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2.古茶詩文
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(…ご飯食べてないじゃん!?)
危うく声を上げるところだった。
少しだけ。そう思って採点を始めたものの、気付けば時計の長針が天を刺すまでのタイムリミットは用意された全体の2割を切っていた。
教師が授業に遅刻するわけにもいかないので昼食を諦め教室へ向かう準備を始める。
「小テストの採点ですか?休み時間削ってまでなんて熱心ですねぇ。吉田の出来はどうですか?あいつ俺の授業寝てばっかりで。」
吉田さんの採点が終わっていないので返答に困る。ましてや50分かけて3人分しか採点が出来ていないので褒められても困る。
「お互い頑張りましょう。」
困った結果会話が成立しなかったが背後から聞こえた声は「達観してるなー見習おう!」だった。
僕は周りから過大評価されていると思うが、だからと言って自らに対する評価は低くない。
何でも卒なく熟し、焦りなんかは表に出さず上手く生きているだろう。
そんな僕が最近たくさんミスをする。
他人が気付かない程度の事だが。
今だってそうだ。僕は採点をするつもりが50分もの間見惚れていたんだ。
詩文玲(しもん れい)。彼女の綴った文字とそこからイメージされた彼女の姿に。
僕は彼女のことが好きだ。そう伝えてしまいたい。
教師と生徒の関係などは小さな問題だと認識しているので、今にでも行動に移そうかと何度も考えた。
しかし僕には秘密がある。これは大きな問題で…とても伝えられたものではない。
危うく声を上げるところだった。
少しだけ。そう思って採点を始めたものの、気付けば時計の長針が天を刺すまでのタイムリミットは用意された全体の2割を切っていた。
教師が授業に遅刻するわけにもいかないので昼食を諦め教室へ向かう準備を始める。
「小テストの採点ですか?休み時間削ってまでなんて熱心ですねぇ。吉田の出来はどうですか?あいつ俺の授業寝てばっかりで。」
吉田さんの採点が終わっていないので返答に困る。ましてや50分かけて3人分しか採点が出来ていないので褒められても困る。
「お互い頑張りましょう。」
困った結果会話が成立しなかったが背後から聞こえた声は「達観してるなー見習おう!」だった。
僕は周りから過大評価されていると思うが、だからと言って自らに対する評価は低くない。
何でも卒なく熟し、焦りなんかは表に出さず上手く生きているだろう。
そんな僕が最近たくさんミスをする。
他人が気付かない程度の事だが。
今だってそうだ。僕は採点をするつもりが50分もの間見惚れていたんだ。
詩文玲(しもん れい)。彼女の綴った文字とそこからイメージされた彼女の姿に。
僕は彼女のことが好きだ。そう伝えてしまいたい。
教師と生徒の関係などは小さな問題だと認識しているので、今にでも行動に移そうかと何度も考えた。
しかし僕には秘密がある。これは大きな問題で…とても伝えられたものではない。
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