不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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S級冒険者編

高レベルの難点 ※タイトル修正 文章も追加しました

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「そういえばミナがここに戻っていたわね。レナも知っているでしょう?あの子なら力になれると思うわ」
『おお、ミナさんですか。私も面識がありますし、彼女なら足手まといにはなりませんよ』
「そう、それなら都合がいいわね」
「でも、ミナを連れて行くと他の二人が騒ぐんじゃ……特にガロ君が」


ミナはガロとモリモという男性二人組と冒険者集団を組んでおり、氷雨のA級の冒険者として活躍している。剣聖を除けば氷雨の冒険者の中でも指折りの実力者である事は間違いないのだが、その彼女と組んでいるガロはレナの事を嫌っていた。

ガロがレナを嫌う理由はミナが関わっており、端的に言えばガロはミナに惚れていた。だが、そのミナはレナに気がある素振りを行うのでガロとしては気に入らず、レナを目の仇にしている。ちなみにモリモはガロとは長い付き合いなので彼の味方をしているが、特にレナに敵対視しているわけではない。


「ガロとモリモを連れて行く事に不都合があるというの?」
『その二人に関しては私は面識がありませんからね、出来ればミナさんだけに協力を申し込みたいんですけど……』
「そう、なら私の方で上手く誤魔化すわ。女性の依頼人がミナだけに依頼を申し込みたいという体裁ならガロとモリモも文句は言わないでしょうしね」
「ありがとう、叔母様。どうも俺はガロ君に嫌われているみたいで……」
「それは仕方ないわね、それよりもレナ。貴方の所にいるティナは大迷宮へ連れて行くのは駄目よ。あんな危険な場所にヨツバ王国の後継者候補を送り込む事は私の立場的にもまずいわ」
「まあ、そうなるよね……となるとティナとエリナは参加不可能か」


ハヅキ家の当主という立場上、マリアは表向きはヨツバ王国に従う立場となり、当然だが将来の国王候補であえるティナを危険な目に遭わせるわけにはいかない。彼女には悪いが護衛役であるエリナと共々ここへ残して逝かなければならない。

今回の遠征でレナが同行を考えているのはシズネ、コトミン、ミナの3名、後はゴンゾウとダインが戻っていれば二人を誘うつもりだった。ホネミンを加えれば前回に大迷宮に挑んだ時と同じ面子が集まる事になるが、今回はウルたちは連れ出せかった。


「大迷宮に挑むとなるとウル達は連れて行けないな……」


大迷宮の内部には外からの魔物が入り込む事は出来ず、ウルは連れて行く事は出来ない。スラミンとヒトミンに関しても同様なので3匹の世話は留守番役のティナに任せる事に決めた。ティナも3匹は大好きなので喜んで世話を行うだろうが、問題があるとすれば彼女の面倒をエリナに押し付ける事だった。


「叔母様、悪いけどティナの面倒もお願いできるかな?あの子、結構見ていない所で無茶したりするから」
「仕方がないわね……分かった。でも、面倒を見るのは一週間だけよ。それまでに戻ってきなさい」
『大丈夫ですよ、今回は白竜に挑む必要もありませんし、レナさん達が居れば等の大迷宮なんてちょちょっと解決しますよ!!』
「……まあ、レナがいるなら大丈夫だと思うけど油断はしない事ね」


先日の九尾との戦闘で見せつけたレナの力の事を思い返したマリアは、確かに今のレナならば塔の大迷宮だろうと難なく踏破する実力を持っているだろうと判断した。だが、大迷宮という場所は非常に危険な場所のため、決して油断だけはしないように注意を行う。


「そういえば叔母様、カゲマルとハンゾウは何処?まだ任務中なの?」
「あの二人は里帰り中よ。前に和国で貴方が黒鉄組の不正を暴いた事があったでしょう?そこで今は和国の警備体制に関して見直しがされるそうよ。二人には和国の動向を調べるために里帰りさせたのよ」
「ああ、そういえばそんな事もあったな……」
『ほほう、和国ですか。それは日の国の事ですよね?懐かしいですね~』


ホネミンはレナ達の会話を聞いて「和国」という単語に反応し、彼女によると和国はかつて「日の国」と呼ばれていたという。和国と改名されたのはこの数百年の間らしく、何かと召喚された勇者と縁が深い国らしい。


「それよりもレナ、貴方が持っている九尾の経験石はどうしたの?」
「異空間に放り込んで保管してるけど……」
「そう、なら安心ね。竜種級の力を誇る魔獣の経験石の存在が知られたら面倒な事になるわ。その経験石は誰にも渡さないように大切に保管しておきなさい」
「分かった」


九尾の経験石は普段はレナが空間魔法で異空間に預けているため、必要な時に取りだす事が出来る。相当な価値が存在する代物なのだが、今現在は使い道がないので保管するしかない状況だった。今後、カイが所有していた火竜の経験石のように使い道があるかもしれないので保管はしているが、今のレナはもうレベルが80を超えているのでレベルを不用意に上げる必要はない。


(レベルが上がり過ぎた時に日常生活を送るのに慣れるのが大変だったからな……)


まだレベルが上がったばかりの頃、レナは身体能力が上昇し過ぎたせいで上手く力加減が行えず、ありとあらゆる物を壊した事を思い出す。そもそも不用意にレベルを上げれば強くなれる物でもないため、今の所は他に使い道があるかもしれないので九尾の経験石は保管していた。


「じゃあ、叔母様。準備もあるからもう行くね」
「ええ、今度来るときは仕事の話ではなく遊びに来なさい」
「分かった。ハンゾウとカゲマルが戻ってきたらよろしく言っておいて~」


レナはマリアに別れを告げて部屋を退室すると、残されたマリアは机の上の紅茶を口に含み、とある事を思い出す。


「……そういえばあの件を伝え忘れていたわね。まあ、別に戻ってきてから話してもいいでしょう」


マリアは机の上に置かれた手紙を思い出し、差出人は「ナオ」の名前が刻まれ、マリア宛に手紙が届いていた事をレナに伝えるのを忘れていた事を思い出す。手紙の内容はマリアというよりもレナに対しての頼み事が記されていたが、別に急用というわけでもないので時間があればレナに伝えてほしいという文章だった。


「闘技祭の再開、及び元大将軍のカノンの釈放の相談ね……あの女王様も色々と苦労してそうね」


手紙の内容を再確認しながらもマリアは窓の外に視線を向け、近い将来にこの都市にて大きな催しが行われる事を彼女は予感した。
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