不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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ダイン 監獄都市編

監獄の飯も悪く無いな……(・ω・)モグモグ

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「――ふぅ~食った食った!!久しぶりにまともな飯が食べれた気がするよ!!」
「ギギィッ(腹いっぱい)」
「全く……二人とも、食べ過ぎですよ。まあ、昨日は碌に食事も出来なかったから仕方ないかもしれませんけど……」


晴れて闘技者に合格したダインは食堂の方にてまともな料理を食べ終えると、満足そうに腹を摩る。他の者と比べれば小食な方ではあるが、昨日は色々とあって食事をちゃんと行えず、朝食も食べれなかったのでやっとまともな食事が出来た事に感動する。

ミイネはダインから受け取った金銭を確認し、当分の間はこの金で凌ぐしかなく、今後はダインには闘技者として活躍してもらう必要があった。彼女の目的を果たすには金を稼ぐ他にダインに闘技者として頑張ってもらう必要があった。


「食事も済みましたし、明日からは試合に備えてダインさんの装備の方もどうにかしましょうか」
「え、装備?でも、僕は魔術師だから鎧とか兜はいらないぞ。装備しても重くて碌に動けなさそうだし……」
「まあ、ダインさんが今着ている装備品も悪くはないんですけどね。その格好だと目立ちすぎますよ?それにずっと同じ服を切るつもりですか?」
「ギギィッ(一人だけ黒いから目につきやすい)」


監獄都市に転移したダインは他の者と違い、囚人服ではない。転移される前に装備していた衣服のままだが、外見は黒装束なので非常に目立ちやすい。第一にこれから監獄都市に過ごすのであれば新しい衣服を用意しておかなければならない。


「いくら監獄だからって不衛生だと病気を招きかねません。新しい衣服と、ついでに自分の身を守れる道具も買いましょう」
「え?でも、ここって武器の装備は禁じられているんだろ?」
「そんな規則、当てになりませんよ。昨日だって作業区から道具を持ち込んだ奴等に襲われたでしょう?第一に武器が駄目ならダインさんの持っている杖だって注意されますよ」
「あ、そうか……言われてみればそうだよな」


ダインは昨日に自分達を襲ってきたガルルの配下の事を思い出し、言われてみれば彼等は刑務作業に使用する道具を所持していた。ダインの場合も最初に闘技場で戦った時に利用した杖をずっと所持したままであり、今までに誰にも注意されていなかったので忘れていたが、杖だって使い方によっては立派な凶器となり得るのに兵士は誰も注意しない。


「闘技者になった以上はダインさんもこれから注目されるはずですからね。闘技場で活躍すればその分に稼げますし、他の囚人にも存在を知られます。今でさえもあの三巨頭のガルルを嵌めた囚人として有名なんですよ」
「それ、悪い方の意味で有名だろ……そういえば今朝、襲ってきた奴等がまた来たらどうするんだ?」
「そうですね、その時は返り討ちにしましょう。今朝は試験に向かわなければならなかったので相手に出来ませんでしたけど、今は違いますからね」
「簡単に言うけど、追い返す役目は僕だよな!?」
「当然じゃないですか、僕は非力な女の子なんで戦えませんからね」
「ギギィッ(手伝ってやるから落ち込むなよ)」


ミイネは戦闘に参加する意思はなく、ゴブの方はダインの手助けを行うそうだが、1匹のゴブリンの力では大して当てにならない。こんな時に限ってレナやゴンゾウのような頼りになる仲間がいない事にダインは嘆く。


「ああ、もう……僕は魔術師何だぞ!?普通は他の奴の援護するのが当たり前なのに……」
「援護、ですか……確かに今後の事を考えると頼れる仲間を集めるのはいいかもしれませんね。もしもお金に余裕が出来たら新しい仲間を募集するのもありかもしれません」
「本当か!?」


ダインは駄目元で言った言葉にミイネは真剣に考え込み、今後の生活を考えればダインだけに負担を任せるのではなく、仲間を作るのも悪くはない。そして現時点で彼等に協力してくれそうな相手は二人ほどいた。

監獄都市に送り込まれる際、ダインは闘技場で共に戦った縁で仲良くなったマサルとドルトンの事を思い出し、彼等二人の協力を仰げないかと提案する。


「あ、そうだ。僕達に協力してくれそうな奴といったらあいつらはどうかな?マサルと……ドルトンとかいう名前の爺さんだよ」
「マサル……さんはともかく、あのお爺さんに僕達の奴に立つんですか?」
「おい、失礼なことを言うなよ……あの人、確か元は武器商人なんだろ?なら、僕の装備に関しても色々と助言とかしてくれるんじゃないのか?」
「ああ、なるほど……それも一理ありますね。なら、あの二人を探して……」
「ギギィッ……!!」


ミイネとの会話の際中にゴブはダインの袖を引っ張り、何事かとダインは驚いて振り返ると、ゴブは机の下を指差す。その行動にダインとミイネは驚くが、すぐに彼が机の下に隠れるように促している事に気付く。


「ど、どうしたんだよ急に……」
「しっ……いいから、隠れて下さい」
「ギィイッ(大きな声を上げるなよ)」


急に机に隠れるように指示してきたゴブにダインは戸惑うが、ミイネはすぐに相棒のいう事に従い、ダインの腕を引っ張って食堂の机の下に隠れた。その直後、食堂内に怒声が響き渡る。
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