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真・最終章 七魔将編
全員集合
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――死人将ブラクはマリアの魔法によって完全に消滅した後、冒険都市の氷雨のギルドに大勢の人間が集まる。彼等がここに集まった理由は冒険都市の管理を任されているマリアが遂に帰還したと知り、彼女と直接会って話を聞くためだった。
「マリア様!!お帰りなさい!!」
「ずっとお待ちしていました!!」
「ううっ……生きていると信じていました!!」
「心配をかけたわね……私の留守中、よく都市を守ってくれたわ」
マリアの周りに氷雨に所属する冒険者たちが集まり、彼等は涙を流しながらマリアの帰還を喜ぶ。そんな彼等にマリアは笑みを浮かべ、すぐに彼女は冒険者の中にバルの姿を捉える。
「バル……私がいない間、苦労を掛けさせたようね」
「へっ……別にあんたなんていなくても問題なかったけどね。けど、まあ……お帰り」
「……ただいま」
バルが右手を差し出すとマリアは少し驚いた表情を浮かべるが、すぐに笑顔を浮かべて彼女と握手を交わす。この時にバルはマリアに触れると、以前と少しだけ雰囲気が違う様な気がした。
レナ達も氷雨のギルドに集まっていたが、全員が疲労困憊の状態で何人かは医療室に運び込まれて倒れていた。特に消耗が激しいのはレミアとツバサであり、二人とも聖剣の力を使いすぎたせいで身体に大きな負担が掛かり、しばらくの間は目覚める様子はない。しかし、レナは割と早くに回復してマリアを迎え入れる。
「叔母様!!」
「レナ!!無事だったのね、貴方とずっと会いたかったわ!!」
「ちょっ……あたしの時と反応違い過ぎないかい!?」
レナが現れた途端にマリアはバルの手を離して彼の元に駆けつけ、お互いに抱きしめ合う。その反応にバルは呆れてしまうが、他の者たちもマリアの元へ駆けつけて喜ぶ。
「おお、マリア殿!!無事でよかったでござる!!」
「マリア様……お待ちしておりました」
「ハンゾウ、シノビ……貴方達にも迷惑をかけたわね」
「へっ、嬢ちゃん……俺達の事を忘れてねえか?」
「…………」
ハンゾウとシノビはマリアの前に跪き、その後ろからシュンとハヤテが姿を現す。ハヤテはいつも首にぶら下げていた拡音石のペンダントは掛けておらず、何を話しているのかは聞こえなかったがどうやら少し怒っている様子だった。
「マリア様!!無事だったのですね!!」
「生きているとは思ったけど、まさかあんな形で戻ってくるなんてね」
「マリアか……いや、今はハヅキ殿と呼ぶべきか」
「マリアさん、お久しぶりです!!」
ジャンヌとシズネも遅れて現れ、二人の後に北聖将のハシラとエリナも訪れた。六聖将である彼がここに居る事にマリアは特に驚かず、だいたいの事情は氷雨に向かう途中で彼女も報告を受けていた。
「まさかヨツバ王国から援軍が駆けつけてくるなんて……余程、国王様は娘さんの事が心配の様ね」
「からかわれるな……国王様が心配しているのはティナ様だけではない、同盟国としてこの国の危機に力になりたいと判断した上での行動だ。それに貴国の者達がヨツバ王国を救ったのも事実……森人族は一度受けた恩は必ず返す」
ヨツバ王国を守護する立場の六聖将が派遣されたのは、ヨツバ王国の王女であるティナの要望を聞いただけではなく、かつてバルトロス王国の人間にヨツバ王国が救われた事も理由の一つである。レナ達がいなければヨツバ王国はカレハに国を乗っ取られていたかもしれず、その窮地を救ったレナ達に国王は恩義を感じていた。
尤も今回の一件でヨツバ王国はバルトロス王国に借りを返したとは思っておらず、結果から言えば北聖将は恩を返したと言えるほどの功績を立てていないと考えていた。六聖将軍が駆けつけてくれた事でブラクから冒険都市を救う事はできたが、それでも国を救ったという程の恩義は返したとは言い難い。
「我々の後にも他の六聖将の部隊が辿り着く。その場合、ハヅキ家の当主である貴方が指揮を執って貰う事になる事をお忘れなく……」
「六聖将でもない私が指揮を執る事に不満はないのかしら?」
「御冗談を……ハヅキ家が我が国でどれほど特別な存在なのかは理解しているはず」
「そうね……」
ハヅキ家はヨツバ王国の貴族の中でも特殊な立場であり、ハヅキ家の当主は六聖将と同格、あるいはそれ以上の権威が与えられている。その理由は色々とあるが、ハヅキ家が代々風属性の聖痕を管理してきた事が要因である。
風属性の聖痕はヨツバ王国にとっても大切な存在であり、それを守り通すためにはハヅキ家の協力は必要不可欠だった。一時的にレナが風属性の聖痕を宿していた時もあったが、彼もハヅキ家の血筋の人間であるという理由、そしてマリアが彼の傍に居たからこそ見逃されていた。
仮にハヅキ家以外の存在、それこそ森人族以外の種族が風属性の聖痕を宿した場合、ヨツバ王国は何としてもその人物を確保して監禁、あるいは聖痕を奪取する。それほどまでに風属性の聖痕は特別な力であり、ハヅキ家以外の人物には任せる事ができない。そういう意味ではマリアのようにハヅキ家の人間でしかも優秀な魔術師である彼女ほど聖痕の所有者として適任はいない。
「マリア様!!お帰りなさい!!」
「ずっとお待ちしていました!!」
「ううっ……生きていると信じていました!!」
「心配をかけたわね……私の留守中、よく都市を守ってくれたわ」
マリアの周りに氷雨に所属する冒険者たちが集まり、彼等は涙を流しながらマリアの帰還を喜ぶ。そんな彼等にマリアは笑みを浮かべ、すぐに彼女は冒険者の中にバルの姿を捉える。
「バル……私がいない間、苦労を掛けさせたようね」
「へっ……別にあんたなんていなくても問題なかったけどね。けど、まあ……お帰り」
「……ただいま」
バルが右手を差し出すとマリアは少し驚いた表情を浮かべるが、すぐに笑顔を浮かべて彼女と握手を交わす。この時にバルはマリアに触れると、以前と少しだけ雰囲気が違う様な気がした。
レナ達も氷雨のギルドに集まっていたが、全員が疲労困憊の状態で何人かは医療室に運び込まれて倒れていた。特に消耗が激しいのはレミアとツバサであり、二人とも聖剣の力を使いすぎたせいで身体に大きな負担が掛かり、しばらくの間は目覚める様子はない。しかし、レナは割と早くに回復してマリアを迎え入れる。
「叔母様!!」
「レナ!!無事だったのね、貴方とずっと会いたかったわ!!」
「ちょっ……あたしの時と反応違い過ぎないかい!?」
レナが現れた途端にマリアはバルの手を離して彼の元に駆けつけ、お互いに抱きしめ合う。その反応にバルは呆れてしまうが、他の者たちもマリアの元へ駆けつけて喜ぶ。
「おお、マリア殿!!無事でよかったでござる!!」
「マリア様……お待ちしておりました」
「ハンゾウ、シノビ……貴方達にも迷惑をかけたわね」
「へっ、嬢ちゃん……俺達の事を忘れてねえか?」
「…………」
ハンゾウとシノビはマリアの前に跪き、その後ろからシュンとハヤテが姿を現す。ハヤテはいつも首にぶら下げていた拡音石のペンダントは掛けておらず、何を話しているのかは聞こえなかったがどうやら少し怒っている様子だった。
「マリア様!!無事だったのですね!!」
「生きているとは思ったけど、まさかあんな形で戻ってくるなんてね」
「マリアか……いや、今はハヅキ殿と呼ぶべきか」
「マリアさん、お久しぶりです!!」
ジャンヌとシズネも遅れて現れ、二人の後に北聖将のハシラとエリナも訪れた。六聖将である彼がここに居る事にマリアは特に驚かず、だいたいの事情は氷雨に向かう途中で彼女も報告を受けていた。
「まさかヨツバ王国から援軍が駆けつけてくるなんて……余程、国王様は娘さんの事が心配の様ね」
「からかわれるな……国王様が心配しているのはティナ様だけではない、同盟国としてこの国の危機に力になりたいと判断した上での行動だ。それに貴国の者達がヨツバ王国を救ったのも事実……森人族は一度受けた恩は必ず返す」
ヨツバ王国を守護する立場の六聖将が派遣されたのは、ヨツバ王国の王女であるティナの要望を聞いただけではなく、かつてバルトロス王国の人間にヨツバ王国が救われた事も理由の一つである。レナ達がいなければヨツバ王国はカレハに国を乗っ取られていたかもしれず、その窮地を救ったレナ達に国王は恩義を感じていた。
尤も今回の一件でヨツバ王国はバルトロス王国に借りを返したとは思っておらず、結果から言えば北聖将は恩を返したと言えるほどの功績を立てていないと考えていた。六聖将軍が駆けつけてくれた事でブラクから冒険都市を救う事はできたが、それでも国を救ったという程の恩義は返したとは言い難い。
「我々の後にも他の六聖将の部隊が辿り着く。その場合、ハヅキ家の当主である貴方が指揮を執って貰う事になる事をお忘れなく……」
「六聖将でもない私が指揮を執る事に不満はないのかしら?」
「御冗談を……ハヅキ家が我が国でどれほど特別な存在なのかは理解しているはず」
「そうね……」
ハヅキ家はヨツバ王国の貴族の中でも特殊な立場であり、ハヅキ家の当主は六聖将と同格、あるいはそれ以上の権威が与えられている。その理由は色々とあるが、ハヅキ家が代々風属性の聖痕を管理してきた事が要因である。
風属性の聖痕はヨツバ王国にとっても大切な存在であり、それを守り通すためにはハヅキ家の協力は必要不可欠だった。一時的にレナが風属性の聖痕を宿していた時もあったが、彼もハヅキ家の血筋の人間であるという理由、そしてマリアが彼の傍に居たからこそ見逃されていた。
仮にハヅキ家以外の存在、それこそ森人族以外の種族が風属性の聖痕を宿した場合、ヨツバ王国は何としてもその人物を確保して監禁、あるいは聖痕を奪取する。それほどまでに風属性の聖痕は特別な力であり、ハヅキ家以外の人物には任せる事ができない。そういう意味ではマリアのようにハヅキ家の人間でしかも優秀な魔術師である彼女ほど聖痕の所有者として適任はいない。
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