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艦砲
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「よし、スプルーアンスにも伝えよ!無論ミッドウェイの陸上基地もだ。」
第17任務部隊フレッチャー少将は、麾下の空母ワスプ、そして応急修理を奇跡的に間に合わせたヨークタウンに全力攻撃を命ずる。
その数140機。
こちらが明らかに戦略的にも戦術的にも先んじた今、ここで奴らを一気に仕留める。
無敵のゼロとやらも、三方からの飽和攻撃は止められまい!
「念の為、上空警戒も怠るな!。」
全機が発進を終える。
正直、本格的な空母航空戦が初めてと言うパイロットが半分強。
一抹の不安もあるが、祈る他ない。
本土での猛訓練の成果をみせてやれ。
「了解した。こちらも全力攻撃だ。
とにかく他には構うな、ひたすら敵空母を狙え。」
第16任務部隊
スプルーアンスも旗艦エンタープライズから命令を下す。
たとえ額面上は優勢でも…油断は出来ん。
僚艦ホーネットと併せて160機。
とにかく私は私の務めを果たすのみ…頼むぞ、皆。
「燃料弾薬等補給の際、母艦甲板が塞がっていたら、直掩戦闘機各機は極力翔鶴に降りるべし!」
南雲…と言うより久保の指示が、全戦闘機隊に行き渡る。
最初にパイロット達の目に映ったのは…。
Bー17!!15機、高度5000mにて現出…。
「空の要塞」の異名をとる怪物重爆撃機。
わが零戦の20ミリ機関砲でも、100mを遥かに切る距離まで肉薄せねば弾が通らない。
それ以前に針鼠のような防御機銃群に返り討ちにされかねない。
だが…
久保が下していた指示は、
「放置せよ」
であった。
敵のゼロの群れは1キロ以上は離れている。
Bー17を率いるマルテ大尉は一瞬首を傾げたが、単に南方方面で痛い目にあったトラウマであろうと割り切る。
ならば好きにさせて貰おう。
「全機各個に照準!投下開始!」
Bー17の爆弾倉が開いた時。
彼らの鼻先で無数の爆発。
なんだ!?艦砲か!?
対空榴弾か!数機の僚機が火を吹き墜ちていく。
マルテの機もエンジン一基がやられる。
これでは全機、爆弾投棄して離脱するしかない。
なんなんだこれは…。
しかも砲弾の大きさは…巡洋艦レベルではない!
これは…。
戦艦、大和、艦上。
「ふっふ、この零式通常弾もほぼぶっつけなんだがな。相変わらず無茶をさせよる奴は…」
山本の言葉に、参謀長宇垣は苦笑で返す。
(航空主兵の文脈での、戦艦の活用か…。)
これまで大砲か飛行機か、の二元論でしか語って来なかった。
この宇垣も含め。
しかし、角度も次元も違う発想をする男が現れた。
これからの海軍は、あの様な男が引っ張っていくのであろうか。
後方の長門、陸奥、日向、伊勢を顧みながら、宇垣はそれでも、我らが艦砲は死なぬさと自身に言い聞かせる。
そして5分後敵の「本命」の攻撃隊。
米空母4隻と陸上基地からの合計482機が、南雲空母艦隊に殺到した。
第17任務部隊フレッチャー少将は、麾下の空母ワスプ、そして応急修理を奇跡的に間に合わせたヨークタウンに全力攻撃を命ずる。
その数140機。
こちらが明らかに戦略的にも戦術的にも先んじた今、ここで奴らを一気に仕留める。
無敵のゼロとやらも、三方からの飽和攻撃は止められまい!
「念の為、上空警戒も怠るな!。」
全機が発進を終える。
正直、本格的な空母航空戦が初めてと言うパイロットが半分強。
一抹の不安もあるが、祈る他ない。
本土での猛訓練の成果をみせてやれ。
「了解した。こちらも全力攻撃だ。
とにかく他には構うな、ひたすら敵空母を狙え。」
第16任務部隊
スプルーアンスも旗艦エンタープライズから命令を下す。
たとえ額面上は優勢でも…油断は出来ん。
僚艦ホーネットと併せて160機。
とにかく私は私の務めを果たすのみ…頼むぞ、皆。
「燃料弾薬等補給の際、母艦甲板が塞がっていたら、直掩戦闘機各機は極力翔鶴に降りるべし!」
南雲…と言うより久保の指示が、全戦闘機隊に行き渡る。
最初にパイロット達の目に映ったのは…。
Bー17!!15機、高度5000mにて現出…。
「空の要塞」の異名をとる怪物重爆撃機。
わが零戦の20ミリ機関砲でも、100mを遥かに切る距離まで肉薄せねば弾が通らない。
それ以前に針鼠のような防御機銃群に返り討ちにされかねない。
だが…
久保が下していた指示は、
「放置せよ」
であった。
敵のゼロの群れは1キロ以上は離れている。
Bー17を率いるマルテ大尉は一瞬首を傾げたが、単に南方方面で痛い目にあったトラウマであろうと割り切る。
ならば好きにさせて貰おう。
「全機各個に照準!投下開始!」
Bー17の爆弾倉が開いた時。
彼らの鼻先で無数の爆発。
なんだ!?艦砲か!?
対空榴弾か!数機の僚機が火を吹き墜ちていく。
マルテの機もエンジン一基がやられる。
これでは全機、爆弾投棄して離脱するしかない。
なんなんだこれは…。
しかも砲弾の大きさは…巡洋艦レベルではない!
これは…。
戦艦、大和、艦上。
「ふっふ、この零式通常弾もほぼぶっつけなんだがな。相変わらず無茶をさせよる奴は…」
山本の言葉に、参謀長宇垣は苦笑で返す。
(航空主兵の文脈での、戦艦の活用か…。)
これまで大砲か飛行機か、の二元論でしか語って来なかった。
この宇垣も含め。
しかし、角度も次元も違う発想をする男が現れた。
これからの海軍は、あの様な男が引っ張っていくのであろうか。
後方の長門、陸奥、日向、伊勢を顧みながら、宇垣はそれでも、我らが艦砲は死なぬさと自身に言い聞かせる。
そして5分後敵の「本命」の攻撃隊。
米空母4隻と陸上基地からの合計482機が、南雲空母艦隊に殺到した。
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