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第8話 言葉ではなく

戦闘 Episode:12

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「あ、でもあたし、ここにいるときは銃も持ってるから」
「そうなの?」

 けどそれなら、かなり戦法の幅が広がる。

 あたしはざっと周囲を見回した。
 割合まっすぐな通り。少し奥には十字路と停められた車。

 だったら……。

「あたしとイマドで、前線に出るわ。
 シーモアたちは後ろの十字路と車使って防衛線とって、そこから弾幕張って。もし自動小銃とか手榴弾があったら、使っちゃっていいから」

「つ、使っちゃってって……」

 ナティエスが信じられないといった顔になる。

「ナティの言う通りだよ。あんたはまだともかく、イマドはどうなる?」
「平気よ」

 自信があった。
 なにしろイマドは、母さんを上回る能力の持ち主だ。だとすれば間違いなく、周囲をあたし以上に把握できる。

「イマド、ホントに平気?」
「どうにかなるだろ」

 心配したナティエスが訊いたけど、当のイマドの答えもあっさりしていた。

「ったく、あんたら二人ときた日にゃ……。
 ま、いいか。そしたらともかく頼むよ」

 シーモアたちが下がる。

「足枷がなくなったってか?」
「そんな言い方したら、悪いわよ……」

 確かに傍にいられると巻き込みそうで力が出し切れないけれど、それはみんなのせいじゃない。

「それより、人形狙ってね?」
「――こうか?」

 いきなり一機の旧型が、小さな爆発を起こしてひっくり返った。ついでに吹き飛んだ腕が、向こうのほうで兵士の頭に命中する。

「な、なにしたの……?」
「魔力暴走させただけだって」

 どうってことない。そんな調子でイマドが説明した。

「心のないもんに魔力むりやり宿らせると、案外簡単に暴走するんだよ。だから外からちょっと後押しすると、すぐああなっちまうんだ」

「そ、そう……」

 返す言葉が無かった。
 なにしろ理屈では知っていたけど、実際に見たのはあたしも初めてだ。

 ――実家で開発してる兵器、急いで全部に魔力干渉防ぐ機能つけなきゃ。

 イマドみたいな能力の持ち主が何人も出たりしたら、完全に戦略が崩れてしまう。
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