1,420 / 2,090
真・最終章 七魔将編
逆転の一撃
しおりを挟む
「うっ……」
「コトミンちゃん!?どうしたの!?」
「今度はなんだい!?」
唐突に自分の胸元を抑えて膝を着いたコトミンを見てティナは驚き、バルは彼女がまさか敵にやられたのかと思ったが、ここまでの道中でコトミンは攻撃を受けてはいない。
コトミンの異変に気付いたアルドラは不審な表情を浮かべて彼女に顔を向けると、この時にコトミンの大きな胸の谷間からヒトミンが顔を飛び出す光景を彼女は確認する。
「ぷるるんっ」
「なっ……ス、スライム!?」
「……ヒトミン、みずてっぽー!!」
胸の中にヒトミンを隠していたコトミンはゴーレムとオオツチトカゲに向けてヒトミンを構えると、ヒトミンは身体を膨らませて口元から大量の水を放射した。
「ぷるっしゃあああっ!!」
「ゴオオッ!?」
「ゴガァッ!?」
「ゴアッ!?」
「シャアアッ!?」
ヒトミンから放たれた大量の水によってゴーレム達とオオツチトカゲの肉体に変化が生じ始め、水を浴びた箇所が変色して泥のように溶けていく。その様子を見た他の者達は驚いた様子を浮かべるが、コトミンはヒトミンを抱きかかえた状態で笑顔を浮かべた。
「ふっ……とっておきは最後までとっておくのが有効」
「あんた……やるじゃないかい!!」
「ヒトミンちゃんも偉いよ~」
「ぷるるっ……(またつまらぬものを溶かしてしまったぜ)」
「こ、このっ……!!」
放水によってゴーレムとオオツチトカゲの全身を覆う土砂の塊が溶けてしまい、これによってゴーレム達は戦闘不能に追い込まれる。オオツチトカゲの方も本体が姿を現し、先ほどまでと比べても一回り程小さくなってしまう。そしてその光景を確認したハルナが放置するはずがない。
「お前等……よくもやってくれたな!!」
「くっ!?」
「シャアアッ!?」
ハルナは全身から電流を流しながら怒りの表情でアルドラに近付くと、主人を守るために咄嗟にオオツチトカゲが前に出た。しかし、そんなオオツチトカゲの顔面をハルナは掴み上げる。
先ほどまではゴーレムと同様に土砂を練り固めた外殻に覆われていた事で電流を浴びるのは回避できたが、現在のオオツチトカゲは生身の状態であるため、電流を帯びたハルナに触れられただけで全身に高圧電流が流れ込む。その結果、数秒もしないうちにオオツチトカゲは黒焦げと化してしまう。
「アガガガガッ!?」
「おらおらおらっ!!」
「ひいっ!?」
オオツチトカゲを空中に持ち上げたハルナは空に投げ飛ばすと、地上に向けて落下してきたオオツチトカゲに対して彼女は拳を振りかざし、何十発もの拳を繰り出す。空中で殴りつけられたオオツチトカゲは悲鳴を上げ、更にハルナはオオツチトカゲの尻尾を掴むとアルドラに目掛けて振り下ろす。
「うおらぁっ!!」
「きゃああっ!?」
アルドラに目掛けて放たれたオオツチトカゲは見事に彼女に的中し、そのままアルドラは地面に押し潰される。彼女は苦痛の表情を浮かべて必死に逃げようとしたが、ハルナはオオツチトカゲ越しに電流を流し込む。
「逃がすか!!」
「あがぁっ!?」
「よし、よくやったよハルナ!!」
「か、勝ったの?」
「……私達の勝ち」
「ぷるんっ!!」
オオツチトカゲに押し潰されたアルドラを見てハルナ達は勝利を確信し、その一方でアルドラの方は電流を帯びた事で白目を剥く。この状態ではどう考えても逆転は不可能であり、このまま彼女に止めをさせば操られていた人々は元に戻る。
バルは大剣を手にして倒れ込んだアルドラの元へ向かい、この時に彼女はアルドラが吸血鬼である事を思い出す。バルは一時期の間、両親の仇である吸血鬼を探していた事を思い出す。結局は両親の仇の吸血鬼は何者かに殺されていたが、まさか別の吸血鬼を倒す機会が訪れるとは思わなかった。
「さあ、これで終わりだよ。ティナ、コトミン……あんた等は下がっていな」
「えっ!?な、何をするの!?」
「ティナ、見ない方がいい」
「はあっ、はあっ……ほら、下がってろよ」
アルドラに止めを刺す前にバルはティナとコトミンを下がらせ、ハルナも流石に限界だったので止めを刺す役目はバルに譲る。アルドラはここで確実に始末しなければならず、彼女は勢いよく大剣を振り下ろす。
「くたばりな!!」
「くぅっ……!?」
アルドラは自分に向けて迫りくる大剣に対して目を閉じた――
――だが、どういう事なのか何時まで経っても襲い掛かるはずの衝撃が来ず、疑問を抱いた彼女は目を開くとそこには信じられない光景が広がっていた。
「くぅっ……ど、どうしてあんたがここに!?」
「……悪いな、この女にはまだ使い道がある」
「えっ……!?」
アルドラの視界にバルの振り下ろそうとした大剣の刃を受け止める人物が立っており、その人物を見て彼女は衝撃の表情を浮かべた。窮地のアルドラを救ったのはミレトを抱えたオウガだった。
「コトミンちゃん!?どうしたの!?」
「今度はなんだい!?」
唐突に自分の胸元を抑えて膝を着いたコトミンを見てティナは驚き、バルは彼女がまさか敵にやられたのかと思ったが、ここまでの道中でコトミンは攻撃を受けてはいない。
コトミンの異変に気付いたアルドラは不審な表情を浮かべて彼女に顔を向けると、この時にコトミンの大きな胸の谷間からヒトミンが顔を飛び出す光景を彼女は確認する。
「ぷるるんっ」
「なっ……ス、スライム!?」
「……ヒトミン、みずてっぽー!!」
胸の中にヒトミンを隠していたコトミンはゴーレムとオオツチトカゲに向けてヒトミンを構えると、ヒトミンは身体を膨らませて口元から大量の水を放射した。
「ぷるっしゃあああっ!!」
「ゴオオッ!?」
「ゴガァッ!?」
「ゴアッ!?」
「シャアアッ!?」
ヒトミンから放たれた大量の水によってゴーレム達とオオツチトカゲの肉体に変化が生じ始め、水を浴びた箇所が変色して泥のように溶けていく。その様子を見た他の者達は驚いた様子を浮かべるが、コトミンはヒトミンを抱きかかえた状態で笑顔を浮かべた。
「ふっ……とっておきは最後までとっておくのが有効」
「あんた……やるじゃないかい!!」
「ヒトミンちゃんも偉いよ~」
「ぷるるっ……(またつまらぬものを溶かしてしまったぜ)」
「こ、このっ……!!」
放水によってゴーレムとオオツチトカゲの全身を覆う土砂の塊が溶けてしまい、これによってゴーレム達は戦闘不能に追い込まれる。オオツチトカゲの方も本体が姿を現し、先ほどまでと比べても一回り程小さくなってしまう。そしてその光景を確認したハルナが放置するはずがない。
「お前等……よくもやってくれたな!!」
「くっ!?」
「シャアアッ!?」
ハルナは全身から電流を流しながら怒りの表情でアルドラに近付くと、主人を守るために咄嗟にオオツチトカゲが前に出た。しかし、そんなオオツチトカゲの顔面をハルナは掴み上げる。
先ほどまではゴーレムと同様に土砂を練り固めた外殻に覆われていた事で電流を浴びるのは回避できたが、現在のオオツチトカゲは生身の状態であるため、電流を帯びたハルナに触れられただけで全身に高圧電流が流れ込む。その結果、数秒もしないうちにオオツチトカゲは黒焦げと化してしまう。
「アガガガガッ!?」
「おらおらおらっ!!」
「ひいっ!?」
オオツチトカゲを空中に持ち上げたハルナは空に投げ飛ばすと、地上に向けて落下してきたオオツチトカゲに対して彼女は拳を振りかざし、何十発もの拳を繰り出す。空中で殴りつけられたオオツチトカゲは悲鳴を上げ、更にハルナはオオツチトカゲの尻尾を掴むとアルドラに目掛けて振り下ろす。
「うおらぁっ!!」
「きゃああっ!?」
アルドラに目掛けて放たれたオオツチトカゲは見事に彼女に的中し、そのままアルドラは地面に押し潰される。彼女は苦痛の表情を浮かべて必死に逃げようとしたが、ハルナはオオツチトカゲ越しに電流を流し込む。
「逃がすか!!」
「あがぁっ!?」
「よし、よくやったよハルナ!!」
「か、勝ったの?」
「……私達の勝ち」
「ぷるんっ!!」
オオツチトカゲに押し潰されたアルドラを見てハルナ達は勝利を確信し、その一方でアルドラの方は電流を帯びた事で白目を剥く。この状態ではどう考えても逆転は不可能であり、このまま彼女に止めをさせば操られていた人々は元に戻る。
バルは大剣を手にして倒れ込んだアルドラの元へ向かい、この時に彼女はアルドラが吸血鬼である事を思い出す。バルは一時期の間、両親の仇である吸血鬼を探していた事を思い出す。結局は両親の仇の吸血鬼は何者かに殺されていたが、まさか別の吸血鬼を倒す機会が訪れるとは思わなかった。
「さあ、これで終わりだよ。ティナ、コトミン……あんた等は下がっていな」
「えっ!?な、何をするの!?」
「ティナ、見ない方がいい」
「はあっ、はあっ……ほら、下がってろよ」
アルドラに止めを刺す前にバルはティナとコトミンを下がらせ、ハルナも流石に限界だったので止めを刺す役目はバルに譲る。アルドラはここで確実に始末しなければならず、彼女は勢いよく大剣を振り下ろす。
「くたばりな!!」
「くぅっ……!?」
アルドラは自分に向けて迫りくる大剣に対して目を閉じた――
――だが、どういう事なのか何時まで経っても襲い掛かるはずの衝撃が来ず、疑問を抱いた彼女は目を開くとそこには信じられない光景が広がっていた。
「くぅっ……ど、どうしてあんたがここに!?」
「……悪いな、この女にはまだ使い道がある」
「えっ……!?」
アルドラの視界にバルの振り下ろそうとした大剣の刃を受け止める人物が立っており、その人物を見て彼女は衝撃の表情を浮かべた。窮地のアルドラを救ったのはミレトを抱えたオウガだった。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。