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真・闘技祭 本選編

緑の組 《ゴウライ、ダイン、シェル、イリア》

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『――さあ、いよいよ二回戦も最終試合です!!これに勝ち残った選手が決勝戦へ上がれます!!』
『ドキドキしてきましたね!!やはり本命はゴウライ選手でしょうか?』
『どうですかね、では皆さん準備は良いですか!?』


試合場に4人の選手が集まり、その中でもやはり注目を浴びていたのは今大会の剣士の中でも「最強」と謳われるゴウライだった。誰もがゴウライの勝利を予想し、彼女が腕を振るうと観衆も盛り上がる。


『うおおおおっ!!遂に吾輩の出番か!!』
「ゴウライ、てめえこんな所で負けるんじゃねえぞ!!」
「氷雨の誇りを賭けて勝ち残れ!!」
「ダインも頑張れ!!負けるな!!」
「ぷるる~ん(やっちまえっ!!)」


声援の中にはスラミンを頭に乗せたレナも存在し、その様子を見てダインは苦笑いを浮かべるしかなかった。ダインがこの大会に参加した理由は半ばマリアに強制的に参加させられたような物だが、理由の中にはレナの手助けも含まれている。


(こうなったらやってやる!!とにかく、こいつを倒せばいいんだ!!)


ゴウライに視線を向けた後、ダインは他の二人に振り返るとどちらも頷く。ゴウライが動き出す前に最初の攻撃で仕留めなければならず、これまでの傾向からゴウライは戦闘を楽しむために最初から本気を出すことはない。

杖を握りしめながらもダインは精神を集中させ、辛かった修行の日々を思い出す。何度も死にかけたが、それでも彼はここまで生き延びるてきた。ゴウライは確かに恐ろしい相手ではあるが、それでもダインはこれまでの旅の経験を思い出す。


(よし、やるぞ!!)


気合を込める様にダインは頬を叩くと、杖を強く握りしめる。そして遂に試合開始の合図の鐘の音が鳴らされた。


『それでは……試合開始ぃっ!!』


ラビットの攻撃が響き渡ると、まずは最初に動き出したのはイリアだった。彼女の正体はリリスの分身体であり、ここから離れた巨塔の大迷宮から本体のイリアが操作している。ちなみみにイリアの肉体はレナとシズネのデータを参考にして作り上げた代物であり、二人が得意とする戦技も扱えるように仕組んである。


「フォトンブレイド!!」
『ぬおっ!?』
「おおっと!!またも出ました、イリア選手の謎の武器です!!あんな武器は見た事ありません!!」
「そりゃこの世界に人にはSFなんて分からないでしょうからね……あ、いえ、何でもありません」


イリアは掌を伸ばすと、彼女の腕から「光の剣」が誕生し、まるで魔鎧術のように腕から刃を放つ。この世界の魔法と現実世界の科学によって組み合わされた攻撃を放つ。


「てやぁっ!!」
『ぬあっ!?』
「き、斬られた!?あのゴウライがっ!?」


腕を振り下ろして光の剣を放ったイリアに対してゴウライはデュランダルで受けようとしたが、光の剣は刃を通過するとゴウライの鎧の部分を斬り付ける。その光景を見ていた観客席のロウガは驚愕の声を上げるが、一方でゴウライの方は光の剣が斬り付けられた箇所はどういうわけか熱している事に気付く。


『あちちちっ!?な、何だっ!?』
「この世界の人間に説明しても分からないでしょうけど、生憎と私のこれは実体は存在しないんですよ!!」


光の剣を纏っているように見えるが、実際の所はイリアが生み出しているのは剣の形を模して高熱を放出しているだけに過ぎない。原理は「バーナー」と似ており、要するに白く光り輝く炎を剣の形に変えている事に等しい。

ゴウライが身に付けている鎧をどうにかしない限りは彼女に損傷は与えられず、まずは厄介な鎧を引き剥がす事を優先してイリアは攻撃を仕掛ける。いくら魔法金属製の鎧といえど、金属である以上は熱を帯びれば中に入っている人間も火傷してしまう。


「刺突・乱!!」
『あちぃっ!?あちちちっ!!』
『おおっと!?これは予想外の展開です!!イリア選手の攻撃でゴウライ選手が一方的に押されています!!』
『あの鎧だと躱すのもきつそうですからね……』


予想に反してイリアが押している光景に観衆も動揺を隠せず、その一方でダインとシェルも動き出す。イリアが光の剣で攻撃している間にダインは位置を変え、一方でシェルもカノンとレイザーを構えるとゴウライの背後へと移動する。


「熱攻撃なら私も出来るわよ!!下がっていなさい!!」
「喰らえっ!!僕の最大の影魔法、シャドウ・バイト・ケルベロス!!」
『ぬあっ!?』


イリアが攻撃を中断して離れた瞬間、ダインは杖を構えると闇属性の魔力で構成した三つ首の犬の頭を作り出し、ゴウライへと噛みつかせる。この影魔法は相手を傷つける事は出来ないが、噛みつかれている間はステータスを低下する効果を持つ。いくら鎧で全身を覆い込もうと、鎧の隙間から入り込んでくるため防ぐ事は出来ない。

ダインの影魔法によって動きが拘束されている間、シェルは両手に魔銃を抱えて次々と放つ。ここで決めなければこの最強の剣士は倒せず、相手に反撃の隙も与えずに終わらせるつもりだった。
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