来た。
『ウォオオンッ!!』
「加速剣撃、回転!!」
『ギャインッ!?』
掌に紅色の魔力を滲ませた状態でレナは次々とコボルトを切り裂くと、更に勢いを止めずに動き続け、樹肉に食らいついていたゴブリンの群れを蹴散らす。
「だああっ!!」
『ギィアアアッ!?』
回転を継続した状態でレナはジャンヌを見習って動き続けると、次々と魔物を切り捨てていく。やっと回転の勢いを止まる頃には草原に多数の魔物の死骸が形成され、その様子を汗一つ掻かずにレナは見下ろすと、視界に新たな画面が表示された。
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