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ダイン 監獄都市編
酒、酒、酒……何処にあるんだ!?
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「うわっ、寒っ……!?」
「チュチュッ……」
「って、お前何時の間に僕のポケットに!?」
倉庫の扉を開いた瞬間に冷気が放たれ、あまりの寒さに鼠はダインの服のポケットの中に潜り込む。一方でダインは身体を震わせながらも倉庫の中へ入り込み、この時に彼は水属性の魔石が壁際に嵌め込まれている事に気付く。
「そ、そうか……魔石の力でここを冷やしているのか。道理で寒いはずだ……」
壁に嵌め込まれた水属性の魔石を利用して冷気を生み出しているらしく、倉庫の中は冷蔵庫や冷凍庫のように一定の温度を保っていた。部屋の中を冷やす事で保管している食材が腐りにくくさせており、防寒具がなければあまり長居したい場所ではない。
寒さで体を震わせながらもダインは周囲の様子を確認し、とりあえずは酒が保管されていないのかを探す。出来る事ならばここで保管されていれば後は酒を回収して逃げ出すだけなのだが、見た限りでは酒らしき物は見当たらない。
「くそ、何処にあるんだ……あ、この瓶か!?いや、これ料理酒か……流石にこれじゃあ、駄目だよな」
「チュチュウッ……」
ポケットの中に潜り込んだ鼠は寒そうな声を上げ、ダイン自身も身体が凍え始めて感覚が鈍くなっていく。このまま居続ければ凍死する可能性も存在し、彼は必死に酒を探す。
(ここにないとなると3階にいくしかないのか……でも、上の階にはさっきの女囚人達がいるだろうし……んっ!?これは……もしかして使えるんじゃないのか!?)
倉庫を探している途中でダインは役立ちそうな物を発見し、彼は脱出の際に役立つかもしれないと思い、回収を行う。黒腕を発動させて慎重に目当ての物を取り外すと、それを懐へとしまい込む。
「こ、ここには酒はなさそうだな……う、上に行くか」
「ヂュヂュッ……」
ダインと鼠は鼻水を垂らしながら倉庫から抜け出すと、扉を閉める。ようやく寒い部屋から抜け出す事に成功したダインだったが、問題は山積みだった。既に自分の正体は気づかれ、女囚人達は警戒態勢に入った。
(あの女囚人達が兵士に異変を知らせて呼び寄せたら台無しだ……早く回収して抜け出さないと!!)
階段を上がって1階へと戻ったダインはどうやって3階に移動するかを考え、ここで彼はある事を思い出す。それはこの屋敷には煙突が存在し、それを利用すれば上に移動できるのではないかと考える。
また狭い煙突の中に入り込む事にダインは躊躇したが、もう時間はないので手段は選んでいられず、彼は右手を握りしめて覚悟を決めた様に煙突の中に潜り込む。
「よし、行くぞ……お前、付いてくるならちゃんとその中に入ってろよ」
「チュチュッ?」
鼠に注してダインは暖炉を潜り抜けると、両手に黒腕を発動させて煙突をよじ登る。この時にダインは影魔法を利用して煙突を構成する煉瓦の隙間に影を送り込み、ロッククライミングの要領で登っていく。
黒腕を解除すればダインの腕力では壁にしがみつけずに真っ逆さまに落ちてしまうだろうが、夜の時間帯ならばダインの影魔法は日中よりも高い効果を発揮し、必要以上の魔力を消耗しない。やがてダインは煙突を登り切って屋根の上に移動すると、彼は一息つく。
「や、やっと登り切った……あ、ミイネだ。まだ外にいたのか……」
屋根の上に辿り着くと、ダインはここでファングに取り囲まれるミイネ達の姿を確認し、敷地内を徘徊していたファングはゴブがちょっかいをかけた事でミイネに集まっていた。
「ガアアッ!!」
「グルルルッ……!!」
「ちょっと、早く何とかして下さいよ!!」
「だ、大丈夫です!!我々には襲い掛からないように……うわっ!?」
「うおっ!?こ、こいつ!!今、噛みつこうとしたぞ!!」
看守の兵士達はミイネに近付こうとするファングを牽制するが、そんな彼等に対してファングは躊躇せずに襲い掛かろうとする。ファングが従うのはあくまでもこの囚人区と屋敷の管理者であるパールと、彼女の保護下にある女囚人達だけであり、男性の看守には容赦しない。
ファングに取り囲まれたミイネの様子を見てダインはどうして兵士達が彼女を守ろうとしているのか疑問を抱くが、今は目的を果たすために彼は屋根の上から3階の窓に視線を向け、移動を行う。
「何処の窓から入ればいいんだ……」
「チュチュッ」
「うわ、何だよ急に……この部屋か?」
ダインが何処の窓から入ろうと悩んでいると、ここで鼠が彼の肩に移動し、彼の頬を叩いて窓を示す。どうやらこの部屋に入るように促しているらしく、その鼠の行動に戸惑いながらもダインは信じてみる事にした。
「よし……お前には闘技場で助けられたしな。誰が操っているのかは知らないけど、僕の味方なんだよな?」
「チュウッ?」
「たく、首を傾げやがって……まあいいや。よし、行くぞ!!」
「チュチュッ!!」
鼠の示す窓に向けてダインは移動を行うため、この時に彼は自分の影を操作して煙突に伸ばしてロープのように影を巻きつけると、そのままゆっくりと影を伸ばして下へ降りていく。窓の前に移動すると、今度は黒腕を発動させて窓の鍵を開く。
「チュチュッ……」
「って、お前何時の間に僕のポケットに!?」
倉庫の扉を開いた瞬間に冷気が放たれ、あまりの寒さに鼠はダインの服のポケットの中に潜り込む。一方でダインは身体を震わせながらも倉庫の中へ入り込み、この時に彼は水属性の魔石が壁際に嵌め込まれている事に気付く。
「そ、そうか……魔石の力でここを冷やしているのか。道理で寒いはずだ……」
壁に嵌め込まれた水属性の魔石を利用して冷気を生み出しているらしく、倉庫の中は冷蔵庫や冷凍庫のように一定の温度を保っていた。部屋の中を冷やす事で保管している食材が腐りにくくさせており、防寒具がなければあまり長居したい場所ではない。
寒さで体を震わせながらもダインは周囲の様子を確認し、とりあえずは酒が保管されていないのかを探す。出来る事ならばここで保管されていれば後は酒を回収して逃げ出すだけなのだが、見た限りでは酒らしき物は見当たらない。
「くそ、何処にあるんだ……あ、この瓶か!?いや、これ料理酒か……流石にこれじゃあ、駄目だよな」
「チュチュウッ……」
ポケットの中に潜り込んだ鼠は寒そうな声を上げ、ダイン自身も身体が凍え始めて感覚が鈍くなっていく。このまま居続ければ凍死する可能性も存在し、彼は必死に酒を探す。
(ここにないとなると3階にいくしかないのか……でも、上の階にはさっきの女囚人達がいるだろうし……んっ!?これは……もしかして使えるんじゃないのか!?)
倉庫を探している途中でダインは役立ちそうな物を発見し、彼は脱出の際に役立つかもしれないと思い、回収を行う。黒腕を発動させて慎重に目当ての物を取り外すと、それを懐へとしまい込む。
「こ、ここには酒はなさそうだな……う、上に行くか」
「ヂュヂュッ……」
ダインと鼠は鼻水を垂らしながら倉庫から抜け出すと、扉を閉める。ようやく寒い部屋から抜け出す事に成功したダインだったが、問題は山積みだった。既に自分の正体は気づかれ、女囚人達は警戒態勢に入った。
(あの女囚人達が兵士に異変を知らせて呼び寄せたら台無しだ……早く回収して抜け出さないと!!)
階段を上がって1階へと戻ったダインはどうやって3階に移動するかを考え、ここで彼はある事を思い出す。それはこの屋敷には煙突が存在し、それを利用すれば上に移動できるのではないかと考える。
また狭い煙突の中に入り込む事にダインは躊躇したが、もう時間はないので手段は選んでいられず、彼は右手を握りしめて覚悟を決めた様に煙突の中に潜り込む。
「よし、行くぞ……お前、付いてくるならちゃんとその中に入ってろよ」
「チュチュッ?」
鼠に注してダインは暖炉を潜り抜けると、両手に黒腕を発動させて煙突をよじ登る。この時にダインは影魔法を利用して煙突を構成する煉瓦の隙間に影を送り込み、ロッククライミングの要領で登っていく。
黒腕を解除すればダインの腕力では壁にしがみつけずに真っ逆さまに落ちてしまうだろうが、夜の時間帯ならばダインの影魔法は日中よりも高い効果を発揮し、必要以上の魔力を消耗しない。やがてダインは煙突を登り切って屋根の上に移動すると、彼は一息つく。
「や、やっと登り切った……あ、ミイネだ。まだ外にいたのか……」
屋根の上に辿り着くと、ダインはここでファングに取り囲まれるミイネ達の姿を確認し、敷地内を徘徊していたファングはゴブがちょっかいをかけた事でミイネに集まっていた。
「ガアアッ!!」
「グルルルッ……!!」
「ちょっと、早く何とかして下さいよ!!」
「だ、大丈夫です!!我々には襲い掛からないように……うわっ!?」
「うおっ!?こ、こいつ!!今、噛みつこうとしたぞ!!」
看守の兵士達はミイネに近付こうとするファングを牽制するが、そんな彼等に対してファングは躊躇せずに襲い掛かろうとする。ファングが従うのはあくまでもこの囚人区と屋敷の管理者であるパールと、彼女の保護下にある女囚人達だけであり、男性の看守には容赦しない。
ファングに取り囲まれたミイネの様子を見てダインはどうして兵士達が彼女を守ろうとしているのか疑問を抱くが、今は目的を果たすために彼は屋根の上から3階の窓に視線を向け、移動を行う。
「何処の窓から入ればいいんだ……」
「チュチュッ」
「うわ、何だよ急に……この部屋か?」
ダインが何処の窓から入ろうと悩んでいると、ここで鼠が彼の肩に移動し、彼の頬を叩いて窓を示す。どうやらこの部屋に入るように促しているらしく、その鼠の行動に戸惑いながらもダインは信じてみる事にした。
「よし……お前には闘技場で助けられたしな。誰が操っているのかは知らないけど、僕の味方なんだよな?」
「チュウッ?」
「たく、首を傾げやがって……まあいいや。よし、行くぞ!!」
「チュチュッ!!」
鼠の示す窓に向けてダインは移動を行うため、この時に彼は自分の影を操作して煙突に伸ばしてロープのように影を巻きつけると、そのままゆっくりと影を伸ばして下へ降りていく。窓の前に移動すると、今度は黒腕を発動させて窓の鍵を開く。
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