不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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蛇足編

和国観光

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――その日の夜、久々にレナは夢の世界でアイリスと対面していた。アイリスとは定期的に夢の世界で邂逅していたが、最近は色々と忙しくて会う機会に恵まれなかった。


「こうしてレナさんと生身で会うのは久々ですね」
「まあ、そうだね。でも気になるのはなんでスラミンもいるの?」
「ぷるるんっ」


夢の世界には何故かスラミンも同行しており、本来ならばこの世界にはレナとアイリスしか入れないはずだがスラミンも何故か入り込んでいた。


「レナさん、眠る時にスラミンを枕にしてたでしょう。そのせいで私達の世界に紛れ込んだようですね」
「何だその理屈……でも、偉く小さいな」
「ぷるんっ」


夢の世界のスラミンは何故か掌に収まるぐらいの大きさに縮んでおり、彼はレナの頭の上で元気よく飛び跳ねる。そんなスラミンを見てアイリスは感心した表情を浮かべる。


「ふむふむ、どうやらスラミンは異世界人とは縁が深い存在のようですね」
「どういう意味?」
「まあ、その辺の話は良いじゃないですか。ほら、餌をあげますよ」
「ぷるんっ」


アイリスがアイスを作り出して差し出すとスラミンは即座に噛みつき、美味しそうにアイスを頬張る。その姿を見てレナは和みながらも自分を唐突に呼び出したアイリスから話を聞く。


「それで?俺を呼び出した理由は?まさか本当に暇だから呼び出したわけじゃないよな?」
「それもありますけど、他にも理由はあります。今日の昼に白銀龍の鱗を拾ったでしょう?」
「ああ、あれね……それがどうかしたの?」
「レナさんに作って欲しい物があるんですよ。後々の時代にも作れる武器を」


白銀龍の鱗を利用してアイリスはレナにある物の制作を依頼し、彼女には今まで色々と世話になっているのでレナとしては断る事はできない。だが、依頼された内容物を聞いてレナは困り果てる。


「そんなのどうやって作ればいいんだよ……」
「レナさんは素材集めに集中して下さい。後の事は私が何とかしますから」
「……分かった」
「ぷるるんっ」


アイリスから依頼を引き受けたレナはまずは素材を集める事に専念し、彼はスラミンとアイリスと二人で遊んだ後に現実世界へと戻った――





――砂漠都市から帰還してから数日後、レナは嫁(+スラミン&ヒドミン&リンダ)を連れて和国へ訪れた。移動方法はマリアから借りた水晶札で転移魔法を発動させ、一瞬で和国へと辿り着く。以前にも訪れた事がある国だが、今回の目的は和国でしか手に入らない素材の調達だった。


「わあ~ここに来るの久しぶりだね~」
「そうですね。ですが以前と比べて外国人も増えてますね」
「シノビやハンゾウを連れて来れば道案内してもらえたのだけど……」
「あの二人は冒険都市にいるから仕方ないよ」
「この国の魚、美味しい」


和国に訪れたレナ達は最初は観光を楽しみ、特にコトミンは和国の魚料理に夢中だった。この国でしか扱っていない魚も多く、彼女は美味しそうに味わう。


「それにしても急に和国に行きたいなんて何を言い出すのかと思ったけど……ここへ来た理由をそろそろ教えてもらえるかしら?」
「ちょっと欲しい物があってね。この国でしか取り扱っていないらしいけど……」
「何が欲しいの?」
「まあ、色々とね」


アイリスに依頼された代物を作り出すためには和国でも素材を色々と調達する必要があり、レナ達はここへと訪れた。だが、その途中で彼等は思いもよらぬ人物たちと顔を合わせた。


「あ~!!お前は!?」
「貴方は……!?」
「え?えっと……誰だっけ?」
「確か……ヨクヒとカンエンよ。闘技祭にも出場していたでしょう」


闘技祭でも出場していたヨクヒとカンエンと道端で遭遇し、久しぶりに再会した二人にレナ達は驚く。ヨクヒとカンエンは氷雨に所属する冒険者であり、数少ないS級冒険者でもある。二人は他国で活動しており、滅多に冒険都市に訪れる事はないが久しぶりに再会したレナにヨクヒは興奮気味に突っかかる。


「この野郎!!ようやく会ったぞ……あの時の借りを返してやる!!」
「どの時だっけ?」
「え?えっと……ほら、あれだ!!最初に会った時にあたしを虚仮にしたのを忘れたか!?」
「ヨクヒ……あれはお前が突っかかっただけだろう」


ヨクヒはレナと出会った時は彼が強者に見えずに小馬鹿にした態度を取ったが、その際に実力を示すためにレナは勝負した。彼女は「飛姫将」という渾名を持つ強者だったが、結果から言えばレナの完勝で終わった。

S級冒険者であるのでヨクヒの実力は氷雨の中でも指折りだが、当時はレナを舐めていた事もあって真の実力を発揮する前に敗れてしまった。だが、屈辱を思い出したヨクヒはレナに突っかかる。


「あの時の借りを返してやる!!勝負だ!!」
「うるせえよ」
「むぐぅっ!?」
「ヨクヒ!?」


会話の際中に何者かがヨクヒの顔面を掴み、それを見たカンエンは驚きの声を上げる。ヨクヒを止めたのはレナ達の一番後ろを歩いていたハルナだった。
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