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第9話 至高の日常
掌握 Episode:05
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微妙に違うコップのデザインは三種類、ひとつだけのと3つお揃い、あとの残る10個は同じだ。
もう、意味は明らかだった。
まず揃っているほうを子供たちに配る。
「おねえちゃん、これ、もっと!」
「ごめんね、そのお菓子はもうないの。こっちでいい? それから、ちゃんとミルクも飲もうね」
「うん」
よっぽどおなかが空いてたんだろう。みんな必死なくらいに食べて、飲んでいる。
全員にミルクを配り終えてから、あたしもミルクを手に取った。もちろん、ひとつしかないデザインのものだ。
そして、なるべくさりげなく、犯人たちに声をかける。
「あの……ミルク、飲みませんか? 余ってて……」
「うん?」
犯人たちの視線がこっちへ向いた。
――上手くやらないと。
ヘタなそぶりを見せたら気づかれて、すべてが水の泡になる。
「余った? なんでだ」
「すみません。でも、余って……。
たぶん看護士さんが……多く作ったんだと、思うんですけど……」
よく分からないけど困っている、そんな感じが出るように言う。
犯人たちが顔を見合わせた。
「その、置いておいても、悪くなっちゃいそうで……」
あたしが言葉を続けると、もう一度犯人たちが互いに視線を交わした。
「まだ暑くもないのに、悪くなるか?」
「ここは暖房入ってるからな。そのうち酸っぱくなるだろ」
「じゃぁ、飲んじまうか」
三人がそれぞれ、コップに手を伸ばす。
「でもよ、No.1から絶対飲み食いするなって、言われてるぜ?」
「そうだな……」
犯人たちが躊躇った。
――ダメかも。
でもそれを見届ける間もなく、子供たちがまた話しかけてきた。
「おねえちゃん、ねむい……」
「おなかいっぱいだし、もう夜だもんね。
――ほら、ここに寝て」
目をこすっている子を寝かせて、毛布をかけてあげる。
「あたしもねむい……」
「うん、いいよ。おやすみ」
子供たちが、次々と丸くなった。
「ったく、ガキは呑気だな」
「でも、ようやく静かになったぜ」
そんな言葉を聞きながら、あたしも最後に、座って膝に顔をうずめる。
開始まで、あと1時間弱……。
もう、意味は明らかだった。
まず揃っているほうを子供たちに配る。
「おねえちゃん、これ、もっと!」
「ごめんね、そのお菓子はもうないの。こっちでいい? それから、ちゃんとミルクも飲もうね」
「うん」
よっぽどおなかが空いてたんだろう。みんな必死なくらいに食べて、飲んでいる。
全員にミルクを配り終えてから、あたしもミルクを手に取った。もちろん、ひとつしかないデザインのものだ。
そして、なるべくさりげなく、犯人たちに声をかける。
「あの……ミルク、飲みませんか? 余ってて……」
「うん?」
犯人たちの視線がこっちへ向いた。
――上手くやらないと。
ヘタなそぶりを見せたら気づかれて、すべてが水の泡になる。
「余った? なんでだ」
「すみません。でも、余って……。
たぶん看護士さんが……多く作ったんだと、思うんですけど……」
よく分からないけど困っている、そんな感じが出るように言う。
犯人たちが顔を見合わせた。
「その、置いておいても、悪くなっちゃいそうで……」
あたしが言葉を続けると、もう一度犯人たちが互いに視線を交わした。
「まだ暑くもないのに、悪くなるか?」
「ここは暖房入ってるからな。そのうち酸っぱくなるだろ」
「じゃぁ、飲んじまうか」
三人がそれぞれ、コップに手を伸ばす。
「でもよ、No.1から絶対飲み食いするなって、言われてるぜ?」
「そうだな……」
犯人たちが躊躇った。
――ダメかも。
でもそれを見届ける間もなく、子供たちがまた話しかけてきた。
「おねえちゃん、ねむい……」
「おなかいっぱいだし、もう夜だもんね。
――ほら、ここに寝て」
目をこすっている子を寝かせて、毛布をかけてあげる。
「あたしもねむい……」
「うん、いいよ。おやすみ」
子供たちが、次々と丸くなった。
「ったく、ガキは呑気だな」
「でも、ようやく静かになったぜ」
そんな言葉を聞きながら、あたしも最後に、座って膝に顔をうずめる。
開始まで、あと1時間弱……。
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