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ダイン 監獄都市編
はっ!?何で僕が狙われてるんだ!?
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「おい、居たか!?」
「いや、見当たらねえ……あいつら、何処に隠れやがった!?」
「探し出せ、もうここに戻っているはずだ!!」
囚人達の怒声が響き渡り、机の下に隠れたダインとミイネは驚いた様に顔を見合わせる。どうやらゴブは彼等の存在に気付いたらしく、事前に隠れる様に促してきたらしい。
「な、何だあいつら……誰を探してるんだ?」
「ふむ、様子がおかしいですね……ここを離れた方が良いかもしれません」
「ギギィッ……」
3人はこっそりと机の下から移動し、目立たないように四つん這いの状態で他の机の下を潜り抜けながら移動を行う。その際中、食堂に駆けつけた囚人達は食事を行っていた他の囚人に話しかける。
「おい、この男を見かけなかったか!?」
「い、いや……さっきまでいたような気がしたが、いつの間にかいなくなってるな」
「ちっ、逃げられたか……」
「何なんだよ急に……何かあったのか?」
突然に騒ぎ出した囚人達に食堂で食事を行っていた者達は疑問を抱き、この時にダイン達は駆けつけてきた囚人達が手にしている羊皮紙に気付く。どうやら似顔絵が記されているらしく、誰かを探している様子だった。
この流れからダインは嫌な予感を察すると、本能的にここから急いで離れた方が良いと告げていた。こういう時の彼の勘は外れた事はなく、急いで逃げ出そうとした時に囚人の一人が怒鳴りつける。
「おい、お前等!!こいつを見つけ出したらすぐに俺達の前へ連れ出して来い!!もしも捕まえてきたら報酬も出すぞ!!」
「報酬だって!?」
「それは本当か!?」
「ああ、嘘じゃねえ……報酬は三角銀貨100枚だ!!」
『何ぃいいいっ!?』
法外な値段の報酬に食堂の囚人達は動揺を隠せず、話を聞いていたダイン達も呆気にとられた。三角銀貨が100枚といえばダイン達が今日手に入れた報酬の3倍以上の値段である。食堂に存在した囚人達は目の色を変え、一方でダイン達も机の下から様子を伺う。
「な、なあ、三角銀貨100枚だとよ!!いったい誰が狙われてるんだ?」
「確かに気になりますね……嫌な意味で」
「ギギィッ……」
ダインは三角銀貨100枚と聞いて興奮し、もしも自分達が似顔絵の犯人を捕まえる事が出来れば大金を得られると考え、食堂に訪れた囚人達が手にした似顔絵に視線を向けた。だが、すぐにダインは似顔絵に描かれている顔を見て愕然とした。
「こいつは最近入ったばかりの新入りだ!!名前はダイン、生意気にも今日闘技者に昇格した奴だ!!捕まえる時は油断するなよ!!」
『おおっ!!』
「…………………………えっ!?」
「ちょっと、何を呆けてるですかっ!!早く隠れてっ……!!」
ダインは自分の名前を叫び、更に似顔絵に記された顔を見て唖然とした。似顔絵はワカメ髪が特徴の青年の顔が記されており、ご丁寧に下の方には「古臭い杖を所持、妙な魔法を使う魔導士」とさえ記載されていた。
ミイネは呆けているダインの腕を引き、すぐに目立たないように身を伏せる。食堂にいた囚人達も食事を中断してダインを捕まえるため、我先にと他の者を押し退けながら駆け出す。
「うおおおっ!!銀貨100枚だぁっ!!」
「絶対に捕まえてやる!!」
「おい、生かして捕まえた方が良いのか!?」
「いや、殺しても構わねえ!!だが、死体は必ず持って来いよ!!」
興奮した囚人達は食堂を抜け出していく光景を机の下からダイン達は見届け、残ったのは似顔絵を手にした囚人達であり、彼等は似顔絵を柱や壁に貼り付けていく。
「よし、ここはもういいだろう!!俺達も探すぞ!!」
「へへへ、こいつを捕まえたら幹部に昇格だったな!!そっちの方が得だぜ!!」
「行くぞ!!他の奴等に出し抜かれる前にぶっ殺すんだ!!」
似顔絵が記された羊皮紙を張り出した囚人達も立ち去り、残されたダイン達は誰もいなくなった事を確認すると、机の下から抜け出す。むぐにミイネは手配書のように張り出された似顔絵の羊皮紙を確認し、淡々と伝えた。
「これは……ダインさんで間違いなさそうですね」
「う、嘘だろっ……な、何で!?どうして僕がこんな……何でっ!?」
「落ち着いて下さい。まあ、取り乱すのも仕方ないですけど……」
「ギギィッ!!」
似顔絵に記されているのはダインの名前と容姿で間違いなく、別人である可能性は完全に断たれた。呆然と立ち尽くすダインに対してミイネとゴブは張り出された手配書を引き剥がし、そのまま丸めて捨て去る。悪あがきにしかならないが、それでもこんな物を張り出されていたら他の囚人にも狙われてしまう。
「ほら、呆けている場合じゃありませんよ!!とにかく、ここから急いで離れましょう!!」
「あ、ああ……でも、何処に行けばいいんだ?」
「当然ですけど、この状況だと僕達の部屋も危険ですね……何処か、安全な場所に隠れるしかありません。となると……やはり、あそこですね」
「ギィッ……」
ミイネはまずはダインを安全に隠れられる場所に移動する事を提案し、その言葉にゴブも頷く。このような手配書まで張り出された以上は宿舎の中は危険であり、ここを一刻も離れる必要があった。
「いや、見当たらねえ……あいつら、何処に隠れやがった!?」
「探し出せ、もうここに戻っているはずだ!!」
囚人達の怒声が響き渡り、机の下に隠れたダインとミイネは驚いた様に顔を見合わせる。どうやらゴブは彼等の存在に気付いたらしく、事前に隠れる様に促してきたらしい。
「な、何だあいつら……誰を探してるんだ?」
「ふむ、様子がおかしいですね……ここを離れた方が良いかもしれません」
「ギギィッ……」
3人はこっそりと机の下から移動し、目立たないように四つん這いの状態で他の机の下を潜り抜けながら移動を行う。その際中、食堂に駆けつけた囚人達は食事を行っていた他の囚人に話しかける。
「おい、この男を見かけなかったか!?」
「い、いや……さっきまでいたような気がしたが、いつの間にかいなくなってるな」
「ちっ、逃げられたか……」
「何なんだよ急に……何かあったのか?」
突然に騒ぎ出した囚人達に食堂で食事を行っていた者達は疑問を抱き、この時にダイン達は駆けつけてきた囚人達が手にしている羊皮紙に気付く。どうやら似顔絵が記されているらしく、誰かを探している様子だった。
この流れからダインは嫌な予感を察すると、本能的にここから急いで離れた方が良いと告げていた。こういう時の彼の勘は外れた事はなく、急いで逃げ出そうとした時に囚人の一人が怒鳴りつける。
「おい、お前等!!こいつを見つけ出したらすぐに俺達の前へ連れ出して来い!!もしも捕まえてきたら報酬も出すぞ!!」
「報酬だって!?」
「それは本当か!?」
「ああ、嘘じゃねえ……報酬は三角銀貨100枚だ!!」
『何ぃいいいっ!?』
法外な値段の報酬に食堂の囚人達は動揺を隠せず、話を聞いていたダイン達も呆気にとられた。三角銀貨が100枚といえばダイン達が今日手に入れた報酬の3倍以上の値段である。食堂に存在した囚人達は目の色を変え、一方でダイン達も机の下から様子を伺う。
「な、なあ、三角銀貨100枚だとよ!!いったい誰が狙われてるんだ?」
「確かに気になりますね……嫌な意味で」
「ギギィッ……」
ダインは三角銀貨100枚と聞いて興奮し、もしも自分達が似顔絵の犯人を捕まえる事が出来れば大金を得られると考え、食堂に訪れた囚人達が手にした似顔絵に視線を向けた。だが、すぐにダインは似顔絵に描かれている顔を見て愕然とした。
「こいつは最近入ったばかりの新入りだ!!名前はダイン、生意気にも今日闘技者に昇格した奴だ!!捕まえる時は油断するなよ!!」
『おおっ!!』
「…………………………えっ!?」
「ちょっと、何を呆けてるですかっ!!早く隠れてっ……!!」
ダインは自分の名前を叫び、更に似顔絵に記された顔を見て唖然とした。似顔絵はワカメ髪が特徴の青年の顔が記されており、ご丁寧に下の方には「古臭い杖を所持、妙な魔法を使う魔導士」とさえ記載されていた。
ミイネは呆けているダインの腕を引き、すぐに目立たないように身を伏せる。食堂にいた囚人達も食事を中断してダインを捕まえるため、我先にと他の者を押し退けながら駆け出す。
「うおおおっ!!銀貨100枚だぁっ!!」
「絶対に捕まえてやる!!」
「おい、生かして捕まえた方が良いのか!?」
「いや、殺しても構わねえ!!だが、死体は必ず持って来いよ!!」
興奮した囚人達は食堂を抜け出していく光景を机の下からダイン達は見届け、残ったのは似顔絵を手にした囚人達であり、彼等は似顔絵を柱や壁に貼り付けていく。
「よし、ここはもういいだろう!!俺達も探すぞ!!」
「へへへ、こいつを捕まえたら幹部に昇格だったな!!そっちの方が得だぜ!!」
「行くぞ!!他の奴等に出し抜かれる前にぶっ殺すんだ!!」
似顔絵が記された羊皮紙を張り出した囚人達も立ち去り、残されたダイン達は誰もいなくなった事を確認すると、机の下から抜け出す。むぐにミイネは手配書のように張り出された似顔絵の羊皮紙を確認し、淡々と伝えた。
「これは……ダインさんで間違いなさそうですね」
「う、嘘だろっ……な、何で!?どうして僕がこんな……何でっ!?」
「落ち着いて下さい。まあ、取り乱すのも仕方ないですけど……」
「ギギィッ!!」
似顔絵に記されているのはダインの名前と容姿で間違いなく、別人である可能性は完全に断たれた。呆然と立ち尽くすダインに対してミイネとゴブは張り出された手配書を引き剥がし、そのまま丸めて捨て去る。悪あがきにしかならないが、それでもこんな物を張り出されていたら他の囚人にも狙われてしまう。
「ほら、呆けている場合じゃありませんよ!!とにかく、ここから急いで離れましょう!!」
「あ、ああ……でも、何処に行けばいいんだ?」
「当然ですけど、この状況だと僕達の部屋も危険ですね……何処か、安全な場所に隠れるしかありません。となると……やはり、あそこですね」
「ギィッ……」
ミイネはまずはダインを安全に隠れられる場所に移動する事を提案し、その言葉にゴブも頷く。このような手配書まで張り出された以上は宿舎の中は危険であり、ここを一刻も離れる必要があった。
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