1 / 4
1.詩文玲
しおりを挟む
「玲と結婚したら古茶センセの名前『詩文詩文』になっちゃうじゃん」
笑いながら嘘のような事実を突き付けてくる友人とは対極的に、私は不満を全面に押し出した表情で隣の棟の一階に視線を向ける。自分の顔なので見る事は叶わないが、きっと私の表情は『不満』という漢字よりも不満を上手く表しているだろう。
「玲はラノベの幼馴染系ヒロインみたいな明るい性格なのに古茶センセの話になると重くて暗くて絶望に満ちた廃人のような雰囲気をまとうよね。好きな人の話なのに。なんで?」
特別な友人である吉田の言葉に重くて暗くて絶望に満ちた廃人のような雰囲気で返す。
「よっちゃんだけが知ってる理由でしょうが…どうにもならない関係じゃん…生まれ方間違ったンダヨワタシ…」
女子高生をやったことのある者の何割かは私と同じような思いをした事があるだろう。
それが一時の気の迷いかもしれなくても
それが叶う可能性が限りなく0に近いものでも
好きだと気付いてしまったらこうなるしかないのだ。…たぶん。
大きな声で言いたい。私、詩文玲は自身が通う高校の教師 古茶詩文(こさ しふみ)さんが好きである。
しかし、とある秘密からこの想いは届かない。秘密の内容は小さい声で言いたい。むしろ言いたくない。
笑いながら嘘のような事実を突き付けてくる友人とは対極的に、私は不満を全面に押し出した表情で隣の棟の一階に視線を向ける。自分の顔なので見る事は叶わないが、きっと私の表情は『不満』という漢字よりも不満を上手く表しているだろう。
「玲はラノベの幼馴染系ヒロインみたいな明るい性格なのに古茶センセの話になると重くて暗くて絶望に満ちた廃人のような雰囲気をまとうよね。好きな人の話なのに。なんで?」
特別な友人である吉田の言葉に重くて暗くて絶望に満ちた廃人のような雰囲気で返す。
「よっちゃんだけが知ってる理由でしょうが…どうにもならない関係じゃん…生まれ方間違ったンダヨワタシ…」
女子高生をやったことのある者の何割かは私と同じような思いをした事があるだろう。
それが一時の気の迷いかもしれなくても
それが叶う可能性が限りなく0に近いものでも
好きだと気付いてしまったらこうなるしかないのだ。…たぶん。
大きな声で言いたい。私、詩文玲は自身が通う高校の教師 古茶詩文(こさ しふみ)さんが好きである。
しかし、とある秘密からこの想いは届かない。秘密の内容は小さい声で言いたい。むしろ言いたくない。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる