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真・最終章 七魔将編
人間砲弾発射!!
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『確かに人間が侮れないとはいえ、海の中ならば我々に勝てる存在などいないというのに……』
先日に人間のレナ達に負けて兄貴分も攫われたというのにタルコは海中ならば自分達が負けるはずがないと思い込んでいた。陸上ならばともかく、海中であれば魚人本来の力を引き出せるとタルコは思い込んでいた。
魚人族や人魚族が真の力を発揮できるのは海の中であり、そもそもどちらの種族も陸地を行動するには不向きな肉体をしている。理由としては彼等は定期的に水を摂取しなければ地上では活動できず、陸地で行動できる時間は限られている。
『魚人王は大陸も支配すると言っていたが、別に我々は海で平和に暮らせればそれでいいというのに……何故、人間などに手を出すのだ?』
タルコは魚人王の命令に従っているとはいえ、彼としては自分達が平穏に暮らせぬ大陸の支配など興味はなく、むしろ海を支配する事にも心の中では反対だった。彼としては海底王国で平和に暮らす事ができれば満足なのだが、魚人王はあくまでも海と陸の支配を目論む。魚人王に従う以上はタルコも他の魚人も逆らえない。
『全く、あの魚人王が現れてから我々の生活は変わってしまった』
魚人王が現れて配下となった日からタルコは平穏な生活を送る事はできず、常に魚人王の指示に従って行動してきた。できる事ならばタルコは誰もいない場所で平和に暮らしたいと思っている所だが、生憎と彼は逃げる事はできない。過去に逃げ出した魚人がどうなるのか彼はこの目で見ている。
陸地の支配に反対していた数人の魚人が逃げ出した事があり、その時はタルコも一緒に逃げる予定だった。しかし、彼の仲間達は予定よりも早くに逃げ出してしまい、それを知った魚人王は恐るべき行動を取る。魚人王が持つ本物の宝玉の力を発揮させ、彼等は一瞬にして捕えられた。
『あの御方の力は恐ろしい……敵う者などいない』
バクが使用していた宝玉はただの紛い物であり、本物の宝玉とは比べ物にならない。彼が利用していた宝玉はあくまでも失敗作であり、唯一の成功作は魚人王の手にある。魚人王は宝玉と聖剣を利用する事で信じがたい力を手に入れた。
『昔はあの御方はああではなかったのに……』
宝玉と聖剣を手に入れる前の魚人王は決して大陸を侵略するなどを企むような人物ではなかった。実はタルコは昔から魚人王の事を知っており、それだけに未だに魚人王の行動が信じられない。
『大きな力を手に入れてからあの御方は変わられた……もう、後戻りはできない』
囮役としてタルコは自分の役目を全うするため、人間達が乗り込んだ船を誘導する。心理的には潜水船が鮫の形を模しているので巨大鮫に追われているようであまり良い気分はしないが、タルコは海中ならばその気になれば逃げ切れる自信はあった。
海底王国まで人間達を乗せた船を誘導するように指示したのは魚人王であり、どうしてわざわざ海底王国まで人間を乗せた船を誘導するのかはタルコも理由は聞かされていない。尤もどんな理由であろうと命令であるのならばタルコに逆らう事はできず、彼は言われた通りに囮役となって誘導する。
『もう少しか……ん?な、何だ?』
唐突に潜水船の方から音が響き、水中なので音は地上よりも良く響く。異変に気付いたタルコは振り返ると、そこには潜水船の先端、つまりは鮫(模様)の口の部分から砲台のような物が出現していた。
『なっ!?何だあれは!?』
口から筒のような物を出現させた鮫(のような外見の船)にタルコは慌てふためくが、この時に砲台から出現したのは砲弾や光線の類ではなく、緑色の光の膜のような物に覆われた人間だった。しかもその人間は見覚えがあり、タルコに目掛けて真っ直ぐに飛び込む。
『待てこらぁっ!!』
『うわぁあああっ!?』
海中にも関わらずにタルコの耳には人間の声が聞こえ、その正体は先日にバクを捕縛してシークを奪い去ったレナという名前の人間で間違いなかった。いったいどのような手段を使ったのか分からないが、もう日の光が届かない程の海底に移動しているのにレナは魚人や人魚のように移動してタルコに迫る。
魔導砲を利用して海中に飛び出したレナは全身に風の精霊の魔力を纏い、精霊の力を利用して自分の周囲に風の膜を作り出す。そして足元の部分にはスクリューのように風の渦巻が発生して自由に移動する事ができた。
(よし、これなら問題なく移動できる!!)
元々はマリアが集めた風の精霊であるが、レナに意思に応じて精霊を操って海中を移動する事ができた。しかし、魔法の効果が切れればレナの肉体は水圧に襲われてしまい、その場合はいくら彼でも数秒も持たずに死亡してしまう。そのために魔法の効果が持続する間にタルコを捕まえる必要があった。
先日に人間のレナ達に負けて兄貴分も攫われたというのにタルコは海中ならば自分達が負けるはずがないと思い込んでいた。陸上ならばともかく、海中であれば魚人本来の力を引き出せるとタルコは思い込んでいた。
魚人族や人魚族が真の力を発揮できるのは海の中であり、そもそもどちらの種族も陸地を行動するには不向きな肉体をしている。理由としては彼等は定期的に水を摂取しなければ地上では活動できず、陸地で行動できる時間は限られている。
『魚人王は大陸も支配すると言っていたが、別に我々は海で平和に暮らせればそれでいいというのに……何故、人間などに手を出すのだ?』
タルコは魚人王の命令に従っているとはいえ、彼としては自分達が平穏に暮らせぬ大陸の支配など興味はなく、むしろ海を支配する事にも心の中では反対だった。彼としては海底王国で平和に暮らす事ができれば満足なのだが、魚人王はあくまでも海と陸の支配を目論む。魚人王に従う以上はタルコも他の魚人も逆らえない。
『全く、あの魚人王が現れてから我々の生活は変わってしまった』
魚人王が現れて配下となった日からタルコは平穏な生活を送る事はできず、常に魚人王の指示に従って行動してきた。できる事ならばタルコは誰もいない場所で平和に暮らしたいと思っている所だが、生憎と彼は逃げる事はできない。過去に逃げ出した魚人がどうなるのか彼はこの目で見ている。
陸地の支配に反対していた数人の魚人が逃げ出した事があり、その時はタルコも一緒に逃げる予定だった。しかし、彼の仲間達は予定よりも早くに逃げ出してしまい、それを知った魚人王は恐るべき行動を取る。魚人王が持つ本物の宝玉の力を発揮させ、彼等は一瞬にして捕えられた。
『あの御方の力は恐ろしい……敵う者などいない』
バクが使用していた宝玉はただの紛い物であり、本物の宝玉とは比べ物にならない。彼が利用していた宝玉はあくまでも失敗作であり、唯一の成功作は魚人王の手にある。魚人王は宝玉と聖剣を利用する事で信じがたい力を手に入れた。
『昔はあの御方はああではなかったのに……』
宝玉と聖剣を手に入れる前の魚人王は決して大陸を侵略するなどを企むような人物ではなかった。実はタルコは昔から魚人王の事を知っており、それだけに未だに魚人王の行動が信じられない。
『大きな力を手に入れてからあの御方は変わられた……もう、後戻りはできない』
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海底王国まで人間達を乗せた船を誘導するように指示したのは魚人王であり、どうしてわざわざ海底王国まで人間を乗せた船を誘導するのかはタルコも理由は聞かされていない。尤もどんな理由であろうと命令であるのならばタルコに逆らう事はできず、彼は言われた通りに囮役となって誘導する。
『もう少しか……ん?な、何だ?』
唐突に潜水船の方から音が響き、水中なので音は地上よりも良く響く。異変に気付いたタルコは振り返ると、そこには潜水船の先端、つまりは鮫(模様)の口の部分から砲台のような物が出現していた。
『なっ!?何だあれは!?』
口から筒のような物を出現させた鮫(のような外見の船)にタルコは慌てふためくが、この時に砲台から出現したのは砲弾や光線の類ではなく、緑色の光の膜のような物に覆われた人間だった。しかもその人間は見覚えがあり、タルコに目掛けて真っ直ぐに飛び込む。
『待てこらぁっ!!』
『うわぁあああっ!?』
海中にも関わらずにタルコの耳には人間の声が聞こえ、その正体は先日にバクを捕縛してシークを奪い去ったレナという名前の人間で間違いなかった。いったいどのような手段を使ったのか分からないが、もう日の光が届かない程の海底に移動しているのにレナは魚人や人魚のように移動してタルコに迫る。
魔導砲を利用して海中に飛び出したレナは全身に風の精霊の魔力を纏い、精霊の力を利用して自分の周囲に風の膜を作り出す。そして足元の部分にはスクリューのように風の渦巻が発生して自由に移動する事ができた。
(よし、これなら問題なく移動できる!!)
元々はマリアが集めた風の精霊であるが、レナに意思に応じて精霊を操って海中を移動する事ができた。しかし、魔法の効果が切れればレナの肉体は水圧に襲われてしまい、その場合はいくら彼でも数秒も持たずに死亡してしまう。そのために魔法の効果が持続する間にタルコを捕まえる必要があった。
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【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
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本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
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