不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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蛇足編

ギガンの兄弟子

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「勝負の邪魔をしないでもらおう!!」
「申し訳ないが大人しく見ていてもらおうか」
「大将軍!!どうか気にせずに勝負を!!」
「なっ!?何を考えているのですか貴方達は!?」
「退きなさい!!氷漬けにされたいの!?」
「邪魔しないで~!!」
「むうっ……」


巨人族の兵士に阻まれたシズネ達の声を聞いてレナは振り返ろうとすると、その隙を逃さずにゴウカは日輪を振りかざす。ゴウカは全身の筋力を込めてレナに叩きつけようとした。


「勝負の際中によそ見とはいい度胸だな!!撃剣!!」
「その技は……!?」


バルが得意とする戦技も扱えるらしく、ゴウカは渾身の一撃を放つ。咄嗟にレナは退魔刀を構えると正面から受け止めた。強烈な衝撃と金属音が響き渡り、予想以上の攻撃の重さにレナの足元が地面に沈む。


「ぐぅっ!?」
「なっ!?この一撃を受けて立っていた人間は初めてだ……だが、これまでだ!!」
「このっ……舐めるなっ!!」


自分の一撃を受けて耐え切ったレナにゴウカは驚いたが、すぐに日輪を引いてもう一度同じ攻撃を繰り出そうとした。だが、レナは退魔刀を構えて最小限の動きで攻撃を受け流す。


「流水!!」
「何!?」


受け流しの上位互換の戦技「流水」は最小限の動作で敵の攻撃の軌道を変える戦技であり、退魔刀の刃で日輪を受け止めて別方向へ受け流す。自分の攻撃を受け流されたゴウカは体勢を崩し、その隙を逃さずにレナは距離を取った。

先の一撃を受けた際にレナは両腕が痺れ、完全に回復するまで10秒ほど時間は必要だと判断した。しかし、その間にもゴウカは体勢を整えて彼に猛攻を繰り出す。


「流石だな!!あのギガンの弟子を打ち破っただけはある!!」
「ギガンの弟子……まさかゴンちゃん!?ゴンちゃんを知ってるんですか!?」
「知っているとも!!ゴンゾウは我が兄弟子のギガンの一番弟子だからな!!」
「兄弟子!?」


ゴウカはギガンとは同門であり、一時期はギガンと同じく格闘家だった。だから並の巨人族よりも肉体が強靭であり、持ち前の怪力を発揮して攻撃を繰り出す。


「喰らうがいい!!これが巨人族の剣技、地裂だ!!」
「剣技!?」


力技を得意とする巨人族らしく、ゴウカの繰り出した戦技は豪快で凄まじい一撃だった。ゴウカは地面に日輪を振り下ろすと、その一撃で地面に亀裂が走ってレナの足元にまで到達した。レナは足場が崩れたせいで体勢を崩し、その隙を逃さずにゴウカは踏み込む。


「うおおおおっ!!」
「くぅっ!?」
「レナ!?逃げなさい!!」


足場が崩れたせいでレナは踏ん張りがきかず、このままではゴウカの攻撃をまともに受けてしまう。シズネはレナに逃げるように促すが足が地面の亀裂に嵌まったせいで逃げることもままならない。その間にもゴウカは迫り、万事休すかと思われたがレナはある方法を思いつく。


(これしかない!!)


自分も無事では済まないがこの窮地を脱するためにレナは右手に魔力を込めて地面に押し当てる。そして彼は「土塊」の魔法を利用して割れた地面を元に戻す。土塊は土砂を操作する魔法のため割れた地面を戻すこともできた。

ゴウカが迫る前に足場を元に戻したレナは退魔刀を握りしめ、奥の手である「加速剣撃」を発動させた。手元に紅色の魔力を纏わせた状態で剣を握りしめ、複合戦技を繰り出す。


「「撃剣!!」」


二人は同時に同じ剣技を繰り出すと、今日一番の強烈な衝撃と金属音が鳴り響く。日輪と退魔刀が衝突した瞬間に熱波が当たりに広がり、退魔刀の一撃で日輪に纏っていた炎が掻き消える。そして退魔刀の一撃で日輪の刃に罅が入った。


「馬鹿なっ!?」
「うおらぁあああっ!!」


本来ならば両腕が痺れた状態なのでレナは思う存分に力を込めることはできないが、魔力を利用することで手元を固定させる。この状態ならば武器が手元から離れることはないので全力で繰り出すことができた。ゴウカの敗因はレナを剣士だと思い込んで戦ったことであり、魔術師ならではの方法でレナは打ち破る。

武器を破壊されかけようとしているゴウカは反射的に武器を戻すが、その隙を逃さずにレナは踏み込む。退魔刀を手放してゴウカに目掛けて紅色の魔力をまとった状態で掌底を繰り出す。彼が纏う紅色の魔力の正体は土属性の魔力であり、重力を操る力を持つ。


「リンダ直伝!!疑似発勁!!」
「ぐはぁっ!?」
「そ、そんな技は教えた覚えがありませんがっ!?」


レナがゴウカに両手を突き出した瞬間に重力の衝撃波が放たれ、まともに受けたゴウカの巨体が吹き飛ぶ。ゴウカは派手に地面に転がり込むと動かなくなり、それを見た巨人族の兵士は慌てて彼の元へ駆け出す。


「ゴ、ゴウカ大将軍!?」
「そんな馬鹿な……あんな人間に大将軍が敗れたのか!?」
「しっかりしてください!!」
「う、ううっ……」


兵士に抱き起されたゴウカは足元を抑え、身長の差でレナは掌底を当てることができたのは膝の辺りまでだった。両足を負傷したゴウカを巨人族の兵士は心配するが、そんな彼を見てレナはコトミンに声をかける。
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