不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

文字の大きさ
1,015 / 2,091
真・闘技祭 予選編

3人の大剣剣士

しおりを挟む
『ちょっと待て、それはずるいぞ!!吾輩がレナと戦うのだ、お主の方こそ魔物を倒して本選に勝ち進めばいいであろう!!』
「何を馬鹿な事を……我が国が確実に勝利するためにはこの王子は真っ先に倒さねばならん。だからこそ俺がこの王子を倒すのだ」


他の六聖将からレナの強さを伺っていたクレナイは、レナこそが闘技祭に出場する選手の中で最も危険な存在だと判断し、自分が出向いて真っ先に彼を倒すために訪れた。レナを倒すか、あるいは本選に出場させなければ一気にヨツバ王国側の選手が優勝する可能性が高まると判断したクレナイはゴウライの代わりに戦おうとした。

だが、ゴウライとしては折角の勝負の間に割って入り、自分よりも先にレナと戦おうとするクレナイの行動に我慢できなかった。彼女もレナがどれほどの強いのかは知りつくし、今の彼女が最も戦いたい相手でもある。


『いや、それは許さんぞ!!レナと戦うのは吾輩だ、お主の方こそ邪魔だから帰れっ!!』
「なっ……子供か貴様は!!いいからお前の方こそ先に行け、これ以上に煩わせるな!!」
『何だとっ!!』
「やる気かっ!?」


クレナイは自分のいう事を聞かないゴウライに苛立ちを抱き、一方でゴウライの方も獲物を横取りしようとするクレナイに怒りを露にするが、言い争う二人に対して都市の各地に配置されている大会の運営側に派遣された警備兵が話しかける。


「あの~……よろしいでしょうか?」
『「なんだっ!?」』
「ひいっ!?いえ、あの……御二人が言い争っている間にレナ選手は行かれてしまいましたが……」
『「なにぃっ!?」』


二人は振り返ると、いつの間にかレナの姿が消えている事に気付き、慌てて姿を探す。しかし、既にレナは「隠密」の技能を使用して二人が言い争っている間に気づかれないようにその場を離れ、既に別の地区にまで移動していた――





――予選の序盤で参加者の中でもトップクラスの二人の剣士を相手にするところだったレナだが、どうにか逃げ遂せ事に安堵すると、大きな建物の屋上から周囲の様子を伺う。今のところは魔物の姿は見つからず、他の参加者とも遭遇していない。


(ふうっ……まさか、いきなりゴウライとクレナイと出くわすとは思わなかったな。危うく、大剣剣士同士の最強決定戦が始まるところだった)


レナとしては本選に出場する前にゴウライやクレナイなどの強敵と戦うなど冗談ではなく、早急に二人が追いかけてくる前に予選を突破するため、レナは風の聖痕を利用して風の精霊の力を借りて魔物の居場所を探す。


『風の精霊よ』


かつてアリアが精霊魔法を使用した時のことを思い浮かべ、レナは彼女に習って腕を伸ばす。その途端、右腕に宿した風の聖痕が光り輝き、周囲に存在した風の精霊が集う。そして精霊の力を借りて周囲一帯の状況を調べようとした時、即座にレナは違和感を感じ取った。

聖痕を発動した瞬間、唐突に奇妙な疼きを感じ取り、この感覚はレミアやダインが傍に存在するときも同じような感覚だった。二人が魔法を発動した際、聖痕同士が反応する事はレナも気づいていた。そして自分の近くには聖痕の所有者が存在する事に気付く。


『叔母様の話だとゴウライは地属性の聖痕の所有者だといってたけど……そういえばホムラも火属性の聖痕の所有者だといっていたな』


現時点で判明しているの聖痕の所有者は「レナ(風属性の聖痕)」「ホムラ(火属性の聖痕)」「ゴウライ(地属性の聖痕)」「レミア(聖属性の聖痕)」「ダイン(闇属性の聖痕)」の5名だけである。水属性と雷属性の聖痕の所有者だけは判明しおらず、そもそも現代の時代に聖痕の所有者に相応しい人物が存在するのかも判明していない。

マリアの推測では聖痕の所有者は一定の魔力を所有した人間にしか宿る事はなく、聖痕の所有者に相応しき人物がいない場合は聖痕が発現する事はない。しかし、レナが風の聖痕を発動した瞬間、今までにないほどに聖痕が疼きだし、都市内に複数の聖痕の反応を確認した。


(何だ、この感じ……聖痕が熱い!?)


これまでに聖痕が疼く事は何度かあったが、その中でも今回の反応は特に強く、レナは右腕を抑えて意識を集中させる。風の精霊の力を借りてレナは周辺一帯どころか冒険都市全域を調査した結果、都市内に確かに「6」の聖痕の反応を確認した。


(聖痕の所有者が……全員集まっているのか!?)


感じ取れる聖痕の反応が6ならばレナの聖痕を含めれば合計で7個となり、全ての聖痕の所有者が既に都市内に集まっている事が判明する。今までは確認が取れなかった水属性と雷属性の所有者も既に都市内に存在するという事実にレナは驚き、いったい何者なのかと確かめたようと考える。

闘技祭の事を考えれば魔物を見つけ出して素材を剥ぎ取り、本選に出場するのが最優先事項だとはレナも理解している。だが、どうしても聖痕の所有者が気になったレナはとりあえずは一番近くに存在する聖痕の所有者の確認に向かおうとした時、何処からか矢が放たれてきた。
しおりを挟む
感想 5,095

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

霜月雹花
ファンタジー
 神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。  神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。 書籍8巻11月24日発売します。 漫画版2巻まで発売中。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。