グリム・リーパーは恋をする ~最初で最後の死神の恋~

桜乃

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御祝 ―おいわい― side クラリス

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「えっと……どうかした……?」

 私が黙って俯いてしまったせいか、ジェスター様は困惑した声で心配そうに私の顔を覗き込んだ。

 少し感傷的になった心を悟られないよう、私は急いで笑顔を作る。

「あ、あっ、ごめんなさい。疲れてぼーっとしちゃったみたいで……」
「疲れてるの? 大丈夫?」
 
 いつもと変わらぬ穏やかな声のジェスター様に、なぜか心がチクチクする。

 ジェスター様は優しい。
 すごくすごく優しい。
 いつも私を気遣ってくれる。

 これじゃ、ローザ様もやきもきしちゃうよね……

「ありがとうございます。えっと……大丈夫です。あ、もうこんな時間。行かなきゃ!」

 ジェスター様に見られている事が急に恥ずかしくなり、目を逸らした私は、そそくさと帰り支度を始めた。ジェスター様は少し不思議そうな顔をする。

「行かなきゃって……疲れてるのに、どこかに行かなきゃいけないの?」
「あ、はい」
「差し支えなければ、どこに行くか聞いても?」
「ええっと……」

 内緒でって言われてたけど、言わないのと嘘をつくのは別問題だよね……

 私がもごもごしていると、ジェスター様がクスクス笑い出した。

「もしかしてザラ先生?」
「え、あ、は、はい!」

 ジェスター様にズバリと言われてしまった私は誤魔化すことも忘れ、反射的に答えてしまう。

 入学式後、王宮の執務室にくるよう雪兄に言われてたんだけど。
 
 なんで、わかったの!?
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