役に立たないと冒険者クランをクビになった俺は、実は転生した最強の古代魔法使いだった

ゆゆぽりずむ

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第一章:アルテイルの扉

【3】冒険者ギルド

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冒険者というのは基本的にフリーランスだ。
だが個人で仕事を直接受けてしまうと、後になって報酬などで揉める場合が多い。

そのため、特にクランに属さない冒険者はギルドの仲介で依頼を受けるのが普通だ。
俺達は誰かから依頼を受けるわけじゃないが、ギルドは素材の買い取りもやってくれるので、その面でも都合がいい。

仲介料や広告料を利益にしているギルドも人を集めたいらしく、パーティの共用保管庫とか会議室のレンタルとか、そういうサービスもある。
というわけで、俺達が冒険者ギルドに行くのは至極自然な流れだった。

「新しいパーティの申請ですね。ではまず参加される方全員のサインをお願いします」

受付嬢は慣れた様子で紙を差し出した。
二人にそれぞれの紙に自分の名前を書いて出すと、次にパーティの情報を記入する紙を差し出された。

俺はパーティの主目的の欄に天上の塔攻略と書いた。

「……え?」

それを見た受付嬢の表情が、初めて戸惑いに変わった。

「あの、お二人で天上の塔に登るんですか?」

「駄目なのか? 塔に登るのに許可は必要なかったと思ったんだが……」

俺は自分が何か失念しているのかを思って焦った。
もしかすると、今まではパーティの誰かとかクランの誰かが、俺の知らないところで手続きをしていてくれたのかもしれない。

「あ、いえ、特にそういうものは必要ないんですけど……。その、単純に戦力の問題というか……」

受付嬢の視線は、ミレイユが書いた紙のGランクという文字に注がれていた。

「それなら心配は無用だ。冒険者はあくまでも自己責任。それに二人で厳しそうなら後からメンバーを探すつもりでいる」

その時、ギルドの入り口が開いて冒険者の団体が中に入ってきた。
どよめきが起こったので見てみれば、天上の塔から返ってきた『ソウルフレイム』のメンバー達だった。

自他ともに認めるこの街の主役。
彼らは俺を見つけると、少し驚いた顔になった。

「なんだ、誰かと思えばジェイドか」

「ええ、しばらくぶりですね」

「まだ冒険者やってたんだな」

リーダーのガイルは下品に笑った。
ミレイユが少し苛ついたような表情になったが、俺はさり気なく手で彼女を制した。

「酒ばっかり飲んでると聞いて引退したのかと思ったぜ」

「そうなんですよ! 聞いてくださいよガイルさん。ジェイドさん達、この二人で天上の塔に行くって言うんです」

受付嬢は告げ口するような割り込んできた。
ちなみにだが、他人が受けた任務について口外するのは褒められた行為ではない。

……ギルドの信用問題だ。

「はあ? 二人ってお前、その女とか?」

「ああ。悪いか?」

「やめとけ。死にに行くようなもんだ。お前がウチをクビになったのは、そういうのも理由の一つなんだぞ?」

ガイルは呆れるように溜息を吐いた。

「ジェイド。天上の塔の攻略は遊びじゃないんだ。理にかなった判断ができない奴は遅かれ早かれ命を落とす。冷静な判断と行動ができないから、俺はお前のクビに同意したんだ」

無慈悲な言葉だった。
今までの俺なら、心を折られてしまったかもしれない。

しかし前世の知識と古代魔法を思い出した今は違う。
内心で野心の炎を燃やし始めた俺をよそに、ガイルは続けた。

「ジェイド。すぐに死ぬ奴には大きく三つある。わかるか?」

「いや……」

「一つは敵味方の戦力分析を怠る奴、二つ目は自分の感情を優先する奴、そして三つ目は慢心している奴だ。お前はその全て満たしていた上に、改善しようともしなかった。悪いことは言わない、やめておけ」

「……」

俺は慢心しているんだろうか?
だが天上の塔を単独で踏破した前世の知識と古代魔法があれば、十分な気がするのも事実だ。

今の自分の実力があのダンジョンで通用するのかどうか。
俺はそれを確かめる名案を思いついた。

「そこまで言うならガイル、俺と一つ勝負してくれないか?」
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