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御祝 ―おいわい― side クラリス
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しおりを挟む「では、また明日、学園で。ごきげんよう、クラリス様」
「あ、はい。ごきげんよう。ローザ様」
暫し、ジェスター様と(なぜか私を挟んだまま)ウィットに富んだ会話を交わしたローザ様は、にこやかに会釈をし、教室から出ていく。
私もローザ様に会釈をしつつ、ふとジェスター様とローザ様の間に流れる空気に違和感を覚え、ジェスター様をちらりと見た。
……お互いあまり会った事ないって言ってたけど、今の会話は絶対に知り合いだよね?
シトリン家の右腕と言われているベリル家のご令嬢とシトリン家次期当主がお互いを知らないわけないか……
じゃあ、なんで知り合いだという事を隠しているのかな……私、ジェスター様と仲良しだと自負してたんだけどな。
今朝、2人で笑い合ったのも嬉しかった。出会った頃は寂しい目をしていたジェスター様が、心から笑ってくれたようで。
私にも気を許してくれてると思ってたんだけど……
家同士の秘密? それとも……2人だけの秘密?
『2人だけ』という言葉が頭に浮かんだ瞬間、私の胸の奥がチクンと痛む。
もしかして……2人は恋人なのかな……
ふと思いついた『恋人』という単語を2人の言動に当てはめると、今までの違和感が素直にストンと胸に落ちた。
だから、ジェスター様が私の肩に触れた時、ローザ様は不快な顔をした? 恋人が他の女性に触れたら、気分は良くないよね……
人見知りのローザ様が勇気を出して私に声を掛けたのは、ジェスター様に私の事を聞いていたから。恋人の女友達は気になって当然だもん。恋人いた事ないけど。
でも、前世で読んだ漫画に描いてあったし!
あのシトリン家だもの……なにか恋人の存在を公にできない事情があってもおかしくない。
朝、話していたジェスター様の言葉が頭をよぎった。
『僕は僕が好きになった女性としか、お付き合いをするつもりはないんだ』
あの時、なんて一途な人なんだろうと少し胸が熱くなったのだけど、愛おしそうな顔をして思い浮かべていたのは、ローザ様だったんだ。
そうか……この2人は…………恋人なんだ。
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