1,146 / 2,091
魔人編
残された時
しおりを挟む
「あれ……そういえば闘技祭で現れた魔人族、もしかして……」
「ハンゾウを襲った奴か!!」
「まさか、あれは……」
「うむ……奴は魔族だ、間違いない。名前は恐らくは竜人将のガイアだ」
「竜人将?」
「魔族の中でもかつて魔王の直属の部下が存在した。その数は七名、七魔将と呼ばれている」
レナ達の脳裏に闘技祭で暴れた「竜人」の姿が思い浮かび、ハンゾウの対戦相手を強襲し、成り代わっていた相手である。このガイアは七魔将と呼ばれる存在であり、既にソルと同様に石像から復活を果たしたらしい。
「ちょっと待ちなさいよ、どうしてガイアとやらはもう復活しているの?封魔札とやらで封印はしていなかったの?」
「正確に言えば出来なかった……俺が用意出来た封魔札は6枚、その中で5枚は封印する事に成功したが、残りの1枚を使う前にメドゥーサに石化されてしまった。だからこそ七魔将の中で封印を施せなかった2名は既に復活を果たしているだろう」
「それじゃあ、あんなのがまだ他に1匹もいるのか!?」
「分からん。だが、調べた限りではあの地下に封じられていた魔族は七魔将を除いても複数は存在した。奴等も放置できない存在だったが、当時の俺ではどうしようもなかった」
ソルは石像が解除された後も封印するために封魔札を用意したが、彼の想像以上に地下には数多くの魔族が存在し、どうしようもなかったという。七魔将だけでも封じようとしたが、結局は封印が成功したのは五人だけであり、既に復活を果たした魔族が存在してもおかしくはない。
封じる事に成功した五人の魔族もいつ復活するかは分からず、仮に全ての魔族が復活した場合、当時の勇者でもどうする事も出来なかった脅威が世界中を暴れまわる事になる。
「頼む、我が子孫よ!!どうか不甲斐ない先祖を許してくれとは言わん!!だが、民のためにも共に戦ってくれんか?」
「……話は分かりました。正直、貴方が先祖という話はまだ信じ切れていない部分もありますが……あの闘技祭で現れた竜人のような存在が他にもいるなら放置は出来ません」
「私も協力するわ……うちの可愛い冒険者に手を出した罪、償わせてあげるわ」
「おおっ!!助かる!!」
「七魔将、か……勇者でも手に負えなかった相手か」
レナ達はソルの頼みを引き受ける事に決めると、ここでレナはアイリスと交信を行いたいと思い、交信を試みた。しかし、反応は戻ってこず、どうやら近くにホネミンがいるらしい。
(ホネミンが近くにいるのか……それでアイリスと交信できないんだな)
アイリスから七魔将の情報を聞き取れるかと思ったが、ホネミンが近くにいる間はレナは交信は行えず、彼女から離れなければならない。ここで席を立って適当に離れた場所へと行こうとした時、ダインが唐突に苦しみ出す。
「うぐぅっ!?」
「ダイン!?」
「ど、どうしたの!?」
「わ、分からない……けど、急に聖痕が……!?」
ダインは突如として右腕を抑えると、レナはすぐに彼の服の袖を引っ張り、右腕を露出させた。その結果、闇の聖痕が異様に発熱している事が発覚し、何が起きているのかと戸惑う。
「これは……!?」
「せ、聖痕が勝手に……ぐああっ!?」
「ダイン!!」
「……み、皆気を付けろ!!やばい奴がこっちに近付いて来てる!!まるで、僕の爺みたいな魔力だ……!!」
レナはダインの言葉を聞いて闇の聖痕を通して彼が何かを察知した事に気付き、マリアに顔を向ける。マリアは自分の手の甲に浮かんだ「風の聖痕」に視線を向けるが、彼女の場合は反応は示していない。
闇の聖痕のみが発動している事を考えても接近してきた存在は闇属性の魔法の使い手の可能性が高く、しかもダインの感覚ではまるで自分の祖父と対峙した時と同じ感覚らしい。ダインの家系は「呪術師」であるため、敵が呪術師である可能性も出てきた。
「ダイン、何処から近付いているのか分かる?」
「あ、ああ……多分、あっちの方からだ」
「あっちというと……ウル達がいる裏庭か!?」
レナは急いで窓へと駆けつけると、裏庭には外に待機させていた魔獣達が戦闘態勢に入っていた。ウル、ミノ、アインの3体が既に威嚇状態へ陥り、魔獣の唸り声が響く。
「グルルルッ……!!」
「キュロロロッ!!」
「ブモォオッ!!」
『…………』
3体の魔獣に取り込まれる形で既に何者かが屋敷の敷地内に侵入し、その人物は全身を黒マントで覆い隠していた。それを確認したレナはダインが感じた嫌な魔力の正体はこの人物だと判断し、外へ飛び出す。
「誰だ、お前はっ!!」
「レナ!!」
「レナさん!!」
レナ以外の者達も外へ飛び出し、シズネやリンダも向かい合う。だが、3体の魔獣とレナ達を前にしても相手は動じた様子は見せず、やがて黒マントを脱ぎ去ると、驚くべき容姿が露になる。
「ハンゾウを襲った奴か!!」
「まさか、あれは……」
「うむ……奴は魔族だ、間違いない。名前は恐らくは竜人将のガイアだ」
「竜人将?」
「魔族の中でもかつて魔王の直属の部下が存在した。その数は七名、七魔将と呼ばれている」
レナ達の脳裏に闘技祭で暴れた「竜人」の姿が思い浮かび、ハンゾウの対戦相手を強襲し、成り代わっていた相手である。このガイアは七魔将と呼ばれる存在であり、既にソルと同様に石像から復活を果たしたらしい。
「ちょっと待ちなさいよ、どうしてガイアとやらはもう復活しているの?封魔札とやらで封印はしていなかったの?」
「正確に言えば出来なかった……俺が用意出来た封魔札は6枚、その中で5枚は封印する事に成功したが、残りの1枚を使う前にメドゥーサに石化されてしまった。だからこそ七魔将の中で封印を施せなかった2名は既に復活を果たしているだろう」
「それじゃあ、あんなのがまだ他に1匹もいるのか!?」
「分からん。だが、調べた限りではあの地下に封じられていた魔族は七魔将を除いても複数は存在した。奴等も放置できない存在だったが、当時の俺ではどうしようもなかった」
ソルは石像が解除された後も封印するために封魔札を用意したが、彼の想像以上に地下には数多くの魔族が存在し、どうしようもなかったという。七魔将だけでも封じようとしたが、結局は封印が成功したのは五人だけであり、既に復活を果たした魔族が存在してもおかしくはない。
封じる事に成功した五人の魔族もいつ復活するかは分からず、仮に全ての魔族が復活した場合、当時の勇者でもどうする事も出来なかった脅威が世界中を暴れまわる事になる。
「頼む、我が子孫よ!!どうか不甲斐ない先祖を許してくれとは言わん!!だが、民のためにも共に戦ってくれんか?」
「……話は分かりました。正直、貴方が先祖という話はまだ信じ切れていない部分もありますが……あの闘技祭で現れた竜人のような存在が他にもいるなら放置は出来ません」
「私も協力するわ……うちの可愛い冒険者に手を出した罪、償わせてあげるわ」
「おおっ!!助かる!!」
「七魔将、か……勇者でも手に負えなかった相手か」
レナ達はソルの頼みを引き受ける事に決めると、ここでレナはアイリスと交信を行いたいと思い、交信を試みた。しかし、反応は戻ってこず、どうやら近くにホネミンがいるらしい。
(ホネミンが近くにいるのか……それでアイリスと交信できないんだな)
アイリスから七魔将の情報を聞き取れるかと思ったが、ホネミンが近くにいる間はレナは交信は行えず、彼女から離れなければならない。ここで席を立って適当に離れた場所へと行こうとした時、ダインが唐突に苦しみ出す。
「うぐぅっ!?」
「ダイン!?」
「ど、どうしたの!?」
「わ、分からない……けど、急に聖痕が……!?」
ダインは突如として右腕を抑えると、レナはすぐに彼の服の袖を引っ張り、右腕を露出させた。その結果、闇の聖痕が異様に発熱している事が発覚し、何が起きているのかと戸惑う。
「これは……!?」
「せ、聖痕が勝手に……ぐああっ!?」
「ダイン!!」
「……み、皆気を付けろ!!やばい奴がこっちに近付いて来てる!!まるで、僕の爺みたいな魔力だ……!!」
レナはダインの言葉を聞いて闇の聖痕を通して彼が何かを察知した事に気付き、マリアに顔を向ける。マリアは自分の手の甲に浮かんだ「風の聖痕」に視線を向けるが、彼女の場合は反応は示していない。
闇の聖痕のみが発動している事を考えても接近してきた存在は闇属性の魔法の使い手の可能性が高く、しかもダインの感覚ではまるで自分の祖父と対峙した時と同じ感覚らしい。ダインの家系は「呪術師」であるため、敵が呪術師である可能性も出てきた。
「ダイン、何処から近付いているのか分かる?」
「あ、ああ……多分、あっちの方からだ」
「あっちというと……ウル達がいる裏庭か!?」
レナは急いで窓へと駆けつけると、裏庭には外に待機させていた魔獣達が戦闘態勢に入っていた。ウル、ミノ、アインの3体が既に威嚇状態へ陥り、魔獣の唸り声が響く。
「グルルルッ……!!」
「キュロロロッ!!」
「ブモォオッ!!」
『…………』
3体の魔獣に取り込まれる形で既に何者かが屋敷の敷地内に侵入し、その人物は全身を黒マントで覆い隠していた。それを確認したレナはダインが感じた嫌な魔力の正体はこの人物だと判断し、外へ飛び出す。
「誰だ、お前はっ!!」
「レナ!!」
「レナさん!!」
レナ以外の者達も外へ飛び出し、シズネやリンダも向かい合う。だが、3体の魔獣とレナ達を前にしても相手は動じた様子は見せず、やがて黒マントを脱ぎ去ると、驚くべき容姿が露になる。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!
霜月雹花
ファンタジー
神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。
神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。
書籍8巻11月24日発売します。
漫画版2巻まで発売中。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。