不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

文字の大きさ
1,558 / 2,091
真・最終章 七魔将編

魚人の襲来

しおりを挟む
「この……離れろ!!」
「アガァッ……!?」


鮫に対してレナは掌を当てると、リンダの発勁を参考に作り出した「衝風」を放つ。この技は打撃と同時に至近距離から風圧の魔法を発動させる技だが、マリアのお陰で魔法の力が強化された事で鮫は派手に吹き飛ぶ。

風圧というよりは衝撃波でも受けたかのように鮫は派手に吹き飛び、滝壺に落ちてしまう。それを見たイカとタコは驚いたように振り返るが、その間にゴンゾウがイカを持ち上げて叩き付ける。


「ぬんっ!!」
「ジュラァッ!?」


イカは地面に叩き付けられて奇怪な悲鳴を上げ、その一方でタコの方は逃げ惑うシズネとヒトミンを捕らえようと触手を伸ばす。しかし、二人とも必死に飛び回って攻撃を回避する。


「ち、近づかないで!!私はぬめぬめした物が苦手なのよ!?」
「ぷるるんっ♪」
「ジュルルルッ……!?」


吸血鬼化の影響なのかシズネの身体能力は以前よりも格段に上昇し、一方でヒトミンの方は楽し気に身体を弾ませながら触手を躱す。捕まらない二人にタコは焦ったように触手を伸ばすが、その間に後ろからレナが近付いてタコの頭部に退魔刀を叩き込む。


「タコ焼きにしてやる!!」
「タコォッ!?」


大剣の腹の部分でレナは頭を叩き付けると、タコの頭が歪んで奇妙な悲鳴が響き渡る。その声に反応したのか先ほどレナに滝壺に落とされた鮫が再び水面から現れ、怒声を上げながら飛び掛かってきた。


「シャアアアッ!!」
「うぜぇっ!!」
「アガァッ!?」


正面から突っ込んできた鮫に対してレナは退魔刀を振りかざし、この時に彼は無意識に退魔刀に魔力を送り込む。退魔刀の刃に風属性の魔力が宿り、自分に飛び掛かる鮫に対して叩き込む。

魔法剣を発動させたレナは鮫を正面から跳ね返し、先ほどよりも凄まじい威力の攻撃を受けた鮫は天高く舞い上がる。その光景を見てレナは驚き、彼の周囲に風の精霊が集まる。


(そうか、さっき吹き飛ばした時に精霊が集まって……力を貸してくれたのか)


先ほどレナが「衝風」を仕掛けた時に風の精霊が彼の元に集まり、そして魔法剣を発動した時に力を貸してくれた。魔法の力を磨かれた事でレナも精霊魔法を扱い、まだシュンやハヤテ程ではないが風属性の魔法剣が扱えるようになっていた。


「シャアアアッ!?」
「うわっ……こいつら、何なんだ?」


再び水面に落ちた鮫は派手に水飛沫を上げて水中に沈み、他のイカとタコは地面に倒れたまま動かない。いきなり現れた海の生物たちにレナは戸惑っていると、再び水面から影が出現する。


「レナ!!まだ水中に何かいるぞ!!」
「えっ?」
「ま、まだいるの!?」
「ぷるんっ?」


ゴンゾウの言葉にレナは振り返って水面を確認すると、確かに水面に影ができていた。そして水飛沫を上げて再び鮫が出現した。


「シャアアッ♪」
「くそ、しぶとい奴だな……あれ?」
「お前は……まさか!?」
「な、何?どうしたの?」
「ぷるぷるっ?」


水面から現れたのは鮫で間違いないが、先ほどレナ達を襲い掛かってきた鮫よりも小柄であり、一回り程小さい。そしてレナとゴンゾウはその鮫に見覚えがあった。鮫の方は水面から顔を出すと、嬉しそうにレナ達に鳴き声を上げる。


「シャウッ!!シャウッ!!」
「その鳴き声は……お前、まさかシークか!?」
「シークだと!?」
「し、知り合いなの?」
「ぷるるんっ!?」


シークが現れた事にレナとゴンゾウは驚き、一方でシークの方はレナ達に会えた事に嬉しそうに鳴き声を上げた。久々の再会にレナ達は戸惑いながらも嬉しく思う。しかし、どうしてシークがこの森にいるのかと疑問を抱く。

獣人国で別れたはずのシークが王国の領地である深淵の森に居る事にレナ達は不思議に思い、シークの他にも現れた鮫やタコやイカの事も気になった。だが、レナが一番気になるのはコトミンであり、彼女はここで魚を取っていたはずだが姿を見えない事に心配する。


「シーク、久しぶりに会えて嬉しいけどコトミンを知らないか?ここにいたはずなんだけど……」
「シャウッ?」
「ほら、前にお前を捕まえた女の子だよ」


レナがシークと出会ったのはコトミンが彼を食べるために捕まえたからであり、後にシークがただの鮫じゃなくて「魚人」と呼ばれる種族だと判明して食べるのは辞めた。その後はしばらくの間はレナ達と同行して旅をしていたが、色々とあって別れる事になった。

魚人とは人魚族と似通った種族であり、人魚族と違うのは彼等は生まれた時は海中生物のような姿をしているが、年を重ねるごとに人間のような姿に変化していく。そして状況的に考えてレナ達を襲った鮫達の正体は魚人である可能性が高い。


「おい、お前等……言葉が通じるのか?ここに居た女の子はどうした?それとなんでシークと一緒に居るんだ?」
「タ、タコォッ……」
「ジュラァッ……」


言葉が話せないシークでは埒が明かず、駄目元でレナは倒れているタコとイカに話しかける。しかし、どちらも怯えたように震えるだけで何もせず、仕方なくレナはアイリスと交信しようとした時に水面から何かが飛び出してきた。
しおりを挟む
感想 5,095

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

霜月雹花
ファンタジー
 神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。  神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。 書籍8巻11月24日発売します。 漫画版2巻まで発売中。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。