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外伝 ~ヨツバ王国編~
剣舞の習得
『複合戦技「剣舞」の習得条件を満たしました』
「何だ?習得……条件」
レナは視界に表示された画面に疑問を覚え、これまでにスキルを習得した際に表示されるステータス画面だったが、今回の場合は何故か「習得」ではなく「習得条件」という文字が表示されていた。これまでにスキルを覚えた時は「習得」という文字しか表示されていなかったにも関わらず、今回の「剣舞」に関しては「条件」という文字が追加されていた。
剣舞という複合戦技に関してはレナも覚えがあり、かつて母親のアイラが使用した姿を見かけたことがある。まるで舞のように剣を薙ぎ払い、あらゆる方向に剣を振り払いながら移動を行う戦技で間違いはない。アイラが最も得意とする戦技であり、彼女はこの剣舞を覚えた事で「剣姫」と呼ばれるようになったという。
「とにかく、発動してみるか……おっと」
「ガアアッ!!」
背後から襲いかかって来たコボルトに対してレナは身体を横にそらして回避すると、覚えた手の「剣舞」という戦技を発動させようとした。実戦で初めて扱う戦技を使用する事に不安はあるが、まずは戦技の詳細を知るために剣舞を発動させる。
「剣舞……あれ?」
「ガアッ……!?」
「ちょ、何してんだよレナ!?何で止まってるんだ!?」
背中を見せたコボルトに対してレナは剣舞の戦技を発動させようとしたが、普段ならば身体が動いて特定の動作を行うのに対し、今回の場合は戦技を身体が動く気配がない。だが、感覚的にレナは戦技を発動させているという自覚はあり、実際に体力を消耗する感覚に陥っていた。
(何だ?どうして身体が動かないんだ……いや、俺が動かしていないだけか?)
これまでのレナが覚えた戦技は「兜割り」ならば上段から剣を振り下ろし、他の「旋風」や「回転」などの場合は横薙ぎに剣を振り払う動作を自然に行う。だが「一刀両断」のような特別な戦技の場合はレナが切り裂きたい方向に向けて剣を振りぬくため、恐らく新しく覚えた「剣舞」に関しても同様に自分の攻撃したい方向に剣を繰り出す類の戦技だと気づく。
(なら、この状態で攻撃すればいいのか……うわっ!?)
レナはコボルトに向けて剣を振り払おうとすると、普段よりも凄まじい速度で剣を振り払い、一瞬にしてコボルトの首と胴体、更には両腕を切り裂く。そのあまりの速度に他の人間から見たらレナが一太刀でコボルトをバラバラに切り裂いたようにしか見えず、ダインが驚きの声を上げる。
「うわっ!?な、何だ今の……そんなに凄い技を覚えてたならもっと早く使えよレナ!?」
「いや、そういう訳でもないんだけど……あいてっ!?」
「え、どうしたんだレナ!?まさか、やられたのか!?」
「……平気だよ、腕をちょっと痛めただけ」
剣舞の戦技が解除された瞬間、レナは右腕に軽い痛みを覚えて左手で抑える。レナは回復超強化の魔法を施して痛みを和らげると、すぐに腕が痛んだ理由を悟る。
(なるほど、これが剣舞の影響か……多分、この戦技は高速移動で剣を切り裂く戦技なんだ)
先ほどのコボルトに攻撃を仕掛けた際、レナは「疾風撃」以上の速度で剣を振りぬき、コボルトに数回の斬撃を与えた。しかし、その事が原因で身体に大きな負荷を与えたらしく、だから腕が痛んだと考えられた。
(この戦技の特徴が分かって来たぞ……発動中は高速移動が出来るけど、解除すると一気に負担が襲いかかるのか。となると使い道が難しいな……一刀両断のように連発には不向きな戦技かもしれない)
剣舞の発動状態ではレナが「剣鬼」の能力を完全に発動した時のように高速移動が行えるようだが、あまりにも早く動きすぎると肉体に大きな負荷を与え、解除後に隙を生んでしまう。しかも発動時間は5秒程度なので短く、連続で発動する事も難しい。
一刀両断が「一撃必殺」の戦技だとすれば剣舞は「高速移動」に特化した戦技らしく、使い道を謝れば自分を窮地に追い詰める可能性が高い「諸刃の剣」ならぬ「諸刃の剣技」と言える。逆に言えば使い方を正しく扱えば大きな力となる戦技である事は間違いなく、レナは迫りくる魔物の様子を観察しながら剣を構える。
(落ち着け、母上の動作を思い出すんだ……母上が剣舞を使用した時はこんな風に身体を痛めている様子はなかった。体力は消耗していたようだけど、母上は見事に使いこなしていた)
魔物と戦闘を繰り広げながらもレナはアイラが「剣舞」を発動していた時の事を思い返し、自分と母親の剣技の違いを考察する。
(剣舞……剣、舞……舞う?舞う様に斬るから剣舞なのか?そういえば母上の剣舞は身体の動作に無駄がなかった気がする……あれほど激しく動いていたのに隙がなかった)
考えながらもレナは剣を振る事を忘れず、自分に襲いかかって来た魔物達を切り伏せ、冷静に周囲の状況を伺う。考え事をしながら戦う事は深淵の森に居た頃から慣れているため、戦闘を続け続けながらもレナはある結論を導く。
(隙が無い……つまり、動作に無駄がないという事か?母上の場合は舞うように剣を振っていたけど、実はあれは無駄を省いた動作をした結果、まるで舞うように動いていたんじゃないのか?)
剣舞の言葉通りにアイラは美しく舞う様に剣を振るっていた事を思い出したレナは両手の剣に視線を向け、試しに自分がアイラと同じように舞う様に相手を切り裂けないのかを試す。
「剣舞!!」
「ガアッ!?」
「ギギイッ!?」
戦技を発動させたレナは両手の剣を振り払い、左右に立っていたゴブリンとコボルトの首を切断する。それだけには留まらず、足元を意識して身体を回転させながら正面から襲いかかろうとしたオークの胴体を切り裂く。
「はああっ!!」
「プギィッ……!?」
オークの胴体に鮮血が舞い、身体をねじれさせながら剣を振りぬいたレナは立ち止まると、戦技が解除された。その直後にレナの腕と足の手首に軽い痛みが走り、同時に3体の魔物の死骸が地面に倒れ込む。
「つうっ……駄目か、でも最初の時よりは痛みも小さいな」
痛みを我慢しながらもレナは自分の考察通りに「剣舞」の戦技の本質を見抜き、習得条件を満たしたという画面の文章に納得する。この剣技に関しては戦技として発動する事が出来ても剣の技量がなければ扱える戦技ではなく、完全に剣舞を扱えるようにならなければ完成とは言えない。
幸いにもアイラの剣舞を見て居た事で剣舞の本質に気付く事が出来たレナは笑みを浮かべ、この剣技を完全に扱いこなせるようになった時、自分は更に強くなれると確信した。久方ぶりに自分が成長したという実感を覚えたレナは魔物達に視線を向け、練習相手には事欠かない事を知る。
「丁度いい……ゴンちゃん!!咆哮の戦技を使って!!」
「何!?いいのか?」
「ああ、問題ない!!エリナとコトミンはゴンちゃんの援護、ダインは魔物の死骸から素材の回収を初めて!!」
「お、おう!!」
「了解っす!!」
「分かった。スラミンも頑張る」
「ぷるるんっ!!」
レナの言葉に仲間達は即座に反応し、まずは最初にゴンゾウが大声を上げて周囲の魔物達の注意を引く。
「うおおおおおおっ!!」
『ッ……!?』
ゴンゾウの咆哮を耳にした魔物達は彼に視線を向け、その声を挑発と受け止めるとゴンゾウを標的として認識し、魔物の大群が迫りくる。
『ガアアアアッ!!』
『プギィイイッ!!』
『ギイイイイッ!!』
コボルト、オーク、ゴブリンの3種類の大群がゴンゾウに向けて迫りくると、彼を守るように他の仲間達が動き、レナは正面から魔物の大群に向けて剣を構えた。
「何だ?習得……条件」
レナは視界に表示された画面に疑問を覚え、これまでにスキルを習得した際に表示されるステータス画面だったが、今回の場合は何故か「習得」ではなく「習得条件」という文字が表示されていた。これまでにスキルを覚えた時は「習得」という文字しか表示されていなかったにも関わらず、今回の「剣舞」に関しては「条件」という文字が追加されていた。
剣舞という複合戦技に関してはレナも覚えがあり、かつて母親のアイラが使用した姿を見かけたことがある。まるで舞のように剣を薙ぎ払い、あらゆる方向に剣を振り払いながら移動を行う戦技で間違いはない。アイラが最も得意とする戦技であり、彼女はこの剣舞を覚えた事で「剣姫」と呼ばれるようになったという。
「とにかく、発動してみるか……おっと」
「ガアアッ!!」
背後から襲いかかって来たコボルトに対してレナは身体を横にそらして回避すると、覚えた手の「剣舞」という戦技を発動させようとした。実戦で初めて扱う戦技を使用する事に不安はあるが、まずは戦技の詳細を知るために剣舞を発動させる。
「剣舞……あれ?」
「ガアッ……!?」
「ちょ、何してんだよレナ!?何で止まってるんだ!?」
背中を見せたコボルトに対してレナは剣舞の戦技を発動させようとしたが、普段ならば身体が動いて特定の動作を行うのに対し、今回の場合は戦技を身体が動く気配がない。だが、感覚的にレナは戦技を発動させているという自覚はあり、実際に体力を消耗する感覚に陥っていた。
(何だ?どうして身体が動かないんだ……いや、俺が動かしていないだけか?)
これまでのレナが覚えた戦技は「兜割り」ならば上段から剣を振り下ろし、他の「旋風」や「回転」などの場合は横薙ぎに剣を振り払う動作を自然に行う。だが「一刀両断」のような特別な戦技の場合はレナが切り裂きたい方向に向けて剣を振りぬくため、恐らく新しく覚えた「剣舞」に関しても同様に自分の攻撃したい方向に剣を繰り出す類の戦技だと気づく。
(なら、この状態で攻撃すればいいのか……うわっ!?)
レナはコボルトに向けて剣を振り払おうとすると、普段よりも凄まじい速度で剣を振り払い、一瞬にしてコボルトの首と胴体、更には両腕を切り裂く。そのあまりの速度に他の人間から見たらレナが一太刀でコボルトをバラバラに切り裂いたようにしか見えず、ダインが驚きの声を上げる。
「うわっ!?な、何だ今の……そんなに凄い技を覚えてたならもっと早く使えよレナ!?」
「いや、そういう訳でもないんだけど……あいてっ!?」
「え、どうしたんだレナ!?まさか、やられたのか!?」
「……平気だよ、腕をちょっと痛めただけ」
剣舞の戦技が解除された瞬間、レナは右腕に軽い痛みを覚えて左手で抑える。レナは回復超強化の魔法を施して痛みを和らげると、すぐに腕が痛んだ理由を悟る。
(なるほど、これが剣舞の影響か……多分、この戦技は高速移動で剣を切り裂く戦技なんだ)
先ほどのコボルトに攻撃を仕掛けた際、レナは「疾風撃」以上の速度で剣を振りぬき、コボルトに数回の斬撃を与えた。しかし、その事が原因で身体に大きな負荷を与えたらしく、だから腕が痛んだと考えられた。
(この戦技の特徴が分かって来たぞ……発動中は高速移動が出来るけど、解除すると一気に負担が襲いかかるのか。となると使い道が難しいな……一刀両断のように連発には不向きな戦技かもしれない)
剣舞の発動状態ではレナが「剣鬼」の能力を完全に発動した時のように高速移動が行えるようだが、あまりにも早く動きすぎると肉体に大きな負荷を与え、解除後に隙を生んでしまう。しかも発動時間は5秒程度なので短く、連続で発動する事も難しい。
一刀両断が「一撃必殺」の戦技だとすれば剣舞は「高速移動」に特化した戦技らしく、使い道を謝れば自分を窮地に追い詰める可能性が高い「諸刃の剣」ならぬ「諸刃の剣技」と言える。逆に言えば使い方を正しく扱えば大きな力となる戦技である事は間違いなく、レナは迫りくる魔物の様子を観察しながら剣を構える。
(落ち着け、母上の動作を思い出すんだ……母上が剣舞を使用した時はこんな風に身体を痛めている様子はなかった。体力は消耗していたようだけど、母上は見事に使いこなしていた)
魔物と戦闘を繰り広げながらもレナはアイラが「剣舞」を発動していた時の事を思い返し、自分と母親の剣技の違いを考察する。
(剣舞……剣、舞……舞う?舞う様に斬るから剣舞なのか?そういえば母上の剣舞は身体の動作に無駄がなかった気がする……あれほど激しく動いていたのに隙がなかった)
考えながらもレナは剣を振る事を忘れず、自分に襲いかかって来た魔物達を切り伏せ、冷静に周囲の状況を伺う。考え事をしながら戦う事は深淵の森に居た頃から慣れているため、戦闘を続け続けながらもレナはある結論を導く。
(隙が無い……つまり、動作に無駄がないという事か?母上の場合は舞うように剣を振っていたけど、実はあれは無駄を省いた動作をした結果、まるで舞うように動いていたんじゃないのか?)
剣舞の言葉通りにアイラは美しく舞う様に剣を振るっていた事を思い出したレナは両手の剣に視線を向け、試しに自分がアイラと同じように舞う様に相手を切り裂けないのかを試す。
「剣舞!!」
「ガアッ!?」
「ギギイッ!?」
戦技を発動させたレナは両手の剣を振り払い、左右に立っていたゴブリンとコボルトの首を切断する。それだけには留まらず、足元を意識して身体を回転させながら正面から襲いかかろうとしたオークの胴体を切り裂く。
「はああっ!!」
「プギィッ……!?」
オークの胴体に鮮血が舞い、身体をねじれさせながら剣を振りぬいたレナは立ち止まると、戦技が解除された。その直後にレナの腕と足の手首に軽い痛みが走り、同時に3体の魔物の死骸が地面に倒れ込む。
「つうっ……駄目か、でも最初の時よりは痛みも小さいな」
痛みを我慢しながらもレナは自分の考察通りに「剣舞」の戦技の本質を見抜き、習得条件を満たしたという画面の文章に納得する。この剣技に関しては戦技として発動する事が出来ても剣の技量がなければ扱える戦技ではなく、完全に剣舞を扱えるようにならなければ完成とは言えない。
幸いにもアイラの剣舞を見て居た事で剣舞の本質に気付く事が出来たレナは笑みを浮かべ、この剣技を完全に扱いこなせるようになった時、自分は更に強くなれると確信した。久方ぶりに自分が成長したという実感を覚えたレナは魔物達に視線を向け、練習相手には事欠かない事を知る。
「丁度いい……ゴンちゃん!!咆哮の戦技を使って!!」
「何!?いいのか?」
「ああ、問題ない!!エリナとコトミンはゴンちゃんの援護、ダインは魔物の死骸から素材の回収を初めて!!」
「お、おう!!」
「了解っす!!」
「分かった。スラミンも頑張る」
「ぷるるんっ!!」
レナの言葉に仲間達は即座に反応し、まずは最初にゴンゾウが大声を上げて周囲の魔物達の注意を引く。
「うおおおおおおっ!!」
『ッ……!?』
ゴンゾウの咆哮を耳にした魔物達は彼に視線を向け、その声を挑発と受け止めるとゴンゾウを標的として認識し、魔物の大群が迫りくる。
『ガアアアアッ!!』
『プギィイイッ!!』
『ギイイイイッ!!』
コボルト、オーク、ゴブリンの3種類の大群がゴンゾウに向けて迫りくると、彼を守るように他の仲間達が動き、レナは正面から魔物の大群に向けて剣を構えた。
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