17 / 23
出撃
しおりを挟む
321: 俊也:16/12/14(水)00:20:38 ID:cMq主 ×
5月5日 家康、秀忠は諸将とともに京を進発する。
「三日分の腰兵糧でよい」
と家康は全軍に伝えたとされる。
圧倒的優勢による余裕か、こんどこそ豊臣家を根切にするという覚悟か、あるいは両方であろうか。
323: 俊也:16/12/14(水)00:22:21 ID:cMq主 ×
これに対し豊臣方は要衝堺を制圧する。
大野治房の率いる手勢は余勢をかって紀州に侵攻しようとするが、
秀頼に大老として軍権を委任された宇喜多秀家が厳命を下し、現状の線での防衛にとどめさせた。
これにより樫井周辺で起こるはずであった会戦は未発に終わっている。
324: 俊也:16/12/14(水)00:38:59 ID:cMq主 ×
彡(゚)(゚)(さーて、こっからが本番やで・・・・・・・)
宇喜多の推挙と秀頼自らの意向により、正式に軍師格としてのポストに就いた恩慈英。
河内路から迫る徳川本軍12万迎撃のため、長曾我部盛親、木村重成らとともに恩慈英は出撃した。その数2万5千。
325: 俊也:16/12/14(水)00:40:15 ID:cMq主 ×
彡(゚)(゚)「史実よりは多いとはいえ、寡兵には間違いない・・・・・・
しかし、大部隊の機動が鈍る湿地帯ならチャンスはあるで。
ワイは重成殿を補佐する。」
(´・ω・`)「僕は長曾我部殿に付くよ。武運を祈る!」
326: 俊也:16/12/14(水)00:46:42 ID:cMq主 ×
萱振村周辺 幕府軍 藤堂高虎本営
若江方面に向かう豊臣方の動きを察知した藤堂軍
「大御所様より勝手に戦端をひらくなと・・・・・軍議どおり道明寺方面にこのまま向かう」
「殿、それは先刻までの話。いままさに情勢はうごきつつござる。
ここは見敵必戦でいくべきでありましょう」
麾下の藤堂良勝らがそう説くが、高虎はなお迷っていた。
歴戦の将ではあるのだが、彼は家康の機嫌を損ねることを恐れていた。
327: 俊也:16/12/14(水)01:04:18 ID:cMq主 ×
が・・・・・結局決断する。
「萱振の敵先鋒を叩く!大御所様や将軍家の本営を狙うつもりかもしれん!!」
藤堂勢は長曾我部盛親勢に肉薄した。
328: 俊也:16/12/14(水)01:05:27 ID:cMq主 ×
「まだじゃ、伏せたままこらえよ。」
長瀬川の堤の上で、盛親は兵を下馬させ、槍を構えて地に折り敷かせていた。
藤堂勢が射撃するが、応射はない。
「敵は鉄砲を持たぬようだ!一気に叩き潰せ!」
白兵戦を挑まんと藤堂勢が殺到したときに、いっきに盛親は一転攻勢を命じた。
堤を駆け下る勢いで槍が突き入れられ、カウンターパンチを喰らった態で藤堂勢は崩れた。
さらに左右から盛親の兵が伏兵として挟撃をかけてきたため、完全にかれらは壊乱することになる。
藤堂仁右衛門、勘解由ら名だたる将が次々と討ち取られ、ついに一部の盛親隊は藤堂軍本営に肉薄した。
329: 俊也:16/12/14(水)01:09:43 ID:cMq主 ×
「あれなるは藤堂和泉守!それあれにかかれ!」
上山十兵衛という土佐武士が、騎乗して逃げる高虎を猛追する。
しかし・・・・・
「くっ、きゃつは奥州の駿馬、この駑馬では追い付けぬ・・・・・・」
取り逃がすか・・・・・・
330: 俊也:16/12/14(水)01:14:17 ID:cMq主 ×
(´・ω・`)「僕におまかせを!」
「ぬ!?おぬし馬上から鉄砲を?しかしここからでは届かぬぞ!?」
(´・ω・`)「僕のは届くんだよなぁ・・・・・」
「な!?」
原住が持っていたのは、明石掃部を通じて堺の鉄砲鍛冶に(恩慈英の概略図をもとに)作らせていた原始的なライフル銃であった。
フリントロック方式の試作品でもある。
(´・ω・`)「内部のからくりで弾にらせん回転を与える!これにより射程は150間にも達しまする」
言いながら撃ちはなつ原住!
弾は見事に高虎の背中へと当たった。たまらず彼は落馬し、そこへ追い付いた上山が槍を突き入れる!
「藤堂和泉守高虎!討ち取ったり!!!!」
全軍に衝撃が走った。
関東方、初めての大名級(それも先鋒を有能にこなしうる)の戦死者である。
331: 俊也:16/12/14(水)01:33:35 ID:cMq主 ×
余勢を駆って、長曾我部勢は藤堂勢右翼を突破し、井伊直孝部隊側面に突き入った。
口々に、「藤堂高虎戦死」の報を叫んで回る。
井伊隊も動揺し、若き勇将木村重成の正面攻撃に陣形を乱し、じりじりと押し込まれていく。
木村重成と盛親の軍勢に、井伊隊も蹂躙されたといっていい。
「このまま突き入るぞ!家康、秀忠の首級を上げるまでは!」
そう若獅子のごとく吠えた重成であったが、恩慈英が制止した。
彡(゚)(゚)「木村殿も将士達も疲れ切っておられます、敵にひとたび当たって痛撃を加えた
のちは兵を損じず撤退すべし。宇喜多大老の厳命でござる」
「う・・・・・うむ・・・・・」
木村隊、長曾我部隊はすみやかに兵を収容し、射撃等で井伊隊を牽制しつつ撤退した。
八尾、若江における戦いは、幕府軍先鋒井伊、藤堂隊が全軍の八割を戦死傷でうしなう大敗北を喫する結果となった。
332: 俊也:16/12/14(水)01:44:43 ID:cMq主 ×
一方・・・・・・
大和口方面である。
こちらから侵攻してくるは水野勝成を先鋒とする5個軍団3万5千
一方現在、小松山に布陣する後藤又兵衛の先行部隊は7000人である
333: 俊也:16/12/14(水)01:55:08 ID:cMq主 ×
(真田隊、毛利隊は恩慈英殿の言われる通り早めに進発したようだが・・・・・
それでもこの濃霧では行軍に難渋してしまうか。
敵が濃霧で気づかぬ今、麓の敵に仕掛けるしかないか。
後詰は必ずくると信じよう!)
又兵衛は攻撃開始を決断した!
334: 俊也:16/12/14(水)01:55:58 ID:cMq主 ×
今宵はここまで。ありがとうございます!
335: 名無し:16/12/14(水)01:56:28 ID:vtr ×
乙やでまた楽しみにしてるな
336: 名無し:16/12/14(水)02:07:21 ID:O2e ×
高虎戦死か。
これで歯車がどう狂うか
5月5日 家康、秀忠は諸将とともに京を進発する。
「三日分の腰兵糧でよい」
と家康は全軍に伝えたとされる。
圧倒的優勢による余裕か、こんどこそ豊臣家を根切にするという覚悟か、あるいは両方であろうか。
323: 俊也:16/12/14(水)00:22:21 ID:cMq主 ×
これに対し豊臣方は要衝堺を制圧する。
大野治房の率いる手勢は余勢をかって紀州に侵攻しようとするが、
秀頼に大老として軍権を委任された宇喜多秀家が厳命を下し、現状の線での防衛にとどめさせた。
これにより樫井周辺で起こるはずであった会戦は未発に終わっている。
324: 俊也:16/12/14(水)00:38:59 ID:cMq主 ×
彡(゚)(゚)(さーて、こっからが本番やで・・・・・・・)
宇喜多の推挙と秀頼自らの意向により、正式に軍師格としてのポストに就いた恩慈英。
河内路から迫る徳川本軍12万迎撃のため、長曾我部盛親、木村重成らとともに恩慈英は出撃した。その数2万5千。
325: 俊也:16/12/14(水)00:40:15 ID:cMq主 ×
彡(゚)(゚)「史実よりは多いとはいえ、寡兵には間違いない・・・・・・
しかし、大部隊の機動が鈍る湿地帯ならチャンスはあるで。
ワイは重成殿を補佐する。」
(´・ω・`)「僕は長曾我部殿に付くよ。武運を祈る!」
326: 俊也:16/12/14(水)00:46:42 ID:cMq主 ×
萱振村周辺 幕府軍 藤堂高虎本営
若江方面に向かう豊臣方の動きを察知した藤堂軍
「大御所様より勝手に戦端をひらくなと・・・・・軍議どおり道明寺方面にこのまま向かう」
「殿、それは先刻までの話。いままさに情勢はうごきつつござる。
ここは見敵必戦でいくべきでありましょう」
麾下の藤堂良勝らがそう説くが、高虎はなお迷っていた。
歴戦の将ではあるのだが、彼は家康の機嫌を損ねることを恐れていた。
327: 俊也:16/12/14(水)01:04:18 ID:cMq主 ×
が・・・・・結局決断する。
「萱振の敵先鋒を叩く!大御所様や将軍家の本営を狙うつもりかもしれん!!」
藤堂勢は長曾我部盛親勢に肉薄した。
328: 俊也:16/12/14(水)01:05:27 ID:cMq主 ×
「まだじゃ、伏せたままこらえよ。」
長瀬川の堤の上で、盛親は兵を下馬させ、槍を構えて地に折り敷かせていた。
藤堂勢が射撃するが、応射はない。
「敵は鉄砲を持たぬようだ!一気に叩き潰せ!」
白兵戦を挑まんと藤堂勢が殺到したときに、いっきに盛親は一転攻勢を命じた。
堤を駆け下る勢いで槍が突き入れられ、カウンターパンチを喰らった態で藤堂勢は崩れた。
さらに左右から盛親の兵が伏兵として挟撃をかけてきたため、完全にかれらは壊乱することになる。
藤堂仁右衛門、勘解由ら名だたる将が次々と討ち取られ、ついに一部の盛親隊は藤堂軍本営に肉薄した。
329: 俊也:16/12/14(水)01:09:43 ID:cMq主 ×
「あれなるは藤堂和泉守!それあれにかかれ!」
上山十兵衛という土佐武士が、騎乗して逃げる高虎を猛追する。
しかし・・・・・
「くっ、きゃつは奥州の駿馬、この駑馬では追い付けぬ・・・・・・」
取り逃がすか・・・・・・
330: 俊也:16/12/14(水)01:14:17 ID:cMq主 ×
(´・ω・`)「僕におまかせを!」
「ぬ!?おぬし馬上から鉄砲を?しかしここからでは届かぬぞ!?」
(´・ω・`)「僕のは届くんだよなぁ・・・・・」
「な!?」
原住が持っていたのは、明石掃部を通じて堺の鉄砲鍛冶に(恩慈英の概略図をもとに)作らせていた原始的なライフル銃であった。
フリントロック方式の試作品でもある。
(´・ω・`)「内部のからくりで弾にらせん回転を与える!これにより射程は150間にも達しまする」
言いながら撃ちはなつ原住!
弾は見事に高虎の背中へと当たった。たまらず彼は落馬し、そこへ追い付いた上山が槍を突き入れる!
「藤堂和泉守高虎!討ち取ったり!!!!」
全軍に衝撃が走った。
関東方、初めての大名級(それも先鋒を有能にこなしうる)の戦死者である。
331: 俊也:16/12/14(水)01:33:35 ID:cMq主 ×
余勢を駆って、長曾我部勢は藤堂勢右翼を突破し、井伊直孝部隊側面に突き入った。
口々に、「藤堂高虎戦死」の報を叫んで回る。
井伊隊も動揺し、若き勇将木村重成の正面攻撃に陣形を乱し、じりじりと押し込まれていく。
木村重成と盛親の軍勢に、井伊隊も蹂躙されたといっていい。
「このまま突き入るぞ!家康、秀忠の首級を上げるまでは!」
そう若獅子のごとく吠えた重成であったが、恩慈英が制止した。
彡(゚)(゚)「木村殿も将士達も疲れ切っておられます、敵にひとたび当たって痛撃を加えた
のちは兵を損じず撤退すべし。宇喜多大老の厳命でござる」
「う・・・・・うむ・・・・・」
木村隊、長曾我部隊はすみやかに兵を収容し、射撃等で井伊隊を牽制しつつ撤退した。
八尾、若江における戦いは、幕府軍先鋒井伊、藤堂隊が全軍の八割を戦死傷でうしなう大敗北を喫する結果となった。
332: 俊也:16/12/14(水)01:44:43 ID:cMq主 ×
一方・・・・・・
大和口方面である。
こちらから侵攻してくるは水野勝成を先鋒とする5個軍団3万5千
一方現在、小松山に布陣する後藤又兵衛の先行部隊は7000人である
333: 俊也:16/12/14(水)01:55:08 ID:cMq主 ×
(真田隊、毛利隊は恩慈英殿の言われる通り早めに進発したようだが・・・・・
それでもこの濃霧では行軍に難渋してしまうか。
敵が濃霧で気づかぬ今、麓の敵に仕掛けるしかないか。
後詰は必ずくると信じよう!)
又兵衛は攻撃開始を決断した!
334: 俊也:16/12/14(水)01:55:58 ID:cMq主 ×
今宵はここまで。ありがとうございます!
335: 名無し:16/12/14(水)01:56:28 ID:vtr ×
乙やでまた楽しみにしてるな
336: 名無し:16/12/14(水)02:07:21 ID:O2e ×
高虎戦死か。
これで歯車がどう狂うか
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
23
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる