役に立たないと冒険者クランをクビになった俺は、実は転生した最強の古代魔法使いだった

ゆゆぽりずむ

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第一章:アルテイルの扉

【2】ミレイユ

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「古代魔法か」

俺は一人で呟いた。

一万年以上昔においてすら古代魔法と呼ばれていたほど、遥か遠い時代に生み出された力。
これを使えば、もはや『ソウルフレイム』どころか世界の頂点に君臨することだって困難ではない。

「お、おいジェイド? どうした? 飲みすぎておかしくなったか?」

酒を止めなかったことを後悔し始めたマスターをよそに、俺は手にしたペンダントを眺めた。
確か俺が頂上手前を攻略して時に出会ったパーティの一人が、これを持っていた気がする。

その時、俺の頭の中に新たな記憶が甦った。

『もう一度アルテイルの扉を開け。この世界にはそれが必要だ』

異界の門、アルテイルの扉。
その奥には……。

「何があったんだ?」

思い出せない。
前世の俺は確かにそれを一度開いたはずなのに。

だが扉を開けた後、何か重大なことが起こった。
それだけは覚えている。

「行ってみるか、もう一度」

◇ ◆

次の日、俺は再び同じ場所でラム酒を飲んでいた。
世間では貧乏人が飲むの安酒という扱いだが、俺はこの酒が好きだ。

俺は手元で例のペンダントを転がした。
このペンダントのおかげで、俺は前世の記憶と力を取り戻した。

今なら、天上の塔だって攻略できるだろう。
問題はどれぐらい時間が必要かということしかない。

しばらく飲んでいると、ミレイユがやってきた。

「やった! 来てくれたんだね!」

ミレイユは躊躇うことなく俺の隣に座った。
返事はもちろんOKだろうと言わんばかりだ。

「返事の前にミレイユ、確認しておきたいことがある」

「何? 彼氏ならいないよ?」

「だろうな。でも聞きたいのはそれじゃない」

 俺はミレイユの前に例のペンダントを差し出した。

「それは……!」

 どうやら彼女はまだペンダントを無くしたことに気付いていなかったらしい。

「それ、なんでジェイドが持ってるの?」

「お前が昨日忘れていった。いいペンダントだな。俺も一つ欲しいんだが、どこで手に入れた?」

 俺はそう言いながらペンダントをミレイユに返した。

「これ? これは家の倉庫にあったんだ。気に入ったから使ってるんだ」

「お前はそれが何なのかを知っているのか?」

「なんなのかって?」

ミレイユがとぼけている感じはない。
俺の記憶を呼び覚ましたペンダントのことを、彼女もよく知らないみたいだ。

ミレイユが天上の塔に登りたがっている理由も含めて、一緒にいれば何かわかるかもしれない。
俺は彼女と組むことにした。

「まあいい。昨日の話、受けてやるよ」

「やった! じゃあよろしくね。私の職業は剣士だよ!」

ミレイユは腰の剣を俺に見せた。
装飾のされたサーベルだった。

「俺は魔道士だ」

「知ってるよ! 妨害系の魔法が得意なんだよね?」

「『ソウルフレイム』ではそういう役割だっただけさ。必要なら普通の攻撃魔法も使う」

「へえ、そうなんだ。私と二人で火力足りるかな?」

「大丈夫だとは思うけど……。足りなかったら他のメンバーを入れることも考えた方がいいだろうな」

「そうだね。実際に行ってみて確かめた方がいいね」

そこまで話して、俺はミレイユが訳ありだと言っていたのを思い出した。
だとすると、仲間を増やすのは期待できないかもしれない。

「そういえば、なんでお前はいきなり天上の塔に行こうとしてるんだ? Gランクならまずは街で仕事を受けた方がいいだろ?」

「う……。それはその……。まあ色々とね」

どうやら気軽にパーティを組めないのと関係ありそうだ。

「でも大丈夫。その辺のAランクよりも戦えるはずだよ」

そういうと、ミレイユは剣を抜いて振ってみせた。
確かにこなれた感じはある。

「実戦と訓練は違うぞ? 天上の塔に行くなら、むしろ長期的なサバイバル能力の方が重要だ」

天上の塔は一千階を超える大規模なダンジョンだ。
それはつまり、二十四時間体勢でモンスターの襲撃に備える必要があることを意味している。

「わかってるよ。さあ、早速パーティの申請に行こうよ!」

「気が早いな。まあいいか」

俺は酒代を払うと、ミレイユと一緒に冒険者ギルドへと向かった。



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