不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

文字の大きさ
901 / 2,091
S級冒険者編

塔の大迷宮の攻略

しおりを挟む
――その後、牙竜のギルドに立ち寄ったレナはダインとゴンゾウに話を伝え、ミナの方はマリアから連絡を受けて快く承諾してくれたため、今回は皆で一緒に向かう事が決まる。また、ホネミンの場合はプルミンも連れて行けないので世話をティナに任せ、全員の準備が整うと転移魔法陣で塔の大迷宮に向かう前に先に「ガイラ」の街へ向かう。

マリアに頼んで冒険都市から転移魔法陣で塔の大迷宮を往復するわけにもいかず、塔の大迷宮から最も近い街を拠点にしてレナ達は塔の大迷宮の攻略を目指す。ちなみに今回の宿屋も前回に訪れた時に利用した「白猫宿屋」の世話になる。


「この面子で一緒に冒険するのも久しぶりな気がするな」
「そうだね、僕もレナ君と一緒にまた冒険できて嬉しいよ」
「レナ君、ね。つまり私達ではなくレナと一緒でいられるのが嬉しいのかしら?」
「えっ!?ち、違うよ!?シズネさん達とも一緒に居られるのも嬉しいよ!?」
「シズネ、嫉妬は駄目。レナはもう私とティナの物」
「私はそんな政略結婚は認めるつもりはないわよ!!」
「政略結婚って……まあ、あながち間違ってはいないかな?」


レナがティナとコトミンと結婚したのはあくまでも西聖将の顔を立てるためであり、本人たちの意思で決めたわけではない。だが、結婚した事は事実なので今でもティナもコトミンも妻として振舞う。その事がシズネはあまり気に入らないが、事情を知っているだけに仕方ない事だとは理解していた。

それでも想い人であるレナが自分以外の人間と結婚したと知れば彼女の気持ちも穏やかではなく、最近ではレナの家に完全に住み着いてしまっている。その事に関してはレナもティナもコトミンも気にしておらず、むしろ仲良く暮らしていた。


「シズネ、レナの愛人枠なら空いてる」
「な、何の話よ……というか、愛人なんて駄目に決まってるでしょ!!」
「なら、ミナに譲る?」
「えっ!?ぼ、僕?僕がレナ君の愛人に……えへへっ」
「何で貴女も照れてるのよ!!というか、それで満足するの貴女!?」
「あの、お客さん……もうちょっと静かにしてくれませんかね?」


現在のレナ達は塔の大迷宮に向かう馬車に乗り込んでおり、今回は前の時と違って馬車の御者は「カイ」ではなく、偶然にも居合わせた馬車にレナ達は乗せてもらった。馬車に揺られながら塔の大迷宮を目指していると、レナはカイの事を思い出さずにはいられず、自分が強くなったのは彼のお陰だと思っていた。


(……後でカイさんの墓参りに行こう)


カイのお陰でレナは現在の剣士でさえも殆ど習得には至らない「一刀両断」の戦技を覚える事が出来たため、カイに対して恩義を感じていた。だが、そのカイはレナに戦技を授けた後に亡くなってしまい、現在は彼の家に墓が存在する。大迷宮へ挑んだ後はカイの墓参りを行う事を決めたレナは一刻も早く迷宮の攻略を行う事を誓う――





――それからしばらく時間が経過した後、特に問題なく塔の大迷宮へと辿り着いたレナ達は一気に第四階層から挑み、魔物達を蹴散らしながら先へ進む。


「兜砕きっ!!」
「金剛撃っ!!」
「刺突っ!!」
「螺旋槍!!」
『ギィアアアアッ!?』


煉瓦で構成された迷宮内にてレナ達はホブゴブリンの大群を蹴散らし、圧倒的な戦力で次々と魔物を倒しながら探索を続ける。かつては手こずった大迷宮の魔物達も、成長したレナ達の敵ではなかった。


『おおっ!!流石にこの面子だと探索も楽ですね~』
「呑気に話してないでお前も戦えよ!?」
「ダイン、後ろからブロックゴーレムが現れた」
「うおおおっ!?またこいつかぁっ!?」
『ゴォオオオッ!!』


煉瓦の壁に擬態していたブロックゴーレムが姿を現すと、コトミンが水筒の水を利用し、ダインも影魔法の準備を行う。


「水弾」
「シャドウ・バインド!!」
『ゴアッ……!?』


先にコトミンが水筒の水を掌に納めた状態でブロックゴーレムの顔面に叩きつけると、ブロックゴーレムは視界を奪われて怯み、その隙にダインが影魔法で拘束を行う。見事な連携で厄介なブロックゴーレムを封じた二人に対し、近くに存在したレナが退魔刀を振り翳してブロックゴーレムを粉砕した。


「二人とも下がってて!!ふんっ!!」
『ゴガァアアアッ!?』


戦技さえも使用せずにレナは片手で退魔刀を振りぬくとブロックゴーレムの頭部に強烈な斬撃を与え、粉々に破壊を行う。その様子を見て驚いたのはホネミンであり、以前に会った時よりも格段に強くなっているレナに彼女は戸惑う。


『ちょっ!?今、戦技も使いませんでしたよね!?どんだけ強くなってるんですかレナさん!!』
「こんな奴等、フェンリルや火竜や九尾と比べるとどうってことないよ」
『いや、比較対象がおかしすぎません!?』
「そういう常識はもうレナには通じないんだよ……今のこいつにとってはブロックゴーレムなんてもうただのゴブリンと大差ないんだろ」


レナの言葉にホネミンが珍しく突っ込むが、そんなレナに対してダインが半ば呆れながら答えた。
しおりを挟む
感想 5,095

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

霜月雹花
ファンタジー
 神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。  神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。 書籍8巻11月24日発売します。 漫画版2巻まで発売中。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。