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第二章 新婚生活
13. あなたの赤ちゃんが欲しいです
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昨晩、寝つきが悪かったが、明け方にようやく微睡むことができた。
まだ重たいまぶたを開けると、アレス様の姿が見えた。アレス様はすでにベッドから出ており、動きやすそうな服に着替えている。きりっとしたお顔に恵まれた体躯。男性美を体現している旦那様に俺はしばし見惚れた。
「起こしてしまいましたね」
「いえ、大丈夫です。ちょうど眠りが途切れたので……」
「私はこれから朝の稽古に行って参ります」
「分かりました」
剣の稽古をするアレス様を見守りたかったが、躍動する体を目の前にしたらきっと俺は欲情してしまう。ああもう! 俺ってどうしてこんなにエッチなんだろう。
「それでは」
アレス様は爽やかな微笑みを残して、寝室から去っていった。
俺はベッドに留まったまま寝具を抱きしめて、アレス様の残り香を嗅いだ。考えていることと同じぐらい、やっていることも変態のそれである。俺は恥ずかしさを感じつつ、アレス様の匂いを求め続けた。
下腹部が熱くなってくる。
これ以上、このままでいたらあそこが濡れるか勃起してしまう。俺はベッドから身を引き剥がした。
浴室で洗顔とうがいを済ませる。
さっぱりしたところで、服に着替えた。白いシャツに茶色のボトムス。襟元をクラバットで飾る。体のラインが出ない服装である。もっとセックスアピールをした方がいいのだろうか。
もしも俺がボディラインを強調するような服を着たとしたら──。
『昨夜は緊張していたから抱けませんでした。昼間のあなたを見ていたら……兆してきました。私のものになってください』
何を考えているんだ。こんなセリフ、アレス様が口にするわけがない。日が高いうちから行為に及ぶだなんて真似、お堅いアレス様は絶対にしない。
俺は暇だから妄想に耽ってしまうのだろう。
嫁入り道具として持たされた刺繍セットを取り出す。朝食に呼ばれるまでのあいだ、手を動かして待つことにしよう。
真っ白なハンカチに、四葉のクローバーを縫っていく。アレス様のイニシャルを入れることも忘れなかった。
小一時間ほど刺繍に夢中になっていると、アレス様が寝室に戻ってきた。お顔が上気している。
「従者のリネルが腕を上げまして。なかなかいい勝負になりました」
「それはよかったです」
「汗を流してきますね」
アレス様がシャツを脱いだ。健康的に盛り上がった筋肉は雄々しくて、直視できない。俺が視線を逸らすと、アレス様が「失礼しました」と言った。
「あなたの前で半裸になるだなんて、はしたないですよね。お許しください」
「いいえ。俺たちは夫夫なんですから」
「寛大なお心に感謝します。フィーラン殿は本当に天使のようなお方だ」
ちゅっと頬にキスをされて、俺は心臓が止まりそうになった。汗とフェロモンが混ざった男臭い匂いが、俺を刺激する。俺の脳内をエロ妄想が駆け抜けていった。
『フィーラン殿も一緒に汗をかきましょう』
『でも、朝食が……』
『ベッドで一緒に食べればいいじゃないですか』
『あーんっ。アレス様ぁ』
違う。
現実のアレス様はこんなことは言わない。俺はどれだけアレス様を頭の中で辱めれば気が済むのだろう。
自己嫌悪に陥っていると、アレス様に抱きしめられた。
「ノヴィス領が恋しいのですか? そんな悲しそうな顔をしないでください」
「あ、アレス様……!」
「おっと、失礼。汗臭いのにあなたを懐に抱いてしまった」
アレス様は浴室へと向かった。
水を使う音がかすかに響いてくる。もしもレナートだったら、浴室のドアを開けてアレス様に抱きつくことだろう。
俺は妄想するだけで行動に移すことができない。
程なくしてアレス様が部屋に戻ってきた。上半身は裸だ。
アレス様が再び俺を抱きしめた。ふわりと石鹸の匂いが香る。
「フィーラン殿。これならば許してくれますか?」
「あっ、あの、俺……男臭いのも大好きです。アレス様ならどんなお姿でも大好きです!」
「そんなに私のことを想ってくださるとは……。あなたのことを大事にしないといけませんね」
俺の頬っぺたに軽いキスをすると、アレス様が言った。
「あなたの純潔を汚すような真似は致しません」
「えっ。でも俺、……いつか赤ちゃんが欲しいです!」
思いきって本心を打ち明けてみると、アレス様は神妙な面持ちになった。
まだ重たいまぶたを開けると、アレス様の姿が見えた。アレス様はすでにベッドから出ており、動きやすそうな服に着替えている。きりっとしたお顔に恵まれた体躯。男性美を体現している旦那様に俺はしばし見惚れた。
「起こしてしまいましたね」
「いえ、大丈夫です。ちょうど眠りが途切れたので……」
「私はこれから朝の稽古に行って参ります」
「分かりました」
剣の稽古をするアレス様を見守りたかったが、躍動する体を目の前にしたらきっと俺は欲情してしまう。ああもう! 俺ってどうしてこんなにエッチなんだろう。
「それでは」
アレス様は爽やかな微笑みを残して、寝室から去っていった。
俺はベッドに留まったまま寝具を抱きしめて、アレス様の残り香を嗅いだ。考えていることと同じぐらい、やっていることも変態のそれである。俺は恥ずかしさを感じつつ、アレス様の匂いを求め続けた。
下腹部が熱くなってくる。
これ以上、このままでいたらあそこが濡れるか勃起してしまう。俺はベッドから身を引き剥がした。
浴室で洗顔とうがいを済ませる。
さっぱりしたところで、服に着替えた。白いシャツに茶色のボトムス。襟元をクラバットで飾る。体のラインが出ない服装である。もっとセックスアピールをした方がいいのだろうか。
もしも俺がボディラインを強調するような服を着たとしたら──。
『昨夜は緊張していたから抱けませんでした。昼間のあなたを見ていたら……兆してきました。私のものになってください』
何を考えているんだ。こんなセリフ、アレス様が口にするわけがない。日が高いうちから行為に及ぶだなんて真似、お堅いアレス様は絶対にしない。
俺は暇だから妄想に耽ってしまうのだろう。
嫁入り道具として持たされた刺繍セットを取り出す。朝食に呼ばれるまでのあいだ、手を動かして待つことにしよう。
真っ白なハンカチに、四葉のクローバーを縫っていく。アレス様のイニシャルを入れることも忘れなかった。
小一時間ほど刺繍に夢中になっていると、アレス様が寝室に戻ってきた。お顔が上気している。
「従者のリネルが腕を上げまして。なかなかいい勝負になりました」
「それはよかったです」
「汗を流してきますね」
アレス様がシャツを脱いだ。健康的に盛り上がった筋肉は雄々しくて、直視できない。俺が視線を逸らすと、アレス様が「失礼しました」と言った。
「あなたの前で半裸になるだなんて、はしたないですよね。お許しください」
「いいえ。俺たちは夫夫なんですから」
「寛大なお心に感謝します。フィーラン殿は本当に天使のようなお方だ」
ちゅっと頬にキスをされて、俺は心臓が止まりそうになった。汗とフェロモンが混ざった男臭い匂いが、俺を刺激する。俺の脳内をエロ妄想が駆け抜けていった。
『フィーラン殿も一緒に汗をかきましょう』
『でも、朝食が……』
『ベッドで一緒に食べればいいじゃないですか』
『あーんっ。アレス様ぁ』
違う。
現実のアレス様はこんなことは言わない。俺はどれだけアレス様を頭の中で辱めれば気が済むのだろう。
自己嫌悪に陥っていると、アレス様に抱きしめられた。
「ノヴィス領が恋しいのですか? そんな悲しそうな顔をしないでください」
「あ、アレス様……!」
「おっと、失礼。汗臭いのにあなたを懐に抱いてしまった」
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俺は妄想するだけで行動に移すことができない。
程なくしてアレス様が部屋に戻ってきた。上半身は裸だ。
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「フィーラン殿。これならば許してくれますか?」
「あっ、あの、俺……男臭いのも大好きです。アレス様ならどんなお姿でも大好きです!」
「そんなに私のことを想ってくださるとは……。あなたのことを大事にしないといけませんね」
俺の頬っぺたに軽いキスをすると、アレス様が言った。
「あなたの純潔を汚すような真似は致しません」
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