ゆうみお R18 お休み中

あまみや。

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双葉澪

突然始まるDV

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いつも通りの日常から突然始まるDVが良い
成人済 ゆうみお同棲
事故で別の人格のDV気質が出てきちゃった優馬、そんな事あるのかは分かりません、病院には行きましょう




ーーー

(澪side)


「じゃあ行ってきます!今日は遅くなるから先に寝てて」
「うん、行ってらっしゃい」


朝、仕事に行った優馬を見送った。


今日は仕事も無いのでのんびりしようと、早速またベッドに戻る。


お昼まで寝て、起きたらご飯を食べて、ゲームをしてテレビを見た。


(今回の優馬が出てるドラマ………事故で登場人物の性格が突然変わるんだ)


優馬は色んなドラマやバラエティに出ている、正直すごいとも思うし、充実していて羨ましいとも思う。



それに比べて、僕は何も無いけど。




ーーー

(優馬side)


「お疲れ様でした、悠真さん」
「葉月さん!ありがとうございます!」


撮影終了後、撮影現場でマネージャーと話していたら、


「早く片付けてー、あ、それ重いから気を付けて!」


そう言って重くて見るからに転びでもしたら危ないような柱を、ADの人が運ぼうとしていた。



「……あ、俺手伝おうかな」
「大丈夫だと思います、他のADさんが………」


少し忙しそうだったから手伝おうとそこに近付いた、その時、



「きゃ…ッ」


そのADが足を滑らせた。



「え………」


長い柱が、こっちに倒れてきた。





「…ッ悠真さん!!」





ギュッと目を瞑って、身構える。



頭に強い衝撃が走った。






………けど、







「……?」



柱が床に落ちた音が聞こえて、目を開く。



「あ……痛い」



痛い、けど、



(別に我慢出来る、意識もある)



「だ、大丈夫ですか悠真さん!!」
「ッあ、ごめ、…ごめんなさ…………」


焦ったような表情のマネージャー、かなり表情が青ざめているAD。



「あ…別に大丈夫そうです、掠っただけだったかも………」


どういう訳か平気だった。


………でも、



(あれ……これ、何)



不思議な感覚があった。




「あの…病院に、」
「え?…あ、別に大丈夫ですよ!ていうかもう、疲れたから帰りたい………」



この不思議な感覚がなんだか分からなくて、でも、




(なんだろ………変な感じ)



俺じゃない、みたいな




(いいや、とりあえず帰ろう)



この変化が、あの人を見るまでは分からなかった。



ーーー


(澪side)


ソファで目が覚めて、辺りは真っ暗だった。


「あ………」



ゲームをしているうちに寝てしまったらしい。

真っ暗な視界に強いテレビの光が眩しかった。


電気をつけて、時計を見る。もう11時を過ぎていた。



(ご飯………お腹空いた)



ふらふらする体をどうにか起こして、立ち上がったその時、


玄関の扉が開く音がした。



「……!」


タイミングが良い、なんて思いながら玄関に向かう。



「……優馬、」



仕事が終わったのか玄関に優馬が立っていて、疲れているのか無表情だった。



「おかえり…、………優馬?」


僕を見ても何も反応してくれない、不思議に思って優馬の目を見た、次の瞬間、




「………ぇ?」




頬に強い痛みが走った。




「………?」



それがなんなのか分からなくて、優馬を見た。

……頬が痛い。



(叩かれた……?誰に?…優馬に?)



次の瞬間、




「ひ………ッ!!」


肩を掴まれて、無理矢理床に押し付けられた。


優馬の方が背も高いし体重だって重い、力もあるのにそこから抜け出せるわけない。



「ねぇ、…なに、やだ、」



何も言わない優馬が怖い、


そう思った瞬間、僕と目が合って優馬が笑った気がした。


そして、



「……ッ!!!」



今度は腹を殴られた。

何回も殴られて、1つ1つが重くて強くて痛い。



「ッは、は、ッ~~!!」



息が苦しくなるまで、何度も殴られた。



(なんで、なんで急に)



どうしていきなりこんな事をされているのか分からない、



怖い、前まではこんなことしなかったのに、



抵抗すら出来ないまま吐くまで殴られた。





ーーー



「ねぇ…やだ、」



あの後気絶して、目が覚めてからも優馬は変わらなかった。


少しでも気に入らないことがあると怒鳴って殴って、機嫌が良い時は何もしてこないけど、何故こんな事をするのか聞くと決まって機嫌が悪くなる。



「なんで洗濯してないの?頼んだよね」
「あの…発作で、ずっと寝ちゃってて……今からやるから、」


病気があろうと関係ない、



「言い訳?」
「ッ、ごめんなさい!!ごめんなさい、ごめんなさい、」



何度謝っても許してくれない、



「ごめんなさい………」



そして、こういう時のお仕置きは大体、



「あははっ、ねぇどう?俺が綺麗にしてあげる」


浴室で、冷水のシャワーを全身に浴びせられる。


呼吸が苦しくて、濡れた服が肌に張り付くのが気持ち悪くて、


「こっちでも綺麗にしような~」



浴槽の水に顔を押し付けられて、息が出来ない。



「やだ………」




その後は服が乾くまで、浴室に閉じ込められる。


何時間もずっと、丸1日なんて事もある。




次第に何に対しても怯えるようになって、ずっと謝っていた。



優馬が仕事に行っている間、逃げる事もできるけど、



(いつかそのうち、戻ってくれる…よね?)



ある意味洗脳されていたのかもしれない。


そう思わないと、自分が壊れてしまう気がした。




友達に助けを求める事すら考えられなかった。





ーーー

(優馬side)


「あの…悠真さん、少し様子がおかしいです」


ある日、マネージャーにそう言われた。


「は…?そうですか?」
「前より少し怖くなった、というか…やっぱり、病院に行きましょう」



……病院、



(なんで俺が………)



そんな暇あるなら澪ともっと一緒にいたいのに、



「………そうですね」




ーーー


「これは……、どうしてもっと早くに来なかったんですか……?!」


どうやら、何か危ないらしい。



(何がまずいんだろ……何も変わった気がしないけど)



少し、頭痛があるくらいで、



「すぐに治療を開始します、方法は………」





ーーー

治療もしながら仕事もして、家にも帰っていた。


「澪、卵買ってきた?」
「……え、……あ、」


………



「買い物頼んだよね?」
「ッごめんなさい!!買い忘れてた………」



………



「ッあ、い、今すぐ、今すぐ買ってくるから、」
「あのさぁ………」



また、手を出した。




「…もうしません、忘れないから、叩かないで、」


いつから澪は俺に対して怯えるようになったんだろう、


いつから、泣いて許しを乞うようになったのか、


俺の顔色をうかがうようになったのか、「ごめんなさい」が口癖になったのか、



(ただ愛してただけなのに、なんで)




………分からない




(愛してるって、どうやったら伝わる?恋人同士で、どうやって………)




………




…………分かった。





ーーー


「なにこれ…やだ、やめて、」


恋人同士で愛してる事を伝える方法はこれしかない。


「ひ…ッ、ぁ、痛い、痛い」



慣れるまでは痛いらしいけど、



「ぁ”ッ、ーーッ、ぅ…ぐ、」



(中狭いなぁ………処女だからかな)



恋人同士なら当たり前にすると思っていたそれで、澪は壊れた。




ーーー


「澪、ただいま」


寝ている事が多くなった。


(………)


治療の甲斐もあってか、少しずつ、事故の前のことも思い出してきた。


毛布をかけてあげて、起こさないように1人でご飯を食べる。



(風邪、引かないといいけど)



まだ、少しずつだけど、



でもそれは遅かった。





ーーー


「なんか……少しずつ思い出してきました、俺…何でこんな事してたんだろう」


治療ももう少しで終わるというところ、




「ただいま………」



家に帰っても電気がついていなかった。


(また寝てるのか……ちょっと最近酷いかも)


そう思いながら、リビングにいないので寝室に行ってみる。



そこに澪はいた。



「………澪?」



ベッドの上に布団もかけずに眠っている澪、


枕元に蓋が開いたまま倒れている薬の瓶、その近くに散らばる錠剤。




澪は息をしていなかった。





「……澪、…みお?」





体が冷たくて、動かない。






電気がついているはずのこの部屋が、どうしてかずっと、真っ暗な気がした。









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