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番外編〜新婚の悩み〜 3
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「ヴィオレット様、刃は潰していますが重くて危ないですのでお気をつけ下さい!」
騎士は親切にそう言ってくれたけど、この剣軽いわ。
おもちゃみたいね。
だから筋肉つかないのよ。
と、言ってしまいそうになったので、またにこりと微笑んでおいた。
騎士は真っ赤になって、側に控えてくれている。
「ハルト、手合わせなさいな。あなたが見えてないものを教えて差し上げますわ」
「え、ヴィー。大丈夫なのか?」
「大丈夫も何も。離婚とかいう不名誉な噂がもう立ってるし、ここで公開夫婦喧嘩でもして盛り上げてあげましょ?」
「ヴィーと手合わせとか燃える」
「全力で来なさい?自分勝手な赤き甘えっ子ちゃん」
「俺が勝ったら寝室は何があっても分けない!!」
「ふふ…勝てたらいいわね?私が勝ったらお願いを聞いてもらうわ」
「絶対負けねー!」
ハルトがそう叫ぶと同時に真っ直ぐ切り掛かって来た。
私は剣の刃でそれを往なし、ハルトの横腹に一発叩き込む。
「がっ…」
「はい、脇甘い」
「くそっ…!」
ハルトが素早く横に薙いで来るが、私は下から剣を叩き上げそのまま、さっきとは逆の横腹に潰された刃を埋めた。
「ぐぅっ…!」
「ちゃんと見ないと」
「このっ…!」
ハルトは何度も何度も私に向かってくる。
その度に私に剣を叩き込まれるのに。
「なんでっ…なんで別にしようとか言うんだ!!」
悔しそうにハルトが叫びながら向かってくる。
「毎日毎日、朝まで寝かせてくれないからでしょ!」
私はさらりと交わして背中に一撃入れた。
「がっ…!それが理由なのかよ!!仕方ねーだろ!ヴィーが横にいて我慢出来る奴いねーよ!!」
叫びながらハルトは巧妙に剣筋を隠してくる…が甘い。
「寝不足でフラフラするのよ!あんたは体力が余って仕方ないかもだけど、私は女性なのよ!?ちょっとくらい遠慮しなさいよ!」
カンッと捌いて、太ももに一発。
「ぐぁっ…!それは…ごめん!」
カンカンと続く攻防を見ながら、周りの騎士達は固まっている。
「何だあの2人…。てか、ヴィオレット様…やべぇな」
「マジでこの人達化け物だな。見ろよ、ジーク相手にヴィオレット様なんて、片足軸にしてそっから動いてないぞ!」
「うわ、ホントだ…」
「しっかし、ヴィオレット様綺麗だな…。黒髪がさらさら舞って、色気がやべぇ」
「俺、ジークの気持ちわかる。あんなの朝までしても足りねーよ…」
ざわざわと周りが騒がしくなるけど、最後の一言言った奴後でしばく!
「お前の声聞いたらおさまらねーんだよ!」
ガァン!と剣がぶつかり合う。
「だからって、毎日毎日朝まではやりすぎでしょ!」
「足りねーよそれでも!!これでも我慢してんだよ!」
「はぁ!?あれ以上やったらおかしくなるわ!」
「その顔が見てぇんじゃねーか馬鹿!」
「もうハルトに狂ってるのにこれ以上どうしたいのよ!」
「俺にもっとハマって俺だけしか見るな!」
カンカンと攻防戦が続いて、私達の会話はどんどん私達の日々を赤裸々にしていく。
周りの人達の顔が真っ赤になっていき、股間を抑えてどこかに走り去る人もいた。
「ヴィーは俺のだ!」
ガァンと重い力が私の剣にかかる。
ビリビリと痺れる腕、ほんとに強くなったなぁ。
一緒に訓練をしだして、ハルトはみるみるうちに強くなった。最初倒れた訓練コースも今は準備運動でこなせるほどに。
「俺以外見るな!!」
何度も繰り返し俺以外見るなって言うけど、
他を見る余裕なんてくれないじゃない。
そう考えると、ふっと笑みが浮かぶ。
私は一歩、前に出た。
「ハルト以外は愛せないわ」
にこりと笑うとハルトの動きが一瞬止まる。
私は止まったハルトの剣を弾き飛ばして、そのままハルトを抱きしめた。
「ハルト以外でイける気がしない。愛してる、ハルト」
そっと耳元で囁くと、ハルトが赤き暴れ熊から照れた可愛い甘えっ子ちゃんに早替わりして、顔を押さえて座り込んだ。
「はい、私の勝ち」
ハルトの頭を撫で撫でして、くるりと後ろを振り返る。
しん、とした雰囲気の中、突然「うわぁぁぁあ!すげー!!!」と大きな歓声が上がった。
私はさっきの騎士に、お礼を言って剣を返したのだけど。
何故か騎士の皆さんに膝をつかれ、頭を下げられている。
騎士は親切にそう言ってくれたけど、この剣軽いわ。
おもちゃみたいね。
だから筋肉つかないのよ。
と、言ってしまいそうになったので、またにこりと微笑んでおいた。
騎士は真っ赤になって、側に控えてくれている。
「ハルト、手合わせなさいな。あなたが見えてないものを教えて差し上げますわ」
「え、ヴィー。大丈夫なのか?」
「大丈夫も何も。離婚とかいう不名誉な噂がもう立ってるし、ここで公開夫婦喧嘩でもして盛り上げてあげましょ?」
「ヴィーと手合わせとか燃える」
「全力で来なさい?自分勝手な赤き甘えっ子ちゃん」
「俺が勝ったら寝室は何があっても分けない!!」
「ふふ…勝てたらいいわね?私が勝ったらお願いを聞いてもらうわ」
「絶対負けねー!」
ハルトがそう叫ぶと同時に真っ直ぐ切り掛かって来た。
私は剣の刃でそれを往なし、ハルトの横腹に一発叩き込む。
「がっ…」
「はい、脇甘い」
「くそっ…!」
ハルトが素早く横に薙いで来るが、私は下から剣を叩き上げそのまま、さっきとは逆の横腹に潰された刃を埋めた。
「ぐぅっ…!」
「ちゃんと見ないと」
「このっ…!」
ハルトは何度も何度も私に向かってくる。
その度に私に剣を叩き込まれるのに。
「なんでっ…なんで別にしようとか言うんだ!!」
悔しそうにハルトが叫びながら向かってくる。
「毎日毎日、朝まで寝かせてくれないからでしょ!」
私はさらりと交わして背中に一撃入れた。
「がっ…!それが理由なのかよ!!仕方ねーだろ!ヴィーが横にいて我慢出来る奴いねーよ!!」
叫びながらハルトは巧妙に剣筋を隠してくる…が甘い。
「寝不足でフラフラするのよ!あんたは体力が余って仕方ないかもだけど、私は女性なのよ!?ちょっとくらい遠慮しなさいよ!」
カンッと捌いて、太ももに一発。
「ぐぁっ…!それは…ごめん!」
カンカンと続く攻防を見ながら、周りの騎士達は固まっている。
「何だあの2人…。てか、ヴィオレット様…やべぇな」
「マジでこの人達化け物だな。見ろよ、ジーク相手にヴィオレット様なんて、片足軸にしてそっから動いてないぞ!」
「うわ、ホントだ…」
「しっかし、ヴィオレット様綺麗だな…。黒髪がさらさら舞って、色気がやべぇ」
「俺、ジークの気持ちわかる。あんなの朝までしても足りねーよ…」
ざわざわと周りが騒がしくなるけど、最後の一言言った奴後でしばく!
「お前の声聞いたらおさまらねーんだよ!」
ガァン!と剣がぶつかり合う。
「だからって、毎日毎日朝まではやりすぎでしょ!」
「足りねーよそれでも!!これでも我慢してんだよ!」
「はぁ!?あれ以上やったらおかしくなるわ!」
「その顔が見てぇんじゃねーか馬鹿!」
「もうハルトに狂ってるのにこれ以上どうしたいのよ!」
「俺にもっとハマって俺だけしか見るな!」
カンカンと攻防戦が続いて、私達の会話はどんどん私達の日々を赤裸々にしていく。
周りの人達の顔が真っ赤になっていき、股間を抑えてどこかに走り去る人もいた。
「ヴィーは俺のだ!」
ガァンと重い力が私の剣にかかる。
ビリビリと痺れる腕、ほんとに強くなったなぁ。
一緒に訓練をしだして、ハルトはみるみるうちに強くなった。最初倒れた訓練コースも今は準備運動でこなせるほどに。
「俺以外見るな!!」
何度も繰り返し俺以外見るなって言うけど、
他を見る余裕なんてくれないじゃない。
そう考えると、ふっと笑みが浮かぶ。
私は一歩、前に出た。
「ハルト以外は愛せないわ」
にこりと笑うとハルトの動きが一瞬止まる。
私は止まったハルトの剣を弾き飛ばして、そのままハルトを抱きしめた。
「ハルト以外でイける気がしない。愛してる、ハルト」
そっと耳元で囁くと、ハルトが赤き暴れ熊から照れた可愛い甘えっ子ちゃんに早替わりして、顔を押さえて座り込んだ。
「はい、私の勝ち」
ハルトの頭を撫で撫でして、くるりと後ろを振り返る。
しん、とした雰囲気の中、突然「うわぁぁぁあ!すげー!!!」と大きな歓声が上がった。
私はさっきの騎士に、お礼を言って剣を返したのだけど。
何故か騎士の皆さんに膝をつかれ、頭を下げられている。
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