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Episode1・ゼロス誕生

勇者と冥王のママ11

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「ここだろう。お前が一番好きなところだ」
「ハウスト!」

 咎めましたがハウストは性器から零れた雫をなぞり、濡れた指で後孔の入口を解しだす。
 やわやわと後孔を押していた指が、頃合いを見計らって入ってきました。

「あぅ……んっ」

 小さな異物感と違和感。
 でも慣れた体に直ぐに馴染んで、ハウストの指の動きに敏感に反応してしまう。

「んぅ、あっ、あ……」

 ゆっくりと奥へ入ってきた指が、お腹の裏側を押したり擦ったりを繰り返す。
 そうされるとジンジンと下肢の中心に熱が灯し、悶えるように身を捩る。
 じわじわと体温があげられていく。体は火照ったように熱くなって神経が鋭敏になってしまっています。

「んんっ……、あ、ぅ……」

 声を耐えようと唇を引き結ぶのに、鼻にかかった甘えた声が漏れてしまう。
 ハウストの指の動き一つで腰をくねらせて、シーツの上で身悶えてしまうのです。

「ハウスト、あ、まって……」

 手を伸ばしてハウストの手首を掴む。
 彼を見つめて首を振るも、掴んだ手を離されて指先に口付けされました。

「なにを待つんだ。今夜の寝所はイスラやゼロスの寝所と離れている。存分に鳴けよ」
「で、でもっ、ああッ……!」

 お腹の裏側を押されて仰け反りました。
 腰を浮かせた私にハウストは口元だけで笑うと更に弱い箇所を攻めてきました。

「っ、あッ、だめですっ。あっ、ああッ!」

 休む間も与えてくれない攻めに、刺激される度に声が出てしまう。
 漏れてしまう高い声に唇を引き結ぶも、ハウストは手加減してくれません。

「や、あっ、アア……!」

 背筋を駆け抜ける快感に足の指先までピンと伸びて、ひと際高い声が上がりました。
 昂ぶりを解放し、体がベッドに沈み込む。
 ハアハアと呼吸が乱れている。
 白濁で濡れた寝衣が性器や腰に纏わりついて、なんともいえない心地に眉をしかめます。
 でもそれ以上にお尻の奥が疼く。

「うぅ……、ハウスト、もう、」

 達したというのにハウストの指がまだナカに入っています。
 自分でもナカの指を締め付けていることが分かる。
 もっととねだる様に、内壁がうねって指を締め付けているのです。

「もう、抜いて、くだ……さい。ん……っ」

 なんとかハウストの指を抜こうと腰を上にずらそうとしました。
 しかし。

「まだだ。ブレイラ」
「あ、ああんッ! な、なんでっ……」

 背中が仰け反りました。
 ハウストの指が追うように奥へ入ってきたのです。

「さっきイッたじゃないですかっ……。やッ、ああ!」
「一度じゃ物足りないだろ」
「ンッ、あ、ああッ、あ……あッ」

 二度目の攻めは一度目のそれよりも強烈なものでした。
 体は指を受け入れ、ナカを犯されることを気持ちいいと知っているのです。

「あぅッ、ン、ああ……!」

 指を一本から二本に増やされ、お尻を思うままに弄られる。
 弱い箇所を押されて腰が無意識に逃げようとするも、ハウストに腰を鷲掴まれてまた攻められるのです。
 そして二度目の絶頂に容易く昇り詰めていく。

「あっ、ダメッ、もうっ、ッ、ああッ!」

 白濁がまたも寝衣を濡らす。
 乱れた呼吸を漏らす唇にハウストのそれが重ねられます。

「ブレイラ、両手をあげろ」
「ん、はい……」

 ぼんやりする私にハウストが口付けながら、汚れた寝衣をするすると脱がしていきました。
 一糸纏わぬ姿になります。でもそれは私だけで、ハウストを見上げて首を横に振る。

「私だけなのは、いやです」
「分かっている」

 ハウストは私の額に口付けると、手早く衣服を脱いでまた私に覆い被さってきました。
 足を開かされ、お尻を曝される。後孔はひくひくとして、そこにハウストの指が触れると堪りませんでした。

「あぅ……んっ、ハウストっ、ああ……ッ!」

 二本の指が挿入され、またナカを掻き回されました。
 激しく抜き差しされて、また強制的に昂ぶらされていく。

「まってッ、ああっ、あッ! また、わたしっ、え……」

 しかし絶頂の間際、ハウストの指が引き抜かれました。
 そして後孔にハウストのそそり立った肉棒を当てられたかと思うと、一気に貫かれる。

「ッ、アアアッ……! あ、あぁ……っ」

 一突きの衝撃で絶頂し、白濁が散って彼の硬い腹を汚す。
 驚きで目を見開く私の上で彼がニヤリと笑って目を細めました。

「入れただけでイッたな。だが、俺にも付き合ってくれ」
「あ、あッ、あ、んッ!」

 ハウストが私の腰を掴んだかと思うと激しく動き出す。
 硬く熱い肉棒に内壁を擦られ、達したばかりだというのにまた体が熱くなる。
 奥を突かれるたびに「あ、あッ」と高い声が漏れてしまう。

「ブレイラ、少し我慢しろ」
「え? あっ、まってッ、動かさないで、くださいッ!」

 腕を掴まれたかと思うと、シーツに沈んでいた体を引き上げられ、正面で向き合ったまま彼の上に跨ぐように座らされました。
 すると自重でさらに彼のものが奥に入ってくる。

「うぅッ、ふか、い……」

 抱き合うハウストの懐で体を丸めて身を震わせます。
 ナカに入れられたまま態勢を変えられ、新たな刺激と快感に涙ぐんでしまう。

「ブレイラ、大丈夫か?」

 こくこくと頷くと、ハウストは私の目元に口付けてくれました。
 ナカが馴染むのを待ち、ハウストが動き出しました。
 体を持ち上げられて上下に抜き差しされる。

「ん、ん……っ、ん」

 最初はゆっくりだった動きが徐々に早さを増していく。
 下から突き上げる動きに体がゆさゆさと揺らされ、自重と突き上げでいつもより深い。

「あッ、あ、あぅっ……!」

 ハウストの肩を掴み、顏を埋めて必死に耐える。
 でもハウストが手加減してくれる様子はなくて、激しくなる突き上げに彼の限界も近いことが分かります。

「っ、ブレイラ……!」

 切羽詰まったような声。
 鼓膜を震わせた低い声に体が熱くなる。
 無意識に締め付けた私にハウストが息を詰めたかと思うと、彼が達したのが分かりました。

「ンッ、うっ、あつ、い……ッ」

 体の奥に熱いものが迸る感覚。
 はふはふと漏れる呼吸。甘いむず痒さを感じて無意識に締め付けると、埋められたままの彼のものがまた大きくなる。

「な、なんで、さっきイッたじゃないですかっ」
「足りる訳ないだろう。悪いがまだ付き合ってくれ」

 ハウストは低い声で言うと、挿入したまま私の体を四つん這いにする。
 そして背後から腰を鷲掴み、また腰を動かしだしました。

「ああッ、まって、休ませて、くだ、さい……! あっ、あんんッ」

 お願いしているのに聞いてくれる様子はありません。
 それどころか背後からの攻めは容赦なく私を追い上げていく。

「あッ、あぅっ、あ、あ!」
「気持ちいいか?」
「き、聞かない、で、くださいッ。ああッ」
「ちゃんと言ってくれ。分からないんだ」
「うぅ、うそ、ばっかり……!」
「その様子ならもう少し頑張れるな」

 そう言ったかと思うと、ハウストはぎりぎりまで抜いて一気に奥へ突き刺す。

「ああッ!!」

 衝撃に体が仰け反り、パタパタと散った白濁がシーツを汚しました。
 そのまま崩れ落ちるも、お尻だけを高く上げた格好のまま攻められ続ける。
 何度も絶頂を迎えさせられたことで頭が真っ白になっていく。
 四つん這いのまま前へ逃げようとしましたが、背後から引き寄せられて逃げられません。

「もうむりですっ。むり、あッ、あ!」

 むりだとうわ言のように言って、せめてとばかりに前へ手を伸ばす。
 指先に触れた天蓋のレースを握りしめ、また迫ってくる快感に身を丸めましたが。
 ビリリリリッ!!

「え?」

 はらり、私とハウストの頭上から天蓋のレースが落ちてきました。
 勢いでレースを引き千切ってしまったのです。
 私とハウストは大判のレース生地を頭から被る。
 思わぬことに私も彼も動きを止めましたが、それも束の間の事。

「面白い余興だ」

 背後のハウストはそう言って喉奥で笑うと、被ったレースもそのままにまた動き出してしまいました。

「ま、待ってッ、ああ、ハウスト……!」

 甲高い声が出て、また絶頂に昇り詰めていく。
 しかし何度も迎えた絶頂に白濁すら出なくなっていました。
 体内で強い快感がぐるぐると渦巻いている。
 熱に浮かされた頭と体。体に刻まれるハウストの激しい熱に、意識が遠のいていきました……。




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